もう一つのアトピー性皮膚炎飲み薬 "リンウ”オック錠”について

急に気温が下がりすっかり夏の暑さを忘れそうな、そしてまだまだコロナ禍の9月です。本来だと学会講演会シーズンのこの時期ですが、毎日のように各社のウェブ講演会が続きます。先日昼休み、アッウ"ィ合同会社さんのアトピー性皮膚炎のJAK阻害剤内服薬 "リンウ"オック”について勉強会をしていただきました。オルミエントと同様にJAK(ヤヌキナーゼ)阻害剤の飲み薬で、関節リウマチや関節症性乾癬についてはすでに利用されている飲み薬になります。

オルミエントと同様にJAK-STATジャックスタット経路を阻害することにより炎症性サイトカインを抑制しカユミを抑える効果が強いことが特徴です。そして12歳以上のアトピー性皮膚炎の方に適応されますので、中学生でも内服することが出来ます。15mg1日一回をベースに、効果に応じて16歳以上の方は30mgまで増量できます。JAK1を主に抑制することにより、内服スタート後1週間位するとカユミが軽減し早い方だと翌日から効果を実感することもあるそうです。

副反応として、感染症とくに帯状疱疹やニキビ、また結核の再燃や肺炎・敗血症などがあげられ、感染症の発現に注意することが大切です。具体的には採血・レントゲンなどで定期的なモニタリングが必要になります。

薬価がまだ高く、15mg1日一錠の内服で3割負担の方で4週間分42000円弱となります。まだまだ高額ですが12歳から適応の飲み薬ということで若い方にも期待できる薬だと思います。今後のアトピー性皮膚炎での長期の副反応などにも注目しながら情報収集していきたいと思います。

また本日ウェブにて同じくアトピー性皮膚炎へのデュピクセント注射剤の全国講演会があり、金子祐子先生(慶応リウマチ膠原病内科)・井川先生(獨協医大)・室田先生(長崎大)・片岡先生(大阪はびきの医療センター)のお話を聞きました。盛りだくさんの内容でしたが、メインのお話はアトピー性皮膚炎の “長期寛解と維持療法”におけるデュピクセント注射剤の役割でした。
アトピー性皮膚炎とは、従来は増悪と寛解を繰り返す疾患であり、中等度の方で一年の3分の1が増悪している状態、重症の場合は一年の半分以上が増悪の日々と言われています。
軽症の場合は、スキンケアと悪化因子対策で寛解/維持ができますが、中等度~重症の場合では今までのステロイド・プロトピック外用だけではなかなか難しかった症例などで、デュピクセントが寛解・維持が出来るようになりました。
医師側も、現在の治療が寛解導入の時期なのか、寛解を維持している時期なのかを考えながら、患者さんと目標ゴールを共有していくことなどを改めて再確認することが出来ました。例えば、デュピクセント注射剤を維持として使用しながら、ステロイド外用を週一日のみ外用で良好な皮膚を維持する、など具体的な目標を定めて患者さんのモチベーションを保つなど、その方その方に合わせた “寛解導入と維持療法”を考えていきたいと改めて感じました。

 

夏休み明けで新学期も分散登校やオンライン授業などもあり、子供達は睡眠リズムが崩れやすいコロナ禍での休み明けです。我が家の学生達も夏休みの昼夜逆転からなかなか抜け出せず、夕方には長い時間寝てしまったりで、睡眠のリズムの大切さを実感しています。今月号の日本医師会雑誌に"学童期・思春期における睡眠教育”という久留米大神経精神医学の小曽根先生の記事が出ていました。

まず、睡眠の基礎知識として睡眠の2つの機構が挙げられます。
1つめは"恒常性維持”=すなわち、長く起きているから眠くなる・疲れたから眠くなる。睡眠時間はその前に起きている時間の長さによって決まることで、起きている間に体内に睡眠物質(プロスタグランジンD2)が蓄積され、それにより睡眠が誘発されること。
2つめは“体内時計”=いわゆる、夜だから眠る。充分寝た後の翌日夜でもある時間になると眠気が来る。脳内の視神経が交わる部位に体内時計が存在し、睡眠リズムをコントロールしそれぞれの臓器に存在する末梢時計をコントロールすることで、夕方~夜にかけて松果体から分泌されるメラトニンが睡眠を誘発します。
この2つの機構が合わさって睡眠リズムをコントロールします。本来生体時計は約25時間の周期を持つとされ、それを毎日1時間ずつずらしながら社会のリズムに同調させています。そしてその同調に必要なのが ①高照度の光(朝の太陽光)と ②社会的同調要素(食事やヒトとの接触)です。①の太陽光は起床後すぐ朝にあびると早寝早起きの方向へ、夕方に浴びると遅寝遅起きの方向へずれてしまいます。どうしても元々固有の周期が25時間であるので、ヒトは遅寝遅起きの方向へずれやすいそうです。

また学童思春期の子供に必要な睡眠時間とは、9~10時間(6~13歳)、8~10時間(14~17歳)とされていますが、基本的には個人差があり睡眠時間は歳とともに短くなり、現実的には昼間の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番とされています。

学童思春期の子供に対しての具体的な指導として、
*8.5時間以上の睡眠 *休日も含め起床時間を一定に保つ *起きたら外に出てしっかり太陽光を浴びる *夕方の仮眠は25分以内にする
*寝る前の激しい運動・寝る直前の食事を控える *寝る前60分のPC/スマホ(ブルーライト)を避ける *布団に入ってからの勉強はしない
*寝る前のルーチン(入眠儀式)を作る

が挙げられています。我が子への注意としてあくまでも参考にしたいですがなかなか親が言っても聴かないですね‥でも言うヒトは親しかいないから言い続けていくしかないかな‥ 親なんてそんなものですね。



オルミエント:アトピー性皮膚炎の新しい飲み薬について

夏休み後半に入った先週、日本イーライリリーの担当の方から、アトピーの新しい内服薬 "オルミエント” についての勉強会をしていただきました。

オルミエントは既に外用薬で出ている"コレクチム軟膏”の働きと同じJAK(ヤヌキナーゼ)を阻害する内服薬です。ヤヌキナーゼとは、アトピー性皮膚炎の炎症やカユミに関わるサイトカインの活性化を担うもので、炎症に大きく関わる"JAK-STAT ジャックスタットシグナル伝達経路”を阻害します。もともと2017年関節リウマチの治療に認められ、2020年末よりアトピー性皮膚炎に認可されました。また最近は酸素吸入を要する新型コロナ肺炎にも投与が認められています。炎症性サイトカインによって細胞内のシグナル伝達を阻害して炎症を抑えるという面では理論上は変異株にも効果が期待できると考えられています。

具体的には 4mg錠(腎機能悪い方は2mg)を1日一回内服します。内服スタートからカユミの抑制効果が比較的早く現れますが、2ヶ月(8週)以降効果が薄い場合は中止して他の治療薬に変えることが勧められます。臨床的には、痒みにすぐ効く、という患者様の声が多いそうです。また、デュピクセント注射剤による治療で時に顔面の赤みやカユミが残る場合などもオルミエントの効果が期待できるようです。

アトピー性皮膚炎の海外の調査では、91%の方がカユミを、59%の方がカユミに伴う皮膚の痛みを、23%の方が夜の睡眠障害を自覚されています。最近では在宅勤務が増えると昼間仕事中も掻痒を感じやすくなり、掻いてしまうこともあるかもしれません。
JAKとは、アトピーの炎症を起こす IL-4, IL-13, IL-31などのサイトカインが信号を伝えるためにくっつくタンパク質です。オルミエントはJAKにくっつくことにより、サイトカインの信号伝達をブロックして炎症・掻痒を抑制します。

副反応としては、免疫の働きが低下することによる感染症が挙げられます。普通の感染症に加えアジア系人種では帯状疱疹の報告も多いようです。 ですから内服を始める前には肝機能/腎機能・肝炎ウイルスなどのチェック(採血)や結核の有無のチェック(レントゲン)などの事前検査が必要になります。私自身もまた詳細に学び、処方出来るように努めていきたいと思います。
最後に薬価ですが、まだまだ高額で、3割負担の方で1週間 約11,000円、1ヶ月で44,000円の3割負担です。高額医療費控除や付加給付制度が利用できると少し減額されますが、まだまだ高額です。

子供や学生さんもいつの間にか夏休みもあとわずかですが、昨年に引き続き、おとなしめの夏休みを過ごした方が多かったようです。我が家の長男は‥、マイペースにワクチン接種後はそれなりに友人達との大学生らしい夏休みも少し過ごしていたようですが、あとは信じるしかない‥言っても聞き流しますし‥‥家庭内距離と家庭内マスクは必須です。 双子娘たちは初めて他の友人なしで二人きりディズニーを楽しんだり、とホドホド楽しい夏休みだったようです。 いつの間にか少しずつ親の手を離れていきます‥

 

東京ではコロナ禍が続く日々、変異株が多くを占めるようになった今、どの年代でもどうしても不安や緊張が押し寄せてきます。都の医師会雑誌掲載の稲村茂先生(メンタルクリニック科)の記事の中に、新型コロナ不安・うつへの関わり方が載っていました。

『 本来"不安”とは、ヒトが危険を避けて生きていくために発達したシグナルであるので適切な"不安”は必要であり自然なことです。 脳内の情動反応を担う"扁桃体”が危険を察知すると"不安”や"恐怖”を引き起こしますが、この扁桃体は過度の刺激を受けると肥大したあとに、萎縮してしまいます。"海馬”は扁桃体と連動して抗ストレスホルモンを産生しますが、疲労すると同様に萎縮してしまい、セロトニンなどの分泌が下がり、うつ状態を生じます。ですから、まずは"不安”をコントロールすることが大切になります。 また、不安は孤独感が強いと増強していってしまうため、安全な対人関係の中で、不安を"言語化”していくと安心感が生まれ不安は減少していきます。 不安の中にいるヒトは他人に自分の不安を伝えることで自己の感情を整理でき、客観的になり、"不安の渦”の中から抜け出すことが出来ます。ですから、医療側は、コロナ不安についての話題をしっかりと聴き、共感し、不安の内容をより明細化する、そして一緒にそれぞれの具体的な不安を検討する。そうすることにより不安は減っていく。具体的に医療者側が、新型コロナ不安を積極的に話題に取り上げ、日常生活において、仕事上や家庭内において、影響がないかを聞いていく、これを継続することで不安を言語化していくことで不安が減り、現実的な冷静な判断をしながら生活できるようになります。その上、コロナ以外のストレスも言語化する力が増していく可能性があります。 
軽度な不安の場合は適度な運動も効果的です。身体の感覚を感じることで現実感や生命感が回復し、自分らしさを取り戻すことが出来ます。ただし過度の疲れるほどの運動は逆効果になります。 具体的には、10分の中強度運動により前頭前野の活性化が認められ、週3日、1時間の中強度の運動を6ヶ月続けることにより前頭前野の活動アップと体積アップが認められました。最大酸素摂取量の50%までの強度ではセロトニンレベルが上がり効果的ですが、それ以上強すぎると神経細胞死が誘導されて逆効果になります。普段がっつり運動している方にとっては、不安な状態の時はかえって、少し物足りない程度の強度や時間の運動のほうが良いでしょう。
今までにない未知の新型コロナウイルス禍の中で、対策もある程度は試行錯誤で何が正解かが分からなくなってしまうこともあります。従来の"こうあるべき”という価値観が意味をなさなくなってしまうこともあります。ですから、物事を違う角度からみて柔軟に対応すること、秩序愛的・予定調和的な発想を転換していくことも大切です 』(稲村茂先生)

私たち医療者も数多くの情報の中で信頼できる情報サイトの提供などを引き続き行っていきたいと改めて感じました✨

化膿性汗腺炎について

クリニックお盆夏休み直前に今まで私が不勉強であった分野の “化膿性汗腺炎” に対する生物学的製剤“ヒュミラ” に関し、アッウ”ィ合同会社の担当の方に勉強会をしていただきました。

化膿性汗腺炎とは、腋窩やそけい・臀部(おしり)・胸の下などに赤く腫れて痛くなるオデキが繰り返し、慢性に生じる病気です。病気に対してあまり知られておらず、適切な加療が受けられていないことも多く、進行すると膿をもつオデキ同士が皮膚の下でつながってしまい、硬く瘢痕化してしまい、痛みや腫れのために日常生活に支障をきたしてしまいます。経過も長く遷延し、普通のニキビ加療では治りにくい難治性の病態です。

20~40歳代男女での発症が多く、海外では30~40%/日本では1%で遺伝的要素もあり、と報告されています。海外の報告だと、糖尿病・喫煙や肥満がリスク因子として挙げられていますが日本人の統計ではあまりはっきりとはしません。
毛穴が何らかの原因で詰まることにより毛包の膜が破れて内容物が皮膚の内側や外側に漏出(感染性は無)し、炎症がおこります。炎症が起こると"TNF-α”というサイトカインが過剰に増加し炎症をより悪化させることがわかっています。
従来は抗生剤ミノマイシン内服や漢方薬の内服で抑え、症状が強いときは切開排膿処置くらいしか出来ませんでしたが、注射剤"ヒュミラ”が適応になってからは、患者様のQOLはだいぶ上がりました。
ヒュミラは ①"TNF-α”にくっついて離さず、TNF-αが受容体にくっついて働き始めるのをブロックします。 ②"TNF-α”を産生する細胞にくっついてアポトーシス(細胞死)させます。 この2点の働きでTNF-αの働きが劇的に抑制され、皮膚症状を治します。具体的には、炎症を起こす結節(しこり)・膿瘍・中でつながった膿のでるトンネル の数を減らすこと、と、炎症が治まった状態を長く維持 が期待できます。
治療効果が出てくるまで約3ヶ月が一般的ですが、臨床皮膚症状のみでなく痛みも減ること、瘻孔が出来ずに瘢痕が残りにくくなること、が特徴です。

具体的には、ヒュミラ80mgペン型注射剤を、初回は2本(160mg)、その後2週間ごとに1本(80mg)腹部に皮下注射し、2回指導後に処方して自己注射が出来ます。大体の方が指導すると自分で腹部に皮下注射出来るようになりますので通院の手間も減ります。

ただヒュミラは免疫を司るTNF-αの作用を抑えるため、感染症にかかりやすくなる可能性があります。ほとんどが上気道炎などですが、万が一もともと結核やウイルス性肝炎があった場合には悪化が考えられるため、事前にこれらや感染症のチェックが必要になります。もともと日本でも2008年に慢性関節リウマチに適応が始まり,2010年には乾癬・関節症性乾癬、その後も潰瘍性大腸炎やクローン病、膿疱性乾癬など様々なTNF-α関連疾患の治療に用いられていて、2019年に化膿性汗腺炎に適応拡大になった薬剤です。

まずは場所的に患者様自身が症状が軽い場合はなかなか言いだしずらい部位(脇の下・そけい部・お尻肛門周囲・乳房まわり)であること、痛みは固さが悪化してから受診されることが多いことなどから、化膿性汗腺炎という疾患の啓蒙と診断、そしてヒュミラを含んだ治療の選択肢を示すことが大切であると改めて勉強になりました。アッウ"ィのご担当の方、本当にありがとうございました。


今回も小林弘幸先生の健康塾は"食物繊維の驚異のメカニズム”です。食物繊維は ①有害菌(悪玉菌)の増殖を抑えて腸内環境を整える ②腸の蠕動運動を促し排便をスムーズにする ③免疫力を上げて発がん性物質を分解する など全身の健康に良い影響を与えます。

最近は大腸内で発酵した食物繊維をエサにして、有用菌(善玉菌)が ”短鎖脂肪酸” を作り出すことがわかっています。大腸で作り出す"短鎖脂肪酸”は身体に良い働きをする酸で、食欲をコントロールし、食べ過ぎた場合も交感神経を刺激しエネルギー消費を増やすことにより肥満を抑えたり、膵臓のインスリン分泌を抑えたりします。逆に"短鎖脂肪酸”が不足すると脂肪細胞が脂肪を取り込み太っていってしまいます。
このように食物繊維をエサに腸内の良い菌が短鎖脂肪酸を作りだし、全身の免疫力を高め、老化を防ぎ、肥満を防止します。
食物繊維というと、野菜や納豆、ひじき、インゲン豆、きなこやオートミールなど大人はともかく子供では摂りにくいものをイメージしやすいですが、順天堂小児科清水先生のお話では果物でもバナナ・リンゴ・キウイなど繊維分が多いものは子供でも食べやすく、また、便の量を増やし便秘に効果的な"ソルビトール”をふくむ果物として桃・プラム・リンゴなどがありますので、大人にも子供にも食べやすいと思います。また穀物の中でもソバ・パスタの方がうどんよりも繊維分が多いそうです。毎日多く摂りたい食物繊維は無理なく自分の摂れるものの中で意識して取り入れたいと思いました。

このお盆休みは、時々の実家のヘルプと、家の片付けと毎日のように近くのヨガで普段受けられない先生方のヨガを。若い時は感じなかった身体のゆがみや関節のいたみが60分のハードなレッスンでも軽めのレッスンでもスッキリ痛みもなくなり快適な休日が過ごせました。
また一層コロナ禍が続きストレスや緊張不安が絶えませんが、変わらず平常心でいられる時間を大切に、出来ればその心穏やかな時間が長く続きますように残暑の日々を過ごしていきたいと思います。

 

 

 

 

マスク内の毎日の肌ケアについて

毎日外に出るのが嫌になるくらい暑い毎日です。不織布マスク内のコメド(白ニキビ面ポウ)や痒みや紅斑がますます悪化しやすい時期です。女性はマスクのみならず毎日メイクもするので、マスク内が荒れやすい場合は使用する化粧品も面ポウができにくいノンコメドジェニックなものが望まれます。まだまだ続きそうなマスクの摩擦や皮膚温の上昇によってアセチルコリンが分泌されやすくなり、皮脂の分泌も増えてしまい、その上にメイクがのりますので何を使用するかはとても大切です。


ファンデーションの中で油性成分の多い順に、コンシーラー・スティックタイプファンデ > リキッドファンデ > パウダーファンデ > フェイスパウダー なので、自分の肌質に合わせたタイプのファンデーションを使用するようにします。
にきびが出来やすい部位はノンコメドジェニックの下地にノンコメドジェニックのリキッドファンデもしくはフェイスパウダーがオススメです。ノンコメドジェニックとは化粧品が面ポウの形成を誘発しないことを確認する試験で、具体的には背中上方に製品を48時間以上密閉塗布または反復塗布をしたあとに皮疹の確認や毛孔過角化の評価を行い判断するものです。
マスク内のファンデーションとしては下地や日焼け止め機能も含みノンコメドジェニック、かつ時間が経過すると表面がパウダーっぽく仕上がるものなどは、マスクにもつきにくく良いかもしれません。毎日のスキンケアとしては

*クレンジングは少量だとファンデが浮きにくく少量をのばそうと擦ることになるため、多めに使用することが大切です。手のひら全体にのばした後に顔全体にいきわたるように、鼻横や目元のポイントメイクは手の指の指腹を使ってすべらすようにゆっくりなじませます。時間をおきすぎると脱脂が多すぎて乾燥するためなじんだら早めに流します。すすぎ残しがないように額の生え際やアゴ下までしっかりと洗い流したあとは、刺激の少ない洗顔料を手のひらに置いたら指の先で空気を含ませるように時々水を入れながら細かいアワを作ります。アワを顔の表面の上で転がすようにして鼻横や額の脂漏部は指先で丁寧に細かく洗い、たっぷりの水で隅々まですすぎます。
*リキッドファンデや下地タイプは手の指中3本の腹を面として使って優しくのばすように、鼻よこや目元は指先で細かく優しく置くようにしてぬるようにします。
*使用するファンデのスポンジやチークブラシはマメに洗い清潔に使用します。ファンデのパフは下地などが付いた状態で使用するため汚れやすく、非常に多い菌が検出されたという報告もあり一回ことに洗い、乾かしてから使用することが大切です。チークブラシも最後にのせるためファンデが付きやすく固くなりのでマメな洗浄と柔らかい素材のものを立てて使用すると肌に負担がかかるため少しブラシを倒してねかせて使うようにします。

毎日使用するメイク用品、スキンケア方法により肌のコンディションも変わってきます。まずは自分自身の使い心地などをサンプルで使用してみて実感することも大切です。サンプルをご紹介できるものはしていきたいと思います。

先日吉木伸子先生のウェブ講演にてこの時期悪化しやすい“酒さ”のスキンケアについてご講演がありました。
酒さは、毛細血管拡張・皮膚過敏性・常在真菌マラセチアに対する過剰な免疫応答による?炎症・皮膚からの水分蒸発量の増加 が認められ、酒さ皮膚では皮脂量は正常だが水分量が低下していることが報告されています。80%の方が紫外線・ストレスで悪化、27%の方が化粧品スキンケアの刺激という報告があります(50%の方が激しい運動・熱い入浴・辛いものの摂取)。ですから“酒さ”のスキンケアとしては 紫外線対策をしっかり、かつ十分な保湿を行うことが必要になります。アメリカで現在認可されている日焼け止め成分のうち安全性と有効性が認められたものは2種類のみで紫外線散乱剤である“酸化亜鉛”と“酸化チタン”であるそうです。この2剤は肌にのせると白浮きしやすくなりますが、パウダーファンデの中に含まれることも多いので、スキンケアをシンプルに保湿後にパウダーファンデでも充分通常生活の紫外線防御にはなると考えられます。多種類スキンケアを使用すると洗顔も過剰になり保湿力も下がるので、酒さの皮膚症状が強いときはスキンケアをシンプルにすると良いそうです。

マスク生活はまだしばらく続きますが、毎日の洗顔やスキンケアやお化粧生活はもっといつまでも続きます。薬加療のみでなく日々の洗顔とスキンケア、そしてお化粧方法を丁寧に気をつけて行うことを、私自身も改めて肝に銘じたいと思います。

この祝日連休は五輪観戦と、Feel cycleジム、そして普段受けられない平日の先生のヨガレッスンを受けました。ヘッドスタンド、慣れないことを練習しましたが、まだまだ全然できずこれからまだまだ‥‥奥が深い。
日曜日祝日の貴重な休みの日の中でどうしても必要な仕事以外は例えばネットサーフィンやSNSなし・スマホなしで過ごす、それだけで気持ちがリフレッシュします。アメリカの学術誌の報告だとソーシャルメディアを利用すればするほど気分の落ち込みや不安が増すと言われています。 私自身も、それらをたった1時間でも遮断するヨガや運動の時間はそれだけでも貴重な大切な時間です。その瞬間に完全に自分の身を置き自分の幸せを実感し感謝すると自分自身の精神的な強さにつながる、とヨガの教科書にありました。貴重な自分だけの時間に幸せを感じながら少しまた高度なヨガクラスもまた受けてみたいと思います✨

 

 

 

 

最近の皮膚科の新薬について

再び宣言の迫る中、6月に処方開始になった乾癬の治療薬“ドボゲット”のフォーム状のドボゲットフォームの発売記念講演会に参加してきました。
乾癬の治療薬である、ビタミンD剤とステロイド剤の合剤であるドボゲット軟膏のスプレー状の剤形ですが、軟膏のスプレー版、といったイメージでいわゆるヒルドイドフォームのようなモコモコ泡状ではなく、肌にくっつくような粉雪状のスプレー剤になります。
スプレーした際に、ジメチルエーテルとブタンが蒸発し薬剤の濃度がかなり上がるために効果も高く、軟膏より効果が強いという先生方のご意見が多かったです。
ビタミンDとステロイドの薬の成分が飽和状態を超えて“過飽和”の状態で24時間結晶化しないために皮膚への薬の残存時間が長いため皮膚からの吸収量が多く効果が高いそうです。
実際スプレーすると気化熱にてかなり冷たく感じ、伸ばすとすこし軟膏基剤でベタつきますが、広い範囲にスプレーできるため塗布時間が短縮され、逆さ向き可能のため背中へはかなり良いかと思います。効果が高い面も考えると、乾癬の外用のファーストチョイスになりそうです。

各先生方もお話されていましたが、乾癬治療薬である高度な生物学的注射剤やオテズラやネオーラル内服等の前に、まずはドボゲットフォーム外用もおおいに考えられるのでは‥‥選択肢が増えて患者様にとっては朗報であると思いました。

この1年間の新薬としては、腋窩多汗症の“エクロックゲル”もなかなか評判も良いですし、アトピー性皮膚炎のジャック阻害剤の“コレクチム軟膏”も維持療法としてはまあまあの効果であると感じます。
ニキビの塗り薬のゼビアックスローションの軟膏版である“ゼビアックス油性クリーム”も新しく出ましたのでニキビのみでなく“トビヒ”などにも効果がありそうです。また、繰り返す頭皮湿疹や脂漏性皮膚炎に対しては“コムクロシャンプー”が適応拡大となりシャンプー前に15分以上時間の取れる方には評判がなかなか良いです。

皮膚科の外用薬は、まず患者様に塗ってもらわないと始まらないので、部位にあわせた塗りやすさと塗り方のコツは重要です。
私たち処方する側がただ薬をだすのみでなく簡単な機序や効果面塗り方などを説明することも外用コンプライアンスをあげることにつながると思いますので今後も具体的な情報提供や指導を続けていきたいと思いました。

 

天候が安定しない梅雨時期の生活で汗をベタベタかくことは不快感につながりますが、暑い中運動でスッキリ多量の汗をかくと身体も気持ちもスッキリします。昨日はいつも受けている体幹ヨガの先生の代行で、ハードな筋トレピラティスの先生とたまたまマンツーマンレッスンとなり、途中あまりのハードさにメゲそうになりました‥‥でも60分終わった後は流れる多量の汗と同時に心地良い疲労感で、スッキリ💦
少しメゲそうになるハードな運動も、あえて時にはハードルを上げて自分にちょっとの負荷をかけると少しずつスキルアップできるでしょうか‥
差し迫る50代を少しでも元気に仕事や家事が出来るように、そして引き続き両親のヘルプが充分出来るように、睡眠と運動、そして食事、どれも欠かさずにいきたいです。

紫外線の時期に気になるシミ予防のビタミンとは‥(伊美友紀子先生 甲南女子大学)
ビタミンC 抗酸化作用のある水溶性ビタミンでメラニン生成抑制作用があります。
ビタミンE 抗酸化作用のある脂溶性ビタミンでこれもメラニン生成抑制作用があります。
Lシステイン ビタミンCとの併用で紫外線の影響やメラノサイト増殖の抑制作用があります。
グルタチオン グルタミン酸+システイン+グリシンからなる抗酸化物質で、マウスでメラニン蓄積を抑制したという報告もありますが、ヒトにおいて、グルタチオンの経口摂取が体内のグルタチオン濃度を上げるかは相反する報告があり確立されていないそうです。

そのほか抗酸化作用の栄養素としてはビタミンC,Eの他にポリフェノール・カロテノイドが有名です。
具体的には‥‥ポリフェノールとは
ブルーベリー/なす(アントシアニン)、ウコン/カレー粉(クルクミン)、緑茶紅茶(カテキン)、コーヒー/ゴボウ(クロロゲン酸)、ショウガ(ショウガオール)、大豆(イソフラボン)、ごま(セサミン)
カロテノイドとは
ニンジン/ほうれん草/カボチャ(βカロテン)、トマト/スイカ/柿(リコピン)、エビ/カニ/鮭(アスタキサンチン)、ブルーベリー/卵黄/ブロッコリー(ルテイン)などです。
紫外線のダメージをうけやすい夏は特に意識的に摂れるものから摂取していきたいと思います。

アトピー性皮膚炎治療の色々な考え方

夏の暑さやホテリが本格的になりつつある6月末になり、漢方処方薬などもすっかり夏バージョンになってきました。クラシエさんにいただいた漢方の雑誌に、長野県の栗ヶ丘クリニックの荒井恵子先生の面白い記事が載っていて、様々な考え方や視点があるものだと感じました。

荒井先生は、アトピー性皮膚炎の炎症は抑えるのではなく、むしろ炎症を助け、終息を目指すべきである!と書かれています。

炎症とは‥‥弱った細胞を元気な細胞に戻すための反応である = 傷んだ道路をきれいに舗装するときの掘り起こす作業が炎症のスタート。
炎症が長引く‥‥炎症を治癒まで持っていく力がないのが慢性炎症 = 道路工事労働者が疲労で体力/気力がなくなり工事が停滞している。
標治と本治‥‥炎症を沈静化するための対症療法(標治)と自分の力で炎症から治癒に持ち込むための基礎力をつける体質改善(本治)の両面から治療を考える = 標治とはお手伝いのための援軍を送ること+本治とは工事が遂行出来るように会社を建て直すこと。

ステロイド外用など炎症を抑える治療とは、まずは炎症が始まる前の状態に戻すことですが、治療後は例えると、見た目は平らだが傷んだままの道路である、ということです。皮膚に置き換えると“弱った細胞のまま”ということになります。

東洋医学では身体へのダメージを“邪”と定義し、身体の内側に生じる邪を“内邪”、身体の外側の邪を“外邪”といいますが、“内邪”は生活習慣(食事・睡眠・休息と活動のバランス不良など)を、”外邪”は“気候”を表します。
治療のゴールは体調を整える/食生活を気をつける/適度な休息を取る/気候変動から身を守るなどといったセルフケアの出来るライフスタイルをつくること、であること。
ステロイドは“治す”ためでなく“楽にする”ためには大切で、治療のゴールに向けて山登りを始めたものの、体力が続かなかったり心が折れそうになったりしたら、一度ステロイドで下山し態勢を整えるのも大切ですね、と荒井先生はお話しされているそうです。

ステロイド外用は皮膚科学会ガイドラインでも標準治療とされていますので、100%荒井先生の治療方針とは一致しない部分もあると思いますが、色々な治療に関するアプローチ方法があることに気が付きました。

漢方の中でも対症療法的な“標治”に使用する漢方(乾燥し熱を帯びホテる皮膚には冷やすような漢方、ジクジクした皮膚には乾かすような抗炎症的な漢方など)を、自力で回復する体をつくるのが目的である“本治”に使用する漢方は時間をかけて効果判定を行う。
どちらにしても大切であるのは、自己治癒力が支えになっていることが必須です。漢方的な “気・血・水”のコンディションや陰/陽のバランスなどはその人その人のライフスタイルの結果であり、そのスタイルを選択したご本人そのものの考え方/生き方によるものである、ということ。
つまり、生活や考え方を変えずに治癒に持っていくことは不可能であること、その上で医師側が患者さんに寄り添い、頑張りを認め、治癒に向かっていくことを共に信じ、いかに支えてエールを送り続けるか、それこそが患者さん自身の治癒力を最大限引きだすことに最も重要であるのではないでしょうか✨ という荒井先生の熱いメッセージに、通常の西洋医学治療のゴールへの共通点を感じ、胸が熱くなりました。
当たり前といったら当たり前ですが、色々な患者さんの考えや環境があるのと同様に、医療側も色々な考えや理念があるのだということに改めて気がつきました。

コロナ禍で、今まで現地にいくしか聴けなかった講演会や勉強会も、ウェブや冊子で移動時間や日曜日にゆっくりと吸収出来るようになり、有り難い限りです。今後もアンテナを伸ばし、色々な考えの先生方に触れていきたいと思います。

子供の大学の大学便り、今月の健康塾のコラム(小林弘幸先生)は “いまこそ食物繊維でコロナ禍を乗り切る” です。心と身体のカギを握っているのが食物繊維です。食物繊維を豊富にとることによりそれをエサにして腸内細菌が元気になり、腸内環境が改善されます。
その中でも “発酵性食物繊維” は腸内で発酵されて腸内細菌のエサとなり、腸内細菌が“短鎖脂肪酸”を生成し、免疫力が上がり、メタボリックシンドローム(高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満)の改善が期待できます。さらに、“幸せホルモン”であるセロトニンやオキシトシンが分泌され、活動的な日常とガンになりにくい身体を手に入れることが出来ます。発酵性食物繊維である、雑穀類・海藻・マメ類・根菜類 可能な範囲で心がけたいと思います✨

毎日の家族の食事のバランス、完璧には毎日いきません。でも余裕があるときは少し身体に良いもの、旬のもの、などを、何よりも家族のためだけでなく、自分自身のために、少し気をつけていきたいと思います。無理なく。 
私自身は思春期以降、少し仕事をし始めた母が仕事で帰宅後に疲れながら、機嫌悪くなりながら夕食の支度をされるのがとても嫌で、内心“別にオカズ手作りでなくてもよいから機嫌良くして欲しいな”とずっと思っていました。台所を子供に使われるのもNGだったため、仕事の日は母の機嫌悪さに我慢するしかなかったのです。
そう、子供は別に毎日手作りや健康的な食事でなくても、母がハッピーで機嫌良くしててくれたほうがよっぽど嬉しいものだとずーっと思っていました。(もちろん母への反抗期も重なっていたのだと思います、今では母の気持ちが痛いほど分かります‥)
それを言い訳にして、仕事で遅くなる週3日は、弁当を買ったりオカズを買ってきたり、思いっきり手抜き生活を満喫しています。子供もかえって十分お弁当で大喜び、皆がハッピーです。今は出来合いのものでも十分ヘルシーで美味しいものも多いですし。
お弁当でも、手作りでも、“発酵性食物繊維”を考えながら毎日また家族が皆ハッピーな無理ない食生活を心がけていきたいと思います✨


 

 

脂漏性皮膚炎とマラセチアについて

初夏の気候になり紫外線も皮脂も夏並みに要ケアの季節になりました。相変わらずのマスク生活や代謝低下で鼻の周りや顎の脂漏性皮膚炎やニキビが男女問わず増えてきています。私自身は脂漏あかみはあまり出来ませんが、顎の慢性ニキビに対して十味排毒湯を飲み始めて少し出来にくくなってきました。とにかくマスク刺激のチクチクかゆみも少し慣れっこにもなってきています。
この時期多い脂漏性皮膚炎とは、頭皮・額生え際・鼻きわ・こめかみ・アゴなどの皮脂腺が多い部位にカサカサした皮脂のたまりと赤みができる症状です。大人では良くなったり悪くなったり慢性的にくり返すことが多いのですが、維持的な治療で悪化しないようにコントロールすることも可能です。今月号の皮膚科学会会誌に明治薬科大学の杉田隆先生の“脂漏性皮膚炎とマラセチア”に関する論文があり興味深く拝読しました。

マラセチアとは、癜風デンプウともいう皮膚に常在している真菌ですが、脂漏性皮膚炎や体の毛包炎、アトピー性皮膚炎症状の悪化因子になることが分かっています。好脂性で自分の放つリパーゼで皮脂を分解し遊離脂肪酸を産生し、それを栄養源として増殖します。皮脂腺が発達する思春期頃が一番マラセチアの定着量が増加することが分かっています。また脂漏性皮膚炎部位ではマラセチアの定着量は、皮膚症状ありの部位がなしの部位に比べ約3倍多いことが分かっています。ですから、脂漏性皮膚炎部位ではマラセチア栄養源である脂肪酸が多く蓄積され、この脂肪酸が皮膚表面の角質細胞の炎症サイトカインの産生を促すため皮膚の炎症が生じると考えられます。ヒトの実験ではオレイン酸の塗布により炎症が生じ、脂漏性皮膚炎が悪化することが分かっているため、オリーブ油やオレイン酸を含む化粧品は避けなければいけません。

ヒトは多くの真菌・細菌・ウイルスと共存していますがその数は100兆こと言われ、ヒトの細胞の数より遙かに多いことが分かっています。腸管の次に多い部位は皮膚ですが、他の細菌やウイルスに比べて、真菌は、乾燥部位・湿潤部位・脂漏部位どれにおいてもほぼマラセチアが占めることが分かっており、皮膚とマラセチアは切っても切れない関係と分かります。

ですから、脂漏性皮膚炎も急性期は角質の炎症を抑えるステロイド外用を、予防として抗真菌や抗菌外用を行い、マラセチアの培地となり得るオレイン酸を含むスキンケアを避け、必要以上にマラセチアを増殖させないことが大切です。やはり適度でかつ適切な洗顔やバリアを整えるような漢方薬などで上手に自分の皮膚と付き合っていきたいです。

頭皮に関しては最近適応が拡大された“コムクロシャンプー”なども評判が良いです。15分以上おいてからシャンプー剤として使う外用薬ですが、その後の薬を塗る頻度が減る方多く、オススメです。
これからますます汗/皮脂が増える時期ですので上手に“脂漏性皮膚炎”と付き合っていくように色々漢方なども組み合わせながら考えていきたいと思います。

品川区の医療関係者むけコロナ予防接種の2回目もスタッフ含め終わり、一般の方々よりも早くに打たせていただきました。私自身は2回目のみ、翌日の接種部位の筋肉痛と1日倦怠感で横になっていた程度でしたが、若いスタッフの中には2日間高熱が出た方も多く、一般の方々も若い方は特に2回目接種後2日間は通常勤務が難しいこともありそうです。ウチのようにスタッフが多いクリニックですと大丈夫ですが、スタッフの数が少ない職場や休みにくい職場では大変です。でもかなり症状に差はあるものの、なかなか辛そうです。ワクチン休暇の必要性を実感しているところです。

実父母も義母も、子供達は仕事で多忙でワクチン予約をしてあげられなかったですが、ネットや友人経由で無事に予約をいれたようです。本当は予約したり付き添ったりしてあげたいですが、出来ることは自分たちでやってもらい‥‥が現実です。
実母はリハビリ送迎後のマンションの玄関で部屋が分からなくなってしまうこともあります。認知にも症状の波があり、調子よいときとあまり良くないときと。実母は自分の娘たちのことはかろうじて分かるようで、実家に行くと子供達がいるんだから無理しないで帰りなさい、と私自身をまだ気遣ってくれます。そんな母が大好きでかわいらしくて、将来私自身がその立場になったとしたら同じように娘たちに言ってあげたい、と密かに思っています。娘は人生の中でいつまでも母の後を追うものなんだと思います‥‥

いろいろ歳を重ねると見えてくる色々なことも受け止めながら、コロナ禍があと少し続く中で自分に出来ることを気負いなくやっていきたいと思います。

デュピクセント注射の効きにくい部位について

紫外線も夏なみに強くなり、気温の上昇と相変わらずの不織布マスク生活で顔の赤みやカユミ肌荒れがしばらく続きそうです。汗をかくこれからの時期、通常のヒトでも痒みやチクチク感が予想されます。

アトピー性皮膚炎に対してデュピクセント注射剤の有効性は誰もが認めるところですが、顔の症状が他部位に比べ治りにくい症例があることが臨床的には報告されています。四肢体はかなり良くなっても、顔の紅斑やカユミ・一過性の増悪がなかなか改善せず、部位により思い描いていた十分な満足が得られにくいことがあります。

愛知医科大学の石黒先生らがデュピクセント注射剤による部位別の重症度改善率について、今月の日本皮膚科学会会誌に報告されています。
先生方の34例の報告によると、4週まででは顔の皮膚症状改善度は有意差なく少し低い程度でしたが、16週(4ヶ月)になると、有意差をもって四肢・体に比べ顔の重症度改善率は低く、つまり効果が低い結果となりました。

この原因として石黒先生の考察では

*顔は他部位に比べて外的アレルゲン(花粉・ダニホコリ・黄砂など)や日光・化粧品などの外的な刺激に暴露されやすい。
*デュピクセント注射剤によりニキビダニの増殖を促進し顔の赤みや“酒さ”の病態の一因であるIL17(インターロイキン17)を増加させた。
*アトピー性皮膚炎では血管機能障害が起こりやすく血管が収縮したままである状態から、デュピクセントによりアトピー病態が改善されると血管機能も良くなり、収縮していた血管が拡張して顔が赤くなりやすい可能性。
*アトピー増悪期には隠れていた接触皮膚炎や酒さの病態がアトピー症状の改善により表面に現れてきた可能性。
*15%の割合で副作用のアレルギー性結膜炎が生じたが、このアレルギー性結膜炎の詳細な機序は分かっていないが、同様の機序で顔のアレルギー性皮膚炎症状が出るという可能性。

等が挙げられています。

体の症状やカユミがかなり良くなり本当に満足度が高い薬剤ですが、その分、顔の症状が効きにくかったり時に悪化してしまうと少しがっかりしますので、しっかりとした説明と、万が一治療途中に顔の症状が効きにくい場合の正しい病態・診断・加療を心がけていく必要があると改めて感じました。まだまだこれから勉強会や学会での新しい情報が提供されることと思いますので情報収集を継続していきたいと思います。

 

髪の毛の内側だけブリーチしてローズカラーにしてから色が落ちにくいようにピンクのカラーシャンプーを使用しています。頭頂部にチラホラあるはずの白毛がカラーシャンプーのおかげで目立ちにくくなった気がします。何歳になっても白毛は気になります。
以前から急激な白髪化とストレスとの関連が言われてきましたが、以前は医学的には否定されていましたが、最近は最近は関連性が分かってきました。美容皮膚科雑誌“ベラペレ”に近畿大学山田先生や大阪市立大学高市先生が発表されていました。

毛包には毛包幹細胞(毛をつくる細胞)とメラノサイト幹細胞(色をつける細胞)の2つの幹細胞が存在します。交感神経のストレスによって、本来静止状態にあるメラノサイト幹細胞が急激に増殖し過ぎてしまい、結果として電流のショート回路のように枯渇してしまい、色素を取り入れなくなってしまい無着色の毛(白髪)が発症することが分かってきました。ですから、やはり、過剰なストレスが時に髪の毛の白毛化を起こすことはあるようです。やはり何事にも過剰なストレスは大敵なようです。コロナ禍でまだまだ不安やストレスはありますが、うまく付き合っていく、ストレス耐性を強めることが髪の毛においても大切なようです。まずはしっかりした睡眠・運動・食事の出来ることからバランスよく気をつけていきたいと思います✨


 

アトピー性皮膚炎と汗のケアについて

昨年に引き続き stay home のGWです。普段慌ただしくこなしている家族分の洗濯もベランダで時間を気にせずせかされず干すのも少し幸せです。
GW中は実父母の手伝いや、時々ジムやヨガにマスクのまま行くのみですが、汗をかくだけで体も気持ちもスッキリします。
先日鳥居薬品の方がくださった冊子に、汗と皮膚の研究で有名な長崎大学の室田先生の記事がありました。

汗のメリットとして
*保湿効果 汗中の乳酸ナトリウムや尿素が天然保湿因子として皮膚に潤いをもたらします。
*抗菌作用 汗中のIL37/βディフェンシン/ダームシジンなどの抗菌ペプチドが細菌を抑制します。
*角層代謝 汗中のカリクレインが皮膚角層の新陳代謝をあげます。
*アレルゲン失活作用 汗には、ダニ抗原の皮膚バリア機能の障害や炎症を生じる“システイン・プロテアーゼ活性”を阻害する作用があるためダニ抗原の抑制作用があります。

アトピー性皮膚炎の方においては、汗をかくと皮膚が悪化することが多く、汗の中の成分が炎症に関係するが考えられますが、室田先生の研究によると、アトピー性皮膚炎の方の汗の特徴として、グルコース濃度が高いことが判明し、その汗中のグルコース濃度は皮膚の重症度と関連することもわかりました。汗のグルコース濃度が高いほど皮膚症状も悪化するということです。
そのほかにも皮膚の常在真菌(マラセチア)に対するアレルギー反応が認められ、抗マラセチアIgE抗体が汗中に存在することなどでカユミや皮膚症状の悪化を引き起こしていると考えられます。
また、アトピー性皮膚炎の方の汗の量は少なく、汗をかきにくい、汗をかくまでの時間が長いこともわかっています。十分な汗をかけていないために皮膚の温度が上がり、乾燥し、病原体に対する抵抗性が下がり症状の悪化につながると考えられています。
加えて、アトピー性皮膚炎の方の汗が汗腺以外の組織に漏出していることも分かっています。つまり、汗腺を介して皮膚外に汗が出ることなく皮膚内に汗が漏出してしまうことにより、皮膚が“チクチクして痛がゆい”ことにつながると考えられています。

炎症により汗の皮膚内への漏出が増えることから、治療により炎症をコントロールすることにより汗の皮膚内への漏出による“チクチクした痛がゆさ”も改善していくと考えられます。
汗をかいた後は皮膚表面に汗を放置させないように濡れたタオルで拭き取る、水で洗い流すことも重要です。

汗をかくことは、皮膚にとっても良いのみでなくメンタル的にスッキリすることは実感しますので、皮膚の炎症を抑えてその方その方に合わせた汗のかき方、汗との付き合い方を考えていきたいと思います。

 

コロナ禍のまま一年越しの東京ですが、昨年度のあっという間の一年です。ようやく先日2回目のコロナワクチンを接種していただきました。接種したからといって油断できませんが、コロナ禍が当たり前の日常になってきてしまいました。
私自身で言うと、実家に行く際はマスクをつけたまま気をつけながら手伝いを。子供達とは食事時間をずらし、会話はマスク、寝室も各自別々‥‥なんだかそんな生活が当たり前になってきてしまいました。もとに戻れる日がくるのだろうか、というよりこれからは全てが変わってくるのだろうと思います。

子供の大学の大学便りの健康塾コラム(小林弘幸先生)の今回のテーマは“コロナ禍で高まる生活習慣病やガンのリスク”です。
“老化”や“ガン”の原因の一つが“持続的な炎症”であることがわかっています。例えば“肥満”や“糖尿病”では全身が炎症状態になっていることが分かっていますが、これらの疾患ではガンのリスクも高いことも報告されています。
炎症が起きると、組織が傷害され、その修復のため細胞分裂が盛んになり、DNAが傷つく機会が増えます。また炎症において白血球が大量に出す活性酸素が必要以上に発生してDNAを傷つけます。
老化もガンもDNAが傷つき変異することにより生じ、活性酸素や炎症はそれを加速させます。
コロナ禍の影響で生活習慣の変化、特に運動不足はこの1年で増えています。適度な運動・健康的な食生活・節酒・感染症対策などを心がけ、それに加えて塩分過多・過激すぎる運動・日焼けなどを防ぎながら、老化やガンのリスクを下げていきたいと改めて感じました。

マスク内の肌荒れと漢方

コロナ禍でマスク生活が続きます。この先マスクを心置きなく外せる日がくるのか分かりませんが、マスクありきの肌荒れ対策が必須です。子供達とも家庭内で話すときには少し怖さもあり家でも最近はマスクをつけていますが、慢性的に出来る口周りのニキビにも慣れっこになってしまいます。いつもお話が大変わかりやすい野本真由美先生のインタビュー記事を漢方のクラシエさんからいただき、自分自身の参考のためにチェックいたしました。

マスクで覆われた部位は、皮膚表面の角層水分量が増えるのみでなく、皮膚表面から蒸散する水分量も増えてしまい、皮膚バリアが下がり、炎症が起こりやすく、かつ赤みが増え、皮膚のPHが上がってしまう(アルカリ性に傾く)そうです。また、マスクにより皮脂分泌量も増えますが、これはマスクで覆われていない部位でも増えることが分かっています。皮膚温度の上昇や、皮膚バリアの低下など様々な要因で毛包脂腺系のトラブルが生じやすくなります。
ニキビ患者さんの皮膚PHは、ニキビのない皮膚に比べPHが上昇し、アルカリ性になっていることが分かっています。皮膚が弱酸性である方が皮膚バリアが保たれて角層の浸透率が上がるので塗り薬も浸透しやすくなります。洗顔料などはアルカリ性よりPHの低いものを使用するのも良さそうです。
また、マスクのこすれ摩擦は赤み・ヒリヒリ刺激感につながるため、マスクを外すときは耳から外す、マスクは上下にずらさないようにする、不織布マスクの中に一枚当て布をする、などもオススメだそうです。

ニキビの悪化因子は、皮膚バリア機能の低下、皮脂分泌の過剰、ホルモンバランスの乱れ、消化管の不調、ストレス過剰などが挙げられます。

皮膚バリア機能の低下に対しては“十味敗毒湯”が、皮脂分泌抑制には抗アンドロゲン効果の“芍薬甘草湯”を短期間や皮脂合成を抑制する“十味敗毒湯”が、ホルモンバランスの乱れや生理前に悪化する場合は“桂枝茯苓丸”などが、消化管不調に対しては“六君子湯”や“半夏しゃ心湯”など、ストレス過剰なニキビに対しては代表的な柴胡剤などが良いそうです。

マスク内で赤みやアトピー性皮膚炎の治りにくい顔の赤みに対しては熱を冷ます“越婢加朮湯”、アトピー性皮膚炎などの皮膚がカサカサして顔が赤くなって皮脂が出ないタイプには“十全大補湯や四物湯”などが有効なようです。

漢方は日本では保険適応で処方でき色々試しやすい素晴らしい環境です。また色々勉強していきたいと思います。

皮膚のみでなく、“フレイル”や“サルコペニア”に対しての“人参養栄湯”の有効性が発表されています。
加齢や病気や昨今のコロナにより外出せず筋力が落ちて疲れやすく、家に閉じこもりがちになるなど、健常から要介護へ移行する中間段階の衰え全般を“フレイル”と呼び、身体的なフレイルである筋萎縮や筋力低下を“サルコペニア(筋肉減少症)”と言いますが、“人参養栄湯”の内服がフレイルの改善・筋肉量の増加をもたらす結果が出ています。また、加齢のみでなく癌治療での抗がん剤使用によるロコモティブシンドローム(十分に動けなくなる)いわゆる“がんロコモ”に対してもこの“人参養栄湯”が有効とする報告が多く出ています。
実父はまさに高齢加齢にプラスして抗がん剤による吐き気倦怠感で食事が取れず、また腕や下肢が腫れたりして痛みで動かしにくく、まさに“がんロコモ”による“フレイル”になっているので”人参養栄湯”を内服してもらっています。少しでも出来ることを。

漢方は医師が治療して病気を治すのではなく、漢方は“患者さんが自ら治る力”を高めている、という野本真由美先生のお言葉が胸に刺さりました。本当に素敵な先生です。
皮膚以外のことでも漢方はさまざま効いてきます。患者さんの治癒力を高める手助けをする漢方をこれからも積極的に勉強していきたいと思います。

 

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