開発中のアトピー新薬ネモリズマブについて

最近ネットでも話題に出ている中外製薬開の開発中のネモリズマブの第Ⅲ相の臨床試験の結果が発表されて有効性が確認されて今後申請されて実用化を目指します。デュピクセントに続き難治性のアトピー性皮膚炎の新薬として注目されます。

ネモリズマブは IL31に対するモノクローナル抗体で、カユミを起こす物質であるIL31が神経細胞にくっつくのをブロックすることにより、カユミを強く抑えることが分かっています。アトピー性皮膚炎ではかゆみの搔爬で症状の波がつくられるので、カユミがブロックされると夜間に睡眠もとれるようになりQOLが上がります。また、IL31 は好酸球や肥満細胞などの免疫細胞や角質細胞にも働くことがわかっていて、ネモリズマブによりそこへの働きもブロックされると、カユミだけではなく免疫系や皮膚バリア機能にも影響して治療効果を発揮すると考えられています。

具体的には4週間ごとに皮下注射にて投与し、12週間後(3回投与後)にカユミや症状スコア、睡眠の質などが有意に改善するといわれています。症状よりさきにカユミがまず軽減されてくるのが特徴のようです。カユミがなくなれば搔爬もなくなり症状はよくなってくると考えられます。

デュピクセント注射剤と同様、重大な副作用は報告されていないので、薬価が同じく高くなるとは思いますが、通常の今までの治療で軽快しない重症な方の治療法の選択肢のひとつに将来なってくることと思います。

また、デュピクセントがブロックするIL4,IL13 や ネモリズマブがブロックするIL31 が免疫細胞や神経細胞にある受容体という受け皿にくっつくと、JAK(ジャック、ヤヌキナーゼ)などのシグナル経路が活性化されて炎症やカユミを引き起こします。このJAKを阻害するのが外用薬のコレクチム軟膏です。コレクチム軟膏は処方開始になったばかり。これから患者さんのフィードバックを集めていきたいと思います。

アトピー性皮膚炎の新薬は続々と。ただこれらの薬は脱ステロイドとは違い、通常の治療でも難治性の方への治療ですので、きちんとした適用基準の判定が大切です。また講演会や勉強会で情報収集していきたいと思います。最近はもっぱら平日ヨルのウェブ講演会で、自宅や帰り道に聞けることは有り難い限りです。昨日は実家に行き帰りする途中のバスの中でデュピクセントに関する帝京大学の鎌田先生のご講演をききました。
デュピクセントは痒疹タイプのアトピー症状・顔面の難治性の症状(一部に治りにくい方がいらっしゃるようですが)に特に効果的であること、まれに合併する円形脱毛症を伴うアトピー性皮膚炎に対してデュピクセント加療すると円形脱毛症も軽快すること、皮膚バリア機能も改善するため単純ヘルペス(カポジ水痘様発疹症)や丹毒(顔のひっかきからの感染症)を繰り返すアトピー性皮膚炎の方にデュピクセント加療するとその感染症も出にくくなること。副反応の新たな追加はなく、結膜炎中心であること。など、有意義な情報をいただきました。

日焼け予防が注目される夏になりましたが、紫外線が太陽光エネルギーに占める割合は10%以下にすぎず、ブルーライトなどの可視光線が40%、赤外線が50%と言われています。日光暴露による光老化はこの可視光線や赤外線が大きく関与し、とくにこの中の高エネルギー可視光線(HEV)の有害性が報告されています。有害な活性酸素(ROS)の50%はHEVによって産生され、DNAを損傷し紅斑や炎症後色素沈着をきたし、肝斑などにも関与すると考えられています。ですからブルーライトなどのあたる室内での仕事中やテレワーク時にもしっかりとした紫外線予防が大切です。屋外だけではないのですね‥‥男性も日焼け止めは必須の時代ですね。

男性でも美容スキンケアの時代です。まずはいつもの化粧水をビタミンC+E誘導体などに、シワタルミ対策にときにレチンクリームを、そして毎日日焼け止めを塗っていく時代ですね。

最近また感染者が増え真夏だというのにマスク、消毒、がまだまだ続きそうです。今年は親にもゆっくりと会えずに会えたとしてもマスク越しにサラッとになってしまいます。今年はとにかく毎日気をつけながら真面目に生きていくしかないですね。人と大勢に集まらなくても出来ること、ウェブ学会でもウェブ面会でも授業でも、オンライン電話診療、でも、慣れていくしかなさそうです。少し色々変化していきますね‥‥。

 

 

 

 

 

 

ニキビのデュアックゲル勉強会

各種製薬会社さんより情報提供いただく面会が解禁になり、先週サンファーマさんの"デュアックゲル”の勉強会をしていただき、新しい情報を提供していただきました。デュアックゲルはニキビ菌に有効な抗菌剤クリンダマイシンが1%と角質剥離作用のある過酸化ベンゾイルが3%含まれた合剤です。海外では過酸化ベンゾイルの濃度が高く5%ですが日本では副反応(カサカサ乾燥)の低い3%になっています。(2.5%~10%で効果に有意差なし)
ニキビ患者さんの皮膚では、ニキビ初期の微少な面ポウ(白ニキビ)においても炎症が起きていることがわかっています。つまり、ニキビのない方の皮膚に比べてニキビのある方の一見正常に見える皮膚においてもすでに炎症細胞の増加が認められ、将来瘢痕化するリスクがあるため、初期から炎症を抑える薬を外用することも大切だと考えられます。 見た目の炎症にかかわらず、期間を決めて一見正常に見える微小面ポウ部位も含めて初期から炎症+C.acnesをコントロールすることが大切だと思われます。
副反応として7%に乾燥、5%にかぶれ、4%に紅斑、ですが保湿をした後にぬるとそこまで乾燥することも少ないイメージです。ニキビの薬は最近色々あり、きちんと説明しないと使い分けるのはなかなか困難です。

ダラシン(クリンダマイシン):抗生剤
ゼビアックス:抗生剤
アクアチム:抗生剤

ベピオ(過酸化ベンゾイル):面ポウ(白ニキビ)治療、角質剥離作用
ディフェリン(アダパレン):ビタミンA剤、ピーリング作用
エピデュオ:ベピオ+ディフェリン 面ポウ治療、ニキビ跡治療

デュアック:ダラシン+ベピオ 面ポウ~炎症赤ニキビまで

もちろん外用のみではなかなか困難な場合がありますので、内服や漢方などうまく組み合わせて治療していくことがほとんどです。また、皮脂を取り過ぎることなく、適度に保湿しながら皮膚のバリアを良好に保ちながら薬を外用することも必要です。

 

れっきとしたアラフィフになり頭頂部の疎毛に対して、最近以前の先輩皮膚科クリニックで購入したミノキシジル内服を始めています。ミノキシジルは降圧剤で末梢血管拡張作用+毛乳頭細胞に働き成長因子を増やす効果+毛母細胞のアポトーシスを抑制するなど、多岐にわたる機序で発毛効果を促すことがわかっています。血圧低下をきたさないほどの低容量だと副反応ほとんどなく発毛効果が認められているため、少し期待して飲み続けてみたいと思います。頭皮以外も多毛になるかも、とのことですがどうなることやら‥

皮膚や頭髪は外見そのものですが、肌や髪など見た目も気持ちも30代と同じようになりたいとは思いません。でも人生経験それなりの優しさや寛容さをもつ大人になりたいとは思うものの、"自分”が確立してしまっている分頑固なところは頑固だと自覚します。でもあまり"自分ってこう!”と決めつけずに、そのときそのときの気持ちに素直に流されながら、いつもと異なる激動の2020年の残り半分を過ごしていきたいと思います。

大学生の長男は配信される授業を受けるのみで、実習などは秋以降に先延ばし。部活動も休みのままで、太る一方‥‥ 娘たちはようやく今週から毎日登校でグータラ生活から抜け出せる体力があるか心配です‥‥何事にも体力、大切ですね。私も日曜日はまた再び運動再開し汗を久しぶりにかいて身も心もスッキリ。将来膝や腰を痛めないように、体力維持に、淡々と😃



デュピクセント注射剤について

自粛は明けましたが軒並み学会や講演会はウェブ講演会となり、夜間家や帰宅途中でスマホにて講演を聴くことが出来るようになりました。便利です。最近はまず、アトピー性皮膚炎の重症の方への治療、注射剤デュピクセントについてサノフィさんの企画講演で経験豊富な開業医の先生のお話をうかがいました。

アトピー性皮膚炎の注射剤デュピクセントは2018年1月から承認された治療薬です。一定期間の通常のステロイド外用やプロトピック外用ではアトピー性皮膚炎の炎症やかゆみ、臨床症状が軽快しない高校生以上の方で、診察で一定以上の重症度スコアを判定しあるスコア以上の方が適応となります。2週間に1回、腕や太ももなどに皮下注射を行うことでまずカユミが真っ先に軽快し、続いて皮膚の赤みなどの症状や硬い苔癬化(盛り上がり)が軽快、さらには肌の質感が少し柔らかく変化してくることが報告されています。外用は継続しながら、が前提ですが、何よりカユミをなくし肌の質感も改善するのでQOLを変えることが出来ます。

*機序 

アトピー性皮膚炎の炎症の主役のTh2細胞というリンパ球から分泌されるサイトカイン IL4,IL13をブロックする効果と、Th2細胞への分化する過程を抑制するので、主役のTh2リンパ球の前の段階と下流も両方ブロックする効果があり、かゆみ、皮膚の炎症両方に効きます。IL4,IL13からのシグナルは角質細胞のフィラグリン産生や抗菌タンパク産生を傷害するので、デュピクセントによりフィラグリン産生が増えて皮膚のバリアも強くなることも報告されています。アトピー性皮膚炎の重症度の指標TARC(タルク)も2週間後にかなり低下することがわかり、カユミ・皮膚症状の改善と一致します。

*治療間隔

2週間に一回の注射投与(皮下注射、うでや太もも、腹部など)が必要です。何回か慣れた方は自己注射も可能です。

*副作用

喘息の加療を行っている方は喘息も軽快し喘息の治療をやめてしまうと危険なので喘息加療は継続することが大切です。
また4割くらいで機序不明の結膜炎の発症があるため、その場合は抗菌剤目薬や場合により眼科受診が必要になります。

*治療代金

一番のネックは薬治療費です。 今年の4月から薬代が少し安くなり、3割負担の方で、初回月(月3本)のみ59720円、それ以降(月2本) 39814円となりそれでもまだ高額です(注射代金のみで)。

年収により値段は異なりますが高額医療費の助成が使えることが多く、自己負担額はそれよりは少し減額されます。加入する保険者に事前に"限度額適用認定書”を発行してもらって直接の支払いも少なくすることも出来ます。

*治療期間 

1回の注射後比較的すぐにカユミは軽減し、2週間で皮膚症状改善効果が認められ、3ヶ月するとほとんどの方がカユミや皮膚症状が明らかに改善すると報告されています。基本的に炎症や紅斑、カユミがおさまり、効果が実感できるまでは継続するのが理想です。6ヶ月を目安に良い状態を維持できるようであれば中止します。その後も引き続き外用治療は継続します。

ネオーラル(シクロスポリン)内服から切り替えるときは最初は少しずつかぶせながらシクロスポリンを少しずつ減量していき中止します。

一番のネックは治療費でしたが、この4月から、3割負担の方で一月(一本)あたり5000円安くなったので少しお勧めしやすくなりました。まだそれでも高額ですが、なかなか今までの従来の治療でコントロールが困難な方には情報提供していきたい薬剤です。

久しぶりの新薬・コレクチム軟膏も処方が始まり、アトピー性皮膚炎の治療薬に選択肢が増えることは嬉しいことです。また実際の講演会会場で臨床の先生方の実際の使い方やウェブ講演会では聞けないような率直な感想をうかがいたいですが、まだまだそれは少し先になりそうです‥‥

子供達の学校生活も少しずつ再開しつつあります。この数ヶ月はウェブやプリントで授業は少しだけ受けられても、学生生活に何より大切な、仲間や友人との交流や人間関係の学びがすっかり抜け落ちてしまったことが何より可哀想ですが、今年は仕方ない。世界みな同じです。
この大変な時期をなんとか皆でプラスの方向に考え後で懐かしく振り返ることが出来るように今はいろいろ勉強して自分自身を上げていきたいと思います✨


ニキビを悪化させるモロモロについて

マスクの下の皮脂詰まりから、アゴに白ニキビ面ぽうや赤いプツプツが出来ています。マスク時間が長いと仕方ないと諦めず普段の生活からこれ以上プツプツ出来ないように気をつける点は何か、小林美和先生の「痤瘡を悪化させる生活習慣」についての論文と野本真由美先生の「漢方薬による痤瘡治療」を読みました。

ストレス  ストレスを受けると視床下部から出る刺激ホルモン(CRH)が増えて下垂体前葉からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が分泌されてコルチゾールが増えますがこの、視床下部−下垂体−副腎皮質軸(HPAaxis)のホルモンの受容体が脂腺細胞にあることから、このストレスホルモンが脂質産生を増加させて痤瘡を悪化させていることが分かっています。さらに、脂腺細胞そのものも皮膚局所でストレスを与えられるとHPAaxis系のホルモンを自己分泌することもわかり、皮膚そのものの外的刺激ストレスも良くないそうです。確かにストレスがたまると大人のアゴニキビが出来やすくなのは皆経験することです。

睡眠  充分な睡眠はHPAaxisを抑制しますが睡眠か不足すると抑制が外れてコルチゾールが増え、痤瘡は悪化します。ただ、フランスでの報告では睡眠時間と痤瘡とに関連なしとの報告もあるそうです。臨床的には睡眠不足や睡眠サイクルと関連する方は多い気がします。

搔く刺激、触る刺激   触り潰す物理的刺激は出来ている小さな面ぽうを破裂させて炎症性ニキビに発展させるのみでなく、引っ掻くきにより角層バリアが損傷すると毛包部の角化を促すサイトカインが出て角栓詰まりができて面ぽうをつくると考えられています。

食事  あまりエビデンスのある悪化食材はなくチョコや乳製品、ナッツとの関連性に関しては否定的な報告が多く、食事内容との因果関係はまだ否定的です。血糖値の上昇に関わる高GI食品との関連が議論されています。

スキンケア  きちんと一日2回の洗顔で皮膚表面の皮脂を酸化させない=炎症の素になる遊離脂肪酸を作らないこと、逆に洗いすぎによる角層バリアの破壊を防ぐために、摩擦をかけない擦らない、触らない、できてしまったら薬で自然に治すことが大切です。また、皮膚バリアが低下していると塗り薬の刺激も起こしやすいので、十味敗毒湯など漢方薬などで皮膚バリアを整える事も有効です。

胃腸トラブル  胃もたれや便秘、下痢などの際に口周りの痤瘡が治りにくい場合は六君子湯や半夏瀉心湯などの漢方薬が効くことがあります。また、便秘傾向で悪化する場合は桃核承気湯も有効です。

月経周期  ニキビ肌の女性の約8割が生理前に悪化すると言われていますが、漢方的には血の巡りをよくする漢方が奏功します。血流が滞るとニキビの後の炎症後紅斑が残りやすく、その後の色素沈着も出やすくなります。ニキビその後そのものへの漢方でなくても鬱血やホルモンバランスを整える治療でようやくニキビが改善することはよくあり、様々な要因が関連しているのだと実感します。

化粧品  角栓の出来にくいノンコメドジェニックの製品が推奨されるほか、化粧品成分であるオレイン酸、スクアレンはコメドが出来やすいデータがありどちらかというと避けたい成分です。また、皮脂などの脂質を栄養源としているC.acnesニキビ菌はオリーブ油で増殖するという結果がありニキビを悪化させることがあります。

ひとえにニキビといっても男女、年齢、出来る場所もそれぞれで、奥が深いです‥今は単に抗生剤のんで塗って、だけでなくてその背景にあるスキンタイプや肌の状態、悪化因子は様々で、それぞれ各々の治療が必要な奥深い分野だと改めて感じました。

ニキビの心身治療にも詳しい小林美咲先生によると、ニキビの患者さんの8割はストレスによる悪化を自覚しています。ニキビを触ったり潰したりすることは快感であり交感神経緊張状態を和らげる効果もあることから、心身のストレスを紛らわすために掻破し、無意識に繰り返すうちに習慣化すると考えられています。 無意識のストレス~まずは、日本人に多い頑張り屋さんほど完璧を目指さず強くあろうと頑張りすぎず、〜出来ればいいな!くらいに気持ちを持つこと。人と比べて善悪を判断しやすい競合的な価値観にとらわれず自分の価値観を大切にしていきたいと感じました。

 

6月に入り少しずつ日常が戻ってきつつあります。今まで当たり前に思っていた仕事や、趣味や運動が出来ることが、今は有り難く思えるようになりました。半年ぶりの美容院で髪もすっきり、久しぶりに運動で汗をかくとスッキリ、心も少し前向きになれるから不思議です。自粛期間の体重増加を少しずつ戻していきたいです😃

少しずつ活動を戻していきながら、引き続き手指衛生・マスク・密を避ける を気をつけて過ごしていきたいと思います。

 

 

フソバクテリアと口囲皮膚炎について

日曜日に日焼けどめのみ塗って家にこもっていると、美容院に行けず伸びきった髪の毛が横顔にフサフサくっついたりチクチクしたりしてとってもかゆくなります。このムズムズの不快感はかえってお化粧してパウダーファンデ塗った方があまり感じず、休日の気の緩みのせいもあるのかもしれませんが、今からの梅雨時に気になります。最近はマスクの中で口の周りが荒れたりかゆくなったりする方も多いですが、しばらくこの夏はマスク必須が考えられますので改めて口囲皮膚炎(狭義の)について石黒直子先生の論文を見直しました。

口の周りに毛包脂線系の毛穴に一致した細かい炎症性丘疹が出来る症状で、日光・細菌感染・ニキビダニ・化粧品や保湿剤の誘因・生理前などが組み合わさって発症すると考えられていましたが、最近はフソバクテリアという嫌気性菌が病変部に高率に検出され関与が考えられています。主に腸管や口腔内に存在する菌です。健常人や脂漏性皮膚炎・アトピー性皮膚炎部位には存在しなかったことから、口囲皮膚炎独自の病態との関連が考えられ、治療もミノマイシンやβラクタム系抗生剤(ペニシリン系セフェム系など)の内服が効果的です。

口囲皮膚炎は、口の周りに時に赤い斑を伴って小さな毛包性の丘疹が細かく出来て、カユミやヒリヒリを伴うこともあり、マスクの下に発症するとなおさら悪化しそうです。ミノマイシンなどを1~2ヶ月内服するときれいに治ることが多いですので安易にステロイド外用を続けず、正しい診断と薬がなにより大切です。
顔の皮膚はニキビダニやフソバクテリアや表皮ブドウ球菌やニキビ菌など多く、またお化粧品やスキンケア製品やマスクの接触や花粉やホコリ・PM2.5などの外的刺激の侵入や洗顔などの摩擦やバリア破壊も起こりやすく細菌叢の乱れが生じやすい部位です。

日光ケアと摩擦や洗顔によるバリア破壊に何より気をつけながらマスク生活を続けていかなくては、と思います。

隔月に届く美容雑誌の今回の特集は"男性美容”でした。シミや汗や脱毛・AGA・ニオイなど。最近は男性でも美容皮膚科を受診される時代ですので、ご高齢の方でも髪の毛が増えたらシミ・シワも、脱毛も、とニーズが増えて生き生きと若々しく変身される時代です。

男性は女性ほどは年齢によるホルモン減少がなさそうなイメージですが、堀江重郎先生(順天堂泌尿器科)のお話によると先進国ほど加齢によるテストステロン分泌減少の方の割合が高いそうでストレスなどの関与が考えられているそうです。
テストステロン分泌低下による男性の心身の不調は、ある年齢になって目標が達成できなかったり、成果が得られなかったりすると起こりやすくなります。加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)は"心”の症状と"体”の症状があり、それぞれ"なんとなく調子が悪い”、"やる気がでない・憂鬱”、"筋肉痛がある”、"頻回に尿意がある”、筋肉量が減り太る、下を向くことが増えて目の間が縮んで顔が丸くなるなども起こりうるそうです。

テストステロンが減少すると毎日が楽しくなく意欲がわかず、何事にも億劫になります。逆にテストステロン分泌を促進するには、運動や睡眠でストレスをためない、目標を達成したり成果を得ることと関連することから、"自分を褒めてくれる場所に身を置く”が最も効果的だそうです✨✨ 誰かに褒めてもらわないとテストステロンは下がっしまう!そうです。
私たちが最も望む、単なる長寿でなくて"自立した健康長寿”のために大切な"筋肉”と"意欲”の二つにテストステロンは大きく関わっています。
女性のホルモン補充療法と同じように、男性にもテストステロン補充療法が行われているのも納得です。

家庭をもつ男性はなかなか家庭内では褒めてもらえない?かもしれませんので家庭以外の職場や趣味の場で周りから褒めてもらえると良いですね、との堀江先生のコメントでした‥‥😃


男性美容、という言葉も当たり前になってきていますね。我が家でも私+娘達よりよほど朝の洗面所のスキンケアが長~い夫+風呂時間が長~い息子です‥ そんな時代なのかな✨


コチニール色素による、皮膚経由の食物アレルギーについて

ニキビ診察の問診で使用している化粧品をうかがっていると当たり前ですが皆それぞれで、色々な成分の色々な効能の化粧品があることを実感します。最近になり注意しなくてはいけないといわれているのが、食物を含む化粧品に関連する食物アレルギーです。

茶のしずく石鹸で有名になった加水分解コムギによる小麦アレルギーをはじめ、特に女性が大人になってから化粧品に含まれる食品が肌から吸収されることにより、ある日急にその食べ物の重篤なアレルギーが始まってしまうことです。特に普段使用している(使用していた)化粧品とは気がつきにくく重症化しやすいので注意が必要です。

最近増えているものに化粧品に含まれるコチニール色素によるアレルギーについて、竹尾直子先生の論文を読みました。

コチニール色素とは、成分表示 カルミン /コチニール /カルミン酸で中南米ペルー🇵🇪のサボテンに寄生するメスエンジ虫から抽出された赤色の着色料で、アイメイクや口紅に含まれ、食品では昔は カンパリ、イチゴ牛乳、魚肉ソーセージなどに含まれていましたが、日本🇯🇵では2007年に食品へのしようが禁止されて以降は海外お土産のマカロンのアレルギー報告があります。

コチニールを含むアイメイクや口紅によりかぶれた既往がある成人女性がフランス製🇫🇷マカロンなどを食べた後に即時型アレルギーを発症しかなり重篤化することが多いので注意が必要です。日本🇯🇵では現在食品に含まれるコチニール色素のタンパク含量は2.2%以下に規制されている一方で化粧品に用いられるコチニールタンパク量の規制はないのが現実です。(ヨーロッパでは食品、化粧品共にコチニールタンパク量に規制がありません。) 日本🇯🇵では低アレルゲン化されたコチニール色素を含む食品が流通しており、そのような状況下でカルミンを成分とした化粧品を使用することで経皮・経粘膜的に感作され、その後食物アレルギーを発症すると考えられています。

2008年にLackが提唱した「食物の口からの摂取は免疫寛容を誘導し、経皮暴露は感作を成立させる」という考えが主流になり大人🧑になってからの食物アレルギーの一部は、食物が消化管以外の臓器・皮膚から入った際に、口からの摂取では成立していた免疫寛容が破壊されて発症すると考えられるようになりました。

コチニール以外でも、保湿効果のあるカラス麦クリームからのオートミール🥣やグラノーラのアナフィラキシー、パパイン洗顔料からのパパイヤ・ワサビ(パパイヤと交差反応がある)アナフィラキシー、イソフラボン化粧水からの大豆アナフィラキシーなどの報告があり、診察時の問診も大切だと改めて実感します。

乳幼児期においても食物抗原の皮膚経由での感作は食物アレルギーの発症リスクとなり、ダニ・ホコリなどの皮膚経由での感作も喘息やアレルギー性鼻炎などの発症につながることから、早期からの保湿ケアと皮膚バリア機能の改善が重要視されています。

普段何気なく使っている化粧品の中には植物や食物由来の成分か含まれていることがあり日常的に皮膚や粘膜に使用されて感作のリスクをはらんでいます。接触皮膚炎・じんましんの発症から食物アレルギー発症までの期間は平均11ヶ月と報告され、接触アレルギーの時点で診断出来ればその後の食物アレルギーの発症を予防することが出来ます。また、皮膚経由で成立した食物アレルギーの場合、感作経路を経てば食物アレルギーも治ることもあると考えられ、アトピー性皮膚炎や手湿疹、顔の乾燥肌やバリア不全をキチンとコントロールするが一番の予防になります。季節を問わず外からのアレルゲンは色々増える現代だからこそ、春でも夏でもこすらず摩擦をさけて保湿ケアですね‥😃

最近しばらくスタジオヨガやジムでの運動ができず、今までのようなストレス発散が出来ません。大人も🧑子供も👶、当面直面している具体的な問題に目を向けて今すぐ出来ることを探して実践するのが大切と読みました。運動してない罪悪感と身体の重さに対し、久しぶりにオンラインでのピラティスを実行しました。まずは朝のうちに予約してしまう、予約したからには受けねばならない、と追い込みやすいですが、出来れば参加出来ればいいなぁ、と考えて朝から過ごすようにします。そして実際1時間受けると少し骨盤のあたりがスッキリ気持ちいい✨やって良かった!となりました。

アトピー性皮膚炎やニキビ加療に心身医学的な治療指導を行っていらっしゃる小林美咲先生の論文を読むと、ストレスにより悪化するアトピー性皮膚炎やニキビの方の中には触る、搔く、潰すなどの行為がなかなか止められないことがあります。不必要に高い目標を立てる完璧主義にとらわれず苛立ちを感じたら「絶対〜ねばならない」というこだわりに縛られず、「絶対」を「とりあえず/出来れば」に、「ねばならぬ」を「〜ならいいな」へと置き換えてみるよう勧めているそうです。触ったり潰したり掻破したりの行動への精神的な依存は軽いことが多く行動修正は比較的簡単だそうなので自覚するだけでも辞められることも多いとのこと、皮膚は唯一自分の手で触れられる臓器で触り掻く手は心とつながっているので自覚と適切な指導で改善できると信じて、寄り添いかつ適切な治療を考えていきたいと思いました。

何でもかんでも頑張ってしまいすぎず「出来れば〜ならいいな!」と子供にも言えたら本当に素敵ですが‥まずは自分自身に言ってみよう✨



 

 

 

花粉ー食物アレルギー症候群について

自粛期間のうちにすっかりと春のスギ、ヒノキ花粉の時期が過ぎ、これからは夏のイネ科〔カモガヤ、オオアワガエリ〕の時期になります。最近めっきり有名になりましたが、大人になってから、花粉アレルゲンの交差反応による果物🍎などの食物アレルギーが発症して食べられなくなることがあり、花粉ー食物アレルギー症候群(PFAS pollen-food allergy syndrome)といいます。最近は花粉症の低年齢化に伴いPFASも幼児期から高齢者まで幅広い年代でみられるようになりました。

原因食品は、果物、野菜、大豆(豆類)、スパイスなどの植物由来の食品で、摂取直後に口腔咽頭症状だけ現れることが多く数時間以内に消退する事が殆どです。アレルゲンは、PR-10とプロフィリンという広く保存されるタンパクのため、一度感作されると、広範囲にわたる交差反応が誘導されます。

シラカバ、ハンノキ花粉 :リンゴ 🍎桃🍑さくらんぼ🍒いちご🍓梨🍐梅、ビワ、アーモンド、キウイ🥝人参🥕セロリ、コリアンダー、トマト🍅ジャガイモ🥔クルミ、大豆、モヤシ、ピーナッツ🥜ココナッツ🥥

スギ、ヒノキ : トマト🍅

カモガヤ、オオアワガエリ : メロン🍈スイカ🍉トマト🍅ジャガイモ🥔バナナ🍌オレンジ🍊セロリ

ブタクサ : メロン🍈スイカ🍉ズッキーニ、キュウリ🥒バナナ🍌

ヨモギ : セロリ、クミン、コリアンダー、人参🥕キウイ🥝ピーナッツ🥜

 

この中で、シラカバ・ハンノキー大豆アレルギーとヨモギースパイス・セロリ人参アレルギーは重症化しアナフィラキシーになる事があり注意が必要です。
診断は花粉アレルギーはIgERAST(特異的抗体)採血で分かりますが、食物はIgE特異的抗体採血では偽陰性になりやすく、新鮮な原因食材(果物や野菜など)のプリックテスト(行う施設は少ないですが‥)で正確には食品のアレルギーを確定診断します。最後に花粉と食品の交差反応を証明しますが、市販にはこの交差を証明できる検査はないため、一部のPR-10タンパクが採血で分かるものはRAST特異的IgE採血にて確定診断します。
大豆のPR-10タンパク:Gly m4
ピーナッツ:Ara h2
ラテックス:Hevb6.02

診断が下ったら、原因食材の摂取を避けることが基本ですが、新鮮な果物ではアレルギーがでても加熱処理したジャムや缶詰めなどでは誘発されないこともあり、個々により食べて良いかどうかは異なるようです。

子供の時は全く食べれても10~30代になって花粉ー食物アレルギーを発症することが多く一度発症すると摂取を控え、症状が重症になる例ではエピペンの処方が必要になります。果物が食べられなくなるって悲しいですけれど。

 

自粛期間が長い間続き、子供達は学校が始まらず、お籠もり状態のまま課題や宿題が出たり、特殊な春でした。大人も在宅勤務になったり環境が大きく変わり未知のモノに対する不安も重なり初めての環境に直面しています。
思春期のトリコチロマニア(抜毛症:自分で髪を抜いてしまう)の加療についての細谷律子先生の論文に"気分本意”でなく"行動本意”のアプローチ加療がかかれていました。
"気分”や"感情”は意志で変えられない..が、しかし"感情”はそのまま放置すれば、その経過は山の形をたどるように消失する。
変えられないものは変えようとせず、変えられるものを変えていく。 変えられるものとは"行動”であり、不安や感情・苦悩はそのままにして、今やるべきことをやっていこう!という"行動”本位の実践がすすめられる。"行動”本位の実践が心理的な変化をもたらして"あるがままの生き方”をすすめる森田療法的なアプローチです。

感情や気分は変えようとせず(たとえイライラしたり不安が高まったりしてもそれは必ず山なりに減っていき消えていくはずだから)、変えられる"自分の行動”をとりあえず実践していくことですね。自粛の今ももう少し、感情は変えようとせず、今やるべき行動を。

先日ヨル仕事から帰宅後、子供タチの夕食をつくり、食べさせてホッと一息ソファーでゴロリ。そのとき"お肉は焼いたのかな~”と言いながら登場した夫に思わず、"肉ぐらい自分でやけるのに~”と喉の奥にここまで隠しておいた言葉が声としてホロリと出てしまいました‥‥そしたら、相手も上手(うわて)、”でたでた~。”とサラリと受け流し😃 絶対に意地でもやらないですね😃

そんな時も"感情”は"放置”して、目の前の行動のみ‥?! うーん、まだまだ修行が必要そう‥まあ肉は焼きましたけど😃

制汗デオドラント剤について

最近昼は急に暑く汗疹のお子さんや汗かぶれの方もいらっしゃいます。汗の時期、こどもはあせもですみますが、大人は汗の臭いや体臭もきになる季節です。目に見えないけれどとても気になる"臭い”です。
(株)ライオン研究所の長嶋慎一さんのわかりやすい記事を読みました。

体臭には体の中から代謝物が皮膚表面に現れるにおいと、汗や皮脂などが皮膚表面で常在菌により分解されて発生するにおいがあります。

このうち後者、汗・皮脂が菌により分解されて発生するにおいに対して様々な成分の制汗剤が出ています。

汗には全身に分布するエクリン汗腺と、脇の下や耳などに分布するアポクリン腺があり、エクリン汗腺からの分泌は水・電解質がほとんどですが、アポクリン腺からは水・タンパク・脂質・脂肪酸・コレステロールなど臭いの原因となりうるものが多く分泌されます。
また、皮膚に常在する菌も脇の下や頭皮・額などに多く、この菌が汗を分解することにより臭いが発生しやすくなります。

ですから汗をかいてもそのたびに拭い去ればにおいにくくなりますが、実生活はそのたび、ということは難しいため、におい対策として制汗デオドラント剤が重要になってきます。

制汗成分には
ACH(クロルヒドロキシアルミニウム)・硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)・パラフェノールスルホン酸亜鉛(ZnPS)等があり、このうちACHが多用されます。
ACHの制汗メカニズムは金属イオンの収斂作用と、汗孔内で金属がフタ(プラグ)を形成することによる制汗作用の両方があり、ミョウバンとZnPSはプラグ形成による制汗作用のみもちます。そのほかに常在菌を殺菌する殺菌成分や消臭成分などが含まれます。

制汗が完璧でなくても、においをブロックする成分があります。まずニオイの代表成分は、アンドロステノン・ぺラルゴン酸・ジアセチルです。

アンドロステノン :アポクリン腺から分泌される成分が菌で分解されてできるステロイド性分解臭で、男性の体臭に多く含まれ女性の方が不快感を感じやすいニオイということがわかっています。不思議。このアンドロステノンの発生を抑えるのが、アンズ種成分であるキョウニン(杏仁)エキスといわれています。

ペラルゴン酸 :"使い古した食用油のような重いニオイ”という表現で?! 30代男性特有のにおいといわれ、紫外線やストレス・生活習慣の乱れにより皮脂が酸化して発生する成分で、月見草油の原料メマツヨイグサがペラルゴン酸の生成を抑えることがわかっています。

ジアセチル :汗の中の乳酸が常在菌により変化した成分で40~50代で増える頭皮のアブラ様ニオイの原因と考えられ、カンゾウ根エキスである甘草フラボノイドがジアセチルの生成を抑えることがわかっています。

 

制汗剤もスプレー型・ロールオン型・スティック型・シート型など各種でていますが、直接塗布するロールオンやスティック、シートの方が効果が高いようです。アルコール成分にかぶれやすい方は注意が必要です。
これからますます温度があがり、制汗剤の出番が増えそうです。

 

今週送られてきた医歯協同組合雑誌の中に多くのアスリートのメンタルトレーニングを行う大阪体育大学の菅生貴之先生の興味深い記事が載っていました。アスリートが高いパフォーマンスを発揮できる最適な"緊張・興奮レベル”いわゆる"ゾーン”に調整して持って行ける選手は安定した成績を続けることが出来ます。
スポーツでのメンタルトレーニングの目的は、パフォーマンス向上のための心理的なスキルを身につけ、試合のどんな場面でも自分自身をコントロールできるようにすることです。試合中のイライラ場面での対処法を聞かれても、菅生先生からは"処方箋”を出さず、過去にウマくいったときの状況を丁寧に聴いて、選手自身が考え、気付き、対処法を見つけられるように導くそうです。理不尽な問題に直面したときは、可哀想と同情するのでなくて『共感的理解』が大切で、精神的に辛い選手の"荷物”を勝手にもってあげるのでなく後ろから荷物を支えてあげます。すると"荷物”は軽くなり気持ちに余裕が生まれ、自ら"余計な荷物を持っていたのか”と気が付き自分で荷物を下ろします。なるほど~

試合に勝てる心の状態を知るスキルが『ピークパフォーマンス分析』で、最高成績の試合を思い出して試合前や試合中にどんなことを考えて行動したか、を振り返ります。この振り返りはイメトレの材料になりルーティンをつくり集中状態をつくる動作に役立ちます。

先生は担当アスリートの試合をあえて見に行くことはせず、選手の自主性を育てるそうです。見に行くと、あの場面はどうでしたか?などと選手は自分で振り返りをせずに頼ってしまう、そして先生も試合後先入観なく話を聞けて、選手自身も自らの言葉で試合の振り返りが出来るようになると。なるほど~

メンタルトレーニングとは、自分のココロの課題に目を向けて向き合い、受け入れていく作業です。メンタルが強くなると人間力が備わり、周囲への気遣いなど自分の成長も見られるそうです。
なんだかアスリートだけでなく仕事においても、友人関係においても、特に子育てにおいても共通のことかもしれません‥‥自主性を育てるって分かってはいてもなかなか‥ですが。

選手の不合理な行動も、頭では理解できても(意識下)、ココロ(無意識)が変わらなければ行動変容は起こりません。でもカウンセリングを重ねると"無意識下”で変化が起こり選手自らが不合理に気が付き行動が変わります。とのこと。なるほど~。
我慢強くカウンセリング、他人にはできるかも‥‥自分の子供にはなかなか出来ないかな‥😃

アトピー性皮膚炎の新しい塗り薬 コレクチム軟膏について

6月24日から、久しぶりのアトピー性皮膚炎の新しい塗り薬である、コレクチム軟膏が処方可能となります。プロトピック以来の久しぶりの塗り薬です。ただいま鳥居薬品さんの訪問自粛を受けてネットや文書や以前の講演会での情報しか入手できませんが、効果はそこまで強くはないものの、くすぶっている炎症を抑える効果としてはプロトピック同様期待できるようです。

アトピー性皮膚炎は免疫が関与する炎症性疾患ですが、ヘルパーT細胞・B細胞などの免疫細胞が産生するサイトカイン(生理活性物質)が過剰に出ることによる炎症が起こります。IL4,IL13などのサイトカインは"アトピー炎症”や皮膚バリア機能に、IL31はアトピーのカユミに関与していると言われています。これらのサイトカインは細胞膜状のレセプター(受容体)と結合して細胞内に変化を生じ、"JAK.STATシグナル伝達経路”を介して遺伝子転写を亢進させて細胞分裂を促し、サイトカインを増やすループ(延々と回っていく)をつくり、アトピー性皮膚炎の症状を増悪させていきます。各種サイトカインにターゲットを絞った薬は生物学的製剤として最近いろいろ出ていますが、今回の塗り薬コレクチム軟膏は、このうちJAK(ジャック)"ヤヌスキナーゼ”というチロシンリン酸化酵素を阻害する効果があります。
JAKはサイトカインレセプターにくっつきSTATタンパクが引き寄せられることにより遺伝子転写が亢進⇒免疫細胞・炎症細胞が活性化しアトピー性皮膚炎症状につながりますが、そのJAKを阻害する薬です。

今までの生物学的製剤と阻害する場所が異なるので違った効き方のようです。プロトピックのような塗ったときのヒリヒリ感やほてり感はなく使いやすそうです。薬価はプロトピック軟膏の5gチューブ500円(10割)に比べると5gチューブで700円(10割)と1.4倍です。一日あたりの制限量は10g(チューブ2本分)までなので、現実的には一部のみ使用、もしくは配合して使用ということになりそうです。
肝心の効果は、ステロイドの強い抗炎症効果というよりは、プロトピックのように少し軽快したあとの維持療法として使うことができるようです。どちらにろ患者様の選択肢が増えることは良いことです。実際処方加療できるようになったらより情報を収集していきたいと思います。

この連休は天気は良いですが仕事以外はステイホーム。目に見えない、だれが罹患しているか分からないコロナウイルスに対応している実際の医療者や多くに対応している保健所の方々の、正義感だけでは続かない緊張感やストレスを想像します。

千葉大の同窓やFacebookでつながる仲間達がみな、それぞれの立場で、時に専門情報や意見を、それぞれの仕事でコロナにより変わった環境を受け止め、生活していく姿を見て少し心がホッとします。仕事でも、家庭でも、健康でも、それに先立つ経済的な面でも、みな、一様に大変な状況なのは同じで、でも時々不安や思いを形にするとなんだかスッキリ前向きに一瞬なれる、ネットって良い面も多いな~と改めて思います。
zoomなどのネットを介しての仕事の面談や、息抜きのヨガなども、実際会えない分より一層に言葉遣いや身振り・笑顔を意識して。

義母から今日、沢山の野菜を送ってもらいました!今は買い物も一仕事、何よりも有り難い...本当は父がいなくなって一人の義母を連休中東京に来たら?といいたいところですが、いまは出来ず。本当にまた料理作ってもらいにきてもらえる日が待ち遠しい。せめて、母の思いをくんで、送ってくれた野菜を孫たちと息子(夫)に食べさせてあげたいと思います。孫息子が気が向くと料理してる(自分の分だけだけど‥)なんて聞いたら驚くだろーな😃

 

 

 

美肌と栄養

 

自粛期間が続き、我が家の新成人と新中学生達はずーっと大人しくAt homeです。よほど暇してるのか、長男が昼ご飯に最近オススメ料理YouTubeを見ながら料理を作っています。私よりよほどきっちりと分量をはかり、レシピ通りに忠実につくるためこれが結構おいしそう。夜には料理は残っていませんが使い終わった台所を"片付けまでやれよ~”と言いながらフライパンを片しながら残りのわずかを味見するとなかなか美味しい。今の時期、運動もできず、楽しみは食事くらい。栄養も大切ですが、自分の食べたいものを美味しい!といいながらできれば誰かと共に食べるのが一番です。
とは言いながら、美肌に必要な栄養を少しでも摂ろうか、と思い医学雑誌(美容皮膚医学BEAUTY16)を読んでみました。
皮膚の光老化を抑制する代表的な抗酸化物質はビタミンCとビタミンEとポリフェノール・カロチノイドが挙げられます。このうちカロチノイドは抗酸化作用が強く大切です。ビタミンCはメラニン産生抑制作用やコラーゲン合成にも関与しシミ・シワ予防とハリを与えます。ビタミンEの抗酸化力は強く紫外線ダメージから皮膚を守る働きがあります。
またビタミンAは紫外線から皮膚を守り、受けたダメージを修復する働きがあります。

カロチノイド:にんじん・ほうれん草・カボチャ(βカロテン)トマト・スイカ・柿(リコピン)エビ、カニ、鮭(アスタキサンチン)
ビタミンC :カリフラワー・赤ピーマン・ブロッコリー・柿・グレープフルーツ・サツマイモ・ジャガイモ
ビタミンE :カボチャ・赤ピーマン・アボガド・アーモンド・たらこ・ツナオイル漬け
ビタミンA :レバー・うなぎ・にんじん・カボチャ・ほうれん草・卵黄・トマト

光老化反応の真皮での反応に、"光増感反応”がありますが、これは真皮を構成する線維芽細胞が酸化ストレス状態になるとコラーゲンが分解されて線維芽細胞を支える細胞膜が脆弱化して基底膜の陥没によりシワやタルミが生じる状態をさします。カロチノイドはこの真皮での光増感反応で生じてしまう有害な"一重項酸素”を消し去る効果があり、抗酸化作用を強く発揮します。

また、抗酸化で大切なもう一つのポリフェノールですが、ポリフェノールとはフェノール性水酸基をいくつか持つ化合物の総称で、代表的なものはカテキンでよく知られる"フラボノイド”です。
フラボノイドの代表的なものは
*カテキン:緑茶・リンゴ
*フラバノン:カンキツ類
*アントシアニジン:ベリー類
*イソフラボン:豆

フラボノイドは、メラニン生成を抑える効果や血流改善効果、報告によりニキビ炎症を抑制する効果(まだ十分には検証できず)が報告されています。また、腸内環境において乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌を増やす効果もあり腸内フローラのバランスを整えます。
腸内フローラを構成する菌は食事の影響を日々受けながらも一定のバランスを保っていますが、食生活の乱れやストレス・便秘などによってバランスが崩れると有害物質の産生が増加し皮膚に悪影響をもたらすと考えられます。

ライフステージごとの食事摂取基準に従った食事を摂る中でポリフェノールもうまく取り入れていきたいものです。

今は自宅で食事を摂ることがほとんどです。無理に頭でこれを食べなきゃ、というよりは疲れたときはテイクアウトや即席もの、余裕があるときは美肌に大切な栄養素をうまく取り入れて、家族のためだけでなく、自分の"美”のために、ストレスに感じない程度に自分の食べたいものを作っていきたいと思いました。

 

Facebookをみていたら、日本赤十字社の動画 “ウイルスの次にやってくるもの”が飛び込んできました。

 

ウイルスは手洗いで洗い流せるけれど、心の中に潜んでいて流れていかないものがある。
暗いニュースや間違った情報をたくさん食べて、どんどん育って、そしてささやく。
そいつは人から人へと広まっていく。
そいつはまわりに攻撃を始める。
人と人が傷つけあい、分断が始まる。
そいつは脅かす。
もしも感染したらどうする? あんな風に言われたらどうする?
みな、熱があっても隠すようになる。
具合が悪くても隠すようになる。
もう誰が感染しているかわからなくなる。
ウイルスがどんどん広がっていく。
鏡を見ると、そこにもう、(いつもの)あなたはいない。
そいつの名前は "恐怖”。
ウイルスの次にやってくるもの。
もしかしたらウイルスよりも恐ろしいもの。
私たちが"恐怖”に飲み込まれる前にできること。
*恐怖にエサを与えない。
 時にはパソコンやスマホを消して暗いニュースばかりを見過ぎるのはやめよう。
 不確かな情報を鵜呑みにしないで立ち止まって考えよう。
*恐怖のささやきに耳を貸さない。
 恐怖は話を大げさにしておびえさせる。
 誰にもまだ分からないことは誰にもまだ分からないことでしかない。そのまま受け止めよう。
*恐怖から距離をとる。
 非難や差別の根っこに自分の過剰な防御本能があることに気付こう。
 冷静に客観的に恐怖を知り、見つめれば、恐怖は薄れていくはずだ。
*恐怖が嫌がることをする。
 恐怖が苦手なものは笑顔と日常だ。
 家族や友人と電話して笑おう。
 いつものようにきちんと食べて眠ろう。
 恐怖は逃げていくだろう。

"恐怖”はだれの心の中にもいる。
だから 励まし合おう。
応援し合おう。
人は団結すれば恐怖より強く賢い。
恐怖に振り回されずに、正しく知り、正しく恐れて
今日私たちにできることを。
それぞれの場所で。

~日本赤十字社 "ウイルスの次にやってくるもの”より~

そう、いつも通りの心の日常を、できれば笑顔で。それぞれの立場で。それぞれの場所で。

 

«肝斑について