目の下の”クマ”について

9月も後半になり急に秋の空気に変わってきました。あっという間の一年です。
しばらく通っていたヨガスタジオがコロナの影響で閉店になり今は運動後にほぐすヨガやストレッチが不足気味のため、以前よりリンパの流れが滞りやすくなりました。マスク内で顔の動きもおそらく少なくなり、血流や顔リンパ流れも減少、かつ年齢で "クマ” が夕方になると目立ってきます。

クマにも色々なタイプと病態・治療があります。秋葉原スキンクリニックの堀内祐紀先生の"クマ治療”の記事によると、クマの色には *褐色 *赤色 *青色 などがあり、加齢と共に褐色の"クマ”が増えてくるそうです。血流がうっ滞により、ヘモグロビンの酸素飽和度が低下して暗赤青色の還元ヘモグロビンが増えて青黒いクマがみえるようになります。 また、50代ではまぶた下の皮膚メラニン量が増加していることが分かっていて、この両者:皮膚表面の血流うっ滞と皮膚メラニン量の増加 がクマの原因と考えられます。まぶた下の皮膚はもともと薄くかつ毛細血管が多く皮膚表面から透見しやすいのみでなく、同時に小じわ・タルミ・乾燥などの要素により皮膚の影を生じてより一層クマが目立ちやすくなります。
病態として何種類か考えられます。

炎症後色素沈着:アトピー・乾燥・花粉・摩擦刺激などにより炎症を起こした皮膚はメラニン沈着が生じクマの色につながります。まぶたはとにかく皮膚が薄いので刺激や感作カブレが生じやすく、頬や他部位に同じように使用していても瞼のみ微細な炎症が続き色素沈着を生じることもあります。色素沈着に対してはトレチノイン・ハイドロキノンの加療が効果的です。

眼瞼浮腫:瞼の浮腫はホルモン周期や塩分の多い食事・水分過剰・寝不足・肩こり冷えなどの原因が組み合わさって生じ、真皮の厚さが増してメラニン色素からの光反射の拡散が生じて色が暗く見えると思われます。浮腫を予防するような生活習慣や、まぶた周り以外の首やうで、鎖骨、腋窩のリンパ流れを改善するようなリンパほぐし、マッサージや、漢方薬の五苓散や当帰芍薬散内服なども有効なことがあります。

毛細血管血流のうっ滞:日常の眼輪筋収縮により血流うっ滞が目立ちやすく、暗赤色・青色のクマをさらに目立ちやすくします。PC/スマホの長時間使用により眼輪筋の疲労による血流うっ滞も日常化しています。漢方薬の桂枝茯苓丸や加味逍遥散などで加療することがあります。

また、中には真皮性の太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス・眼瞼色素沈着症(遺伝性)の症状がクマに見えることもあり、それらの除外は大切です。

私たち中年期以降は、摩擦や刺激の色素沈着や日光黒子(いわゆるシミ)がメインの茶グマと、目の周りのタルミや小じわなどの形の老化により影が出来てクマに見える黒グマが目立ちやすくなります。機器による美容医療はやり出すとキリがないと思いますが、まずは自分で出来ることを。目の周りへの摩擦をかけず刺激を与えないこと、目の下をむくませないように塩分や水分の取り過ぎを気をつけて肩から上全体のリンパの流れを心がけること、PC/スマホ時間のあとは目を休ませること、顔の骨老化から影のクマを作らないように骨密度を保つ食事・運動などなど。

20代など若い方ほどシワやタルミが顕著でないためクマが目立つことによる悩みは大きいと考えられ、メイクでの上手なカバーも効果的です。
加齢により肌色が黄色くくすんでくるので、地肌と同じ色よりも赤みのある、ピンク系のファンデを使うとクマもふくめてカバーしやすくなります。まぶたの下はファンデを厚塗りすると小ジワが際立って目立ちやすく老けた印象になるのであくまでも薄く。そして年齢と共に弾力が下がった皮膚は化粧品塗布の際に一緒に皮膚が動いてしまい均一に塗布しにくいためブラシを使ったり力をかけずに塗ることも。まぶたの下のクマ+シワ、うまく付き合いたいと思います。


この連休も仕事の講演会・勉強会といつものジムと家事のいつもの休日です。今日はジムの帰りに友人のフレンチモンスターというレストランに寄り徳島産スダチを沢山使ったスダチレモネードをいただき、テイクアウトでイチジクの入ったモンブランや鳴門金時アイスなどなど。プロに作ってもらうお菓子を健康に美味しく食べられる幸せ✨ 東京でゆっくりと穏やかな日常の休日を過ごせることに感謝です♥






爪白癬のクレナフィン液 勉強会

今年の夏もあっという間に終わりそうです。夏の時期は白癬菌(水虫)の顕微鏡検査する機会がやはり多くありました。

先日、科研製薬の担当の方より爪白癬の塗り薬クレナフィンの勉強会をしていただきました。クレナフィンは以前から良く効くことで有名でしたが改めてその処方基準と効果を再確認出来ました。

皮膚科を受診される方の10人に1人は爪白癬になっていると言われています。内服のラミシール・ネイリンなどで加療することが多いですが、罹患爪が1本や2本の場合などではクレナフィン外用でも十分効果があります。

2018年にカナダの皮膚科医でまとめたガイドラインによると罹患面積が全爪の20%以下では塗り薬、60%以上では内服薬(もしくは+塗り薬)、20~60%の軽症~中等度では塗り薬中心に爪3本以上の罹患では内服も考慮する、ということでした。

クレナフィンの有効成分"エフィナコナゾール"は、ハケ状の先端から爪の表面に塗ると爪甲を通過して爪の底部分の爪床にいる白癬菌に直接届くことが特徴です。他剤の多くは爪の主成分であるケラチンと親和性が高いために途中で爪甲に吸収されてしまい爪床にいる菌まで届きませんが、エフィナコナゾールはケラチンとの親和性が低いために爪甲に吸収されずに通過して爪床の菌まで十分届きます。

菌に届くと白癬菌の細胞膜形成を阻害して菌を死滅させます。
8%ほどの割合でカブレが生じるため、爪の周りの皮膚に液がくっついて赤くならないか注意する以外大きな注意点はなさそうです。
処方には顕微鏡での確定診断が必要ですが、塗るのは爪の間に入れ込むことなく、爪の表面からハケ状で多く出過ぎることもなく、本当に塗りやすいです。先端のハケはペンテルさんとの共同開発の特許だそうで、適量が普通に出てきて快適です。
今回の勉強会では最新のVRカメラを装着してエフィナコナゾール成分が爪甲を通過して下の菌まで届き、膜形成を阻害して菌を死滅させる様子をvirtual realityで見せていただいてとてもインパクトが残りました✨ 科研のご担当の方、ありがとうございました✨


8月後半から子供達の学生生活も再開して少しずつ通常生活です。大学2年の長男は夏休みは時々あるテストを受けに行くくらいで基本はウェブ授業、ジム、時に友人と遊びでいつもよりは地味な夏休みだったのかな。一度だけヨル、"誘われたから雀荘行っていい?”と‥‥ダメでしょ、雀荘。密でしょ。あなたは良くても私たちの仕事に影響するからやめて下さい、と即答。"でもさ~、店も密対策色々してるよ” 本当に考えて。行きたければパパと交渉してください。そこで諦めるところが男の子😃 後半からは大学の実習も始まりそれどころでなくなかなか忙しくなり、遊ぶ暇もなくなってきたようです。私たちの大学時代とは大きく異なり、家でも実習の予習復習したり真面目な学生生活を送っています、多分‥。
私たちの大学時代は勉強より部活や仲間との飲み会の思い出しか残っていませんが、このコロナ自粛で少し変わってくるのは仕方ないですね、親としては、引き続き授業料分勉強してもらいたいですが😃

中1の娘たちもとっくに学校が始まり、クラブも始まり、少しずつ本来の中学校生活です。とにかくこの中1~3の多感な思春期を楽しく通って欲しい、とそれだけです。自分自身の経験からも女子は中1や中2位のホルモンの変化時、まだ大人にもなりきっていないこの時期、色々揺れ動いていたかな。親が理由もなく鬱陶しくなったり先生にも反抗したくなったり。私自身も拒食症の手前までいったのも確か中2の時で、野菜しか食べずに毎日走って生理が止まったり。母親に反抗して殴り返したり。色々やりましたが、そのときの母の気持ちが親になると分かります。
娘たちとの程良い距離感と反抗期の対応が難しいですが、母のように私も試行錯誤しながら逃げずに向き合っていきたいと思います😃
とにかく優秀でなくても良いから体も心も健康に、色々経験しながら学生生活を送ってほしい、とそれだけです。

6年以上お世話になっていたジムのトレーナーさんのお一人が、スペインの島へ嫁ぐのでと退職のご連絡をいただきました。スペインへダンス留学されていた話をよく聞いていましたし、スペイン大好きとよくおっしゃっていましたが、よくよく聞くと半年前まだコロナ以前に再訪したスペインで紹介された男性と帰国後コロナで会えなくなってしまい、話が進みご結婚となられたそうで‥
驚きましたが、とてもスペインの島の雰囲気がお似合いの方なので久しぶりに明るい話題で本当に嬉しく感じました。スペインの男性に大切にされそう💕と少しうらやましく。色々な人生がありますね。

はやく世界全体の状況が落ち着いて海外に気兼ねなくいけるようになりたいですね。

感染症と皮膚症状(最近の話題)について

まだ先だと思っていた夏の皮膚科学会選択講習会がこの週末にウェブ開催で行われました。昨夏は当然のように講演会場で大勢集まって缶詰で一日聴いてきたな~とコロナ以前の1年前を思い出しながら自宅で有り難くウェブで聴きました。
今回は最近話題の感染症と皮膚の分野で、大人では最近男女ともに増えている梅毒について、そしてりんご病のパルボウイルス感染症について、小児は少しわかりにくい感染症に伴う急性発疹について興味深く聴きました。

梅毒は2012年ころまでは男性中心の同性間での感染が主(特にHIV感染症に合併)でしたが2015年頃より異性間感染も増え現在は男女ともに異性間の性行為での感染が増えている、またオーラルsexでも感染することが知られてます。感染から3~8週の第一期の症状では陰部外陰部の潰瘍が多いですが無治療でも一度改善してしまうため気付かれないことも多く、そのまま感染後3ヶ月後の第二期の皮膚症状へ移行します。体幹や手足のバラ疹や乾癬様紅斑、膿疱、扁桃炎、陰部のコンジローマ、口腔内粘膜疹や虫食い状の不完全脱毛が多発する梅毒性脱毛などの症状が出現します。採血で診断されると抗生剤を1ヶ月内服し脂質抗原法(RPR)が診断時の4分の1以下に低下することを一応は治療判定とされます。ただし実際は4分の1以下にならなくても内服終了後もRPRが低下していくようです。

次に、大人の場合のりんご病(パルボウイルス感染症)の場合は両頬の紅斑の典型的な皮膚症状でなく、関節症状や貧血・紫斑が出ることがあり診断に結びつきにくいこともあります。筋肉痛からはじまり、関節の腫れや痛み、手足下肢の腫れ、またウイルスが赤血球に感染するために貧血や紫斑などが出ることがあります。頬が赤くなくても症状がある場合皮膚科でパルボウイルスを疑うことが大切です。

小児の感染症に伴う皮膚症状で気が付きにくいものとして、ジアノッティ症候群・BCG接種後の結核疹・砂かぶれ様皮膚炎・ヒトパレコウイルス感染症などがあります。

ジアノッティ症候群:小児の頬や下肢うでに赤い丘疹が多発してカユミを伴い、1ヶ月くらい続いてから軽快してきます。原因ウイルスは様々でEBウイルスが一番多く、サイトメガロウイルス、コクサッキーウイルス・ヘルペスウイルスや時に溶連菌などの細菌感染後やワクチン接種後に出ることがあります。



BCG接種後の結核疹は接種後1~2ヶ月後に接種部位から始まり紅斑や散在性紅斑が増加してきます。接種を思い出さないと診断が困難になることもあり問診が大切です。

砂かぶれ様皮膚炎(小児掌蹠丘疹性紅斑性皮膚炎):1~3歳の小児の手足の赤い丘疹から始まり赤く腫れた手足になったりその後一ヶ月弱でカサカサ皮がむけてきて治ってきます。カユミが出てきたり時に発熱も見られ、ステロイドを塗ってもあまり効果がなく、消退を待つのみです。EBウイルスなどのウイルス性の初感染症状と考えられています。

ヒトパレコウイルス感染症:ピコルナウイルスの中の比較的新しいウイルスと考えられていて、主に6~10月に発熱後2~3日後に掌、足の裏に潮紅が出るほか、下肢の網目状紅斑・体幹の淡い紅斑・腹部膨満などがみられます。特にヒトパレコウイルス3型は新生児や早期乳児の敗血症症状や髄膜脳炎などをおこし重症化することもあるため、発熱と皮膚症状から疑うことが大切です。

最後にコロナウイルス感染症の皮膚症状(現在のところの報告内)は陽性患者さんの0.2%~20%にみられ、蕁麻疹様ウイルス性紅斑症状、麻疹様紅斑、水疱状紅斑、手足末端のしもやけ状(凍瘡様)紅斑、血管炎様紫斑、などがあげられるようです。コロナウイルスは確かに今年はほぼ全てのヒトにとって初めてのウイルスのはずなので、多彩なアレルギー反応皮膚症状が出てくるのかもしれません。

とにかくコロナ感染症との共存?が早く落ち着いてくることを願います。 質疑応答で生の先生方の本音をうかがえないことは残念ですが自宅で講演を聴くことができることは有り難い限りです♥


大学同期会の幹事の方より同窓会の中止のお知らせをいただき、実際コロナ治療のフロントラインで働く同級生や同窓生の健闘をたたえましょう、というメッセージが。日々真面目に働く同窓や同期を誇りに思いながら私自身も日々を積み重ねていきたいと思いました✨

 

 

薄毛・白髪の悩み

1年ごとに白髪を自覚したり娘に指摘される回数が増え、チョキチョキと切ってごまかす最近‥‥頭頂部から生え際の薄毛も本当に気になります。特に女性は男性と異なり、フィナステリドやザガーロなど厚生省に認められ効果のある内服薬がなく、なんとなく諦めざるを得ない気がしていました。その歳その歳になって初めて実感できる悩みはあるものです。
1ヶ月半前から女性でも内服できる効果的なミノキシジルタブレットを内服しています。
ミノキシジルはもともと高血圧の処方薬としてファイザー社から開発された成分ですが内服中の患者さんに多毛症が認められたことから発毛剤として改めて開発されました。
AGAのプロペシア(フィナステリド)やザガーロと作用機序が異なり、血行が良くなることにより毛乳頭に血流栄養が与えられ発毛を促します。女性でも内服可能、男性ではプロペシア・ザガーロとの併用も出来ます。内服し始めてから発毛・増毛効果は早い方で3~4ヶ月で効果を実感し大体6ヶ月で効果が安定してきます。
男女ともに全体的に増毛がみられますが、男性のAGAでは特に頭頂部の増毛に効果があります。
副反応は体毛の増加、手足のむくみ、血圧低下がありますが、手足のむくみ・低血圧は頻度はそう高くありません。

私自身は今のところ体毛の増加もあまり感じず、他の副反応もありません。効果はまだ2ヶ月弱なのではっきりとはしませんが若干良いような感じです。また継続してみます。

年齢と共に毛包幹細胞の老化に伴い、毛包がミニチュア化し、生えてくる毛が細く短く、軟毛化し、頭髪が全体的に薄くなるいわゆる"びまん性脱毛”の状態になります。老化以外にも、ストレスにより毛の成長サイクルに影響を与え、毛包の成長がストップしてしまい毛が抜ける"休止期”に入ってしまうことがわかっています。(いわゆる休止期脱毛)
健康な髪には、よく食べよく休息し、ストレスフリーな生活を送ることが何より大切です。

また、東京医科歯科大学の西村栄美先生方の研究によると白髪は17型コラーゲンの低下の影響が大きいことが分かってきました。黒い色を作る色素幹細胞が、年齢によるヘアサイクルの繰り返しに伴って色素幹細胞が分裂を繰り返しDNAに傷がつき、色素が作れなくなり白髪になることが分かってきました。この17型コラーゲンは"毛包”幹細胞をつなぎ止めて維持する作用もありますが、歳とともにコラーゲンが失われると色のみでなく、毛包幹細胞まで失われ、しっかりした毛が生えなくなってしまいます。

加齢により毛包のミニチュア化はどうしても進み、毛包+色素の幹細胞は減ってきますが一気になくなるわけではないので、残っている幹細胞を少しでも活性化して17型コラーゲンをなるべく失わないようにすることが理想です。
地道な健康的なストレスフリーな生活習慣を続けていく‥のみです✨

女性にとって加齢に伴う毛髪量、肌の変化はその歳になってみると切実ですが、年齢や遺伝と諦めないで出来ることは?
山王メディカルセンターの女性外来で有名な太田博明先生の"見た目は美と若さのバロメーター”という記事をチェックしました✨

男女とも"見た目”の老化は遺伝的要因は20%、遺伝以外の環境因子が80%と言われており、日々の生活習慣の積み重ねが反映される‥つまり個人の努力により老化の逢うスピードを緩やかにすることが出来るそうです。
アメリカの研究データでも"見た目”のシワ・ハリの評価で骨密度が予測できた、ということや、年齢と共に眼窩の老化が進み、眼窩(眼球が入る頭蓋骨のくぼみ)が大きくなることにより、目の下のタルミやシワが目立つこと、そして加齢と共に顎が突出することにより、顎やほうれい線の拡大につながり見た目の老化も進むこと、つまり、顔面の骨の老化が"見た目”に影響を及ぼすことが分かってきました。
同じ体の骨の中でも、腰椎よりも顔面とくに顎の骨の骨密度の減少の方が加齢により大きく減ってしまうこと、さらに腰椎の骨密度は60歳以上の高齢層にみられるのに対し、顔面の骨密度は40歳~60歳の中年層で早くも減少していることも分かってきました。

以上より、太田先生は見た目を維持するために気をつけることを3点挙げていらっしゃいます。
① 顔の筋肉を鍛える  目元口元の見た目に対し、表情筋のうち特に頬骨や眼輪筋の正しい筋トレができればベストですが、まずは日常で口角を上げる意識から始めてみたいと思いました。
② 終末糖化産物(AGE)の蓄積を抑制する  骨や血管・皮膚コラーゲンにAGEが蓄積すると骨粗鬆症や動脈硬化・皮膚の弾力低下が進み老化のスピードが進みます。老化物質AGEを体に貯めない食生活とは、時間をかけてゆっくり楽しみ、GI値を意識して刺身・野菜などを食べてから主食を食べるようにする。人工甘味料果糖入りの飲食品は避ける、食後1時間以内の運動で血糖値を急激に上げないようにする。
③ 骨の健康(骨密度)を保つ  骨に必要な栄養素を食事から摂ること。(カルシウム・ビタミンD・マグネシウム・ビタミンK・タンパク質・亜鉛・カロチン・リコピン・ビタミンB6)そして、運動。運動の負荷がかかると骨芽細胞が活性化し、同時にカルシウムが骨に沈着しやすくなり骨の強度がアップします。やはり運動、大切ですね‥‥

 

今年の夏は普段の夏と異なり遠出する方も少ない"東京での夏”です。クリニックもお盆休みなく、スタッフは1週間ずつ交代で休みを取ってもらい私たち二人は通常通りの生活ですが、娘達も短い夏休みでのんびり在宅しているので学校や弁当に追われずに楽なお盆です。大学生の若者(長男)を三密なところに行かないように、まあ若者、夏は遊びたいですよね‥.気を引き締めながら緊張感切らさずに日々生活していきたいと思います✨

乾癬治療薬トレムフィア

夏休みの雰囲気もなく、相変わらずのコロナ感染症の影響で相変わらず学会や講演会はウェブですが、メーカーさんによっては訪問してくださり新しい情報を直接届けてくださいます。直接お会いできると色々実際の裏情報なども聞けてやはり良いです😃

今週はタイホウさんのトレムフィア注射剤についての勉強会を昼休みにしていただきました。乾癬は角質が通常1ヶ月間くらいかけて生まれ変わるスピードが異常に早まり4~5日で生まれ変わってしまうために角質が積み重なり、白く細かいカサブタが紅斑の上に積もってしまう症状で、時に爪変化(爪剥離や凹凸)や関節炎(関節に腫れや痛みが出る)を伴うことがあります。
乾癬の原因は詳細は分かっていませんが、遺伝的体質+環境要因(ある種の自己免疫反応が起きやすい体質)に外的要因(ストレス・喫煙・アルコール・脂っこい食事・乾燥・薬剤・風邪など)と内的要因(肥満・妊娠・出産・糖尿・高脂血症など)により影響すると考えられています。

治療法は 1.塗り薬:ビタミンD+ステロイド合剤(ドボゲット・マーデュオックス) 2.のみ薬:免疫抑制剤(シクロスポリン)、PDE4阻害剤(オテズラ) 3.紫外線療法:免疫の過剰な働きを抑制する紫外線の働きを利用して体に害のないUVBを週2~3回、20回を1クールとして行います。 4.生物学的製剤(注射剤):炎症を起こすサイトカインの働きを抑えることにより難治性の乾癬皮膚症状や関節症状を改善する。トレムフィアなど。

トレムフィアは"インターロイキン23”を抑制することにより乾癬症状を引き起こすインターロイキン17の放出を減らす薬剤です。大きな病院での加療にはなりますが、2回目のみ4週間後、3回目以降は8週間ごとに病院にて皮下注射を行います。3回目以降は2ヶ月に一回の受診注射投与で効果があります。 副反応として、注射部位の赤み痛みや、免疫の一部の働きを弱める作用があるため治療中は風邪などの感染症にかかりやすくなる可能性があります。

費用ですが、かなり高額で一回のトレムフィア注射でかかる医療費は医療費助成を利用しなかった場合に10割で322550円、3割負担では96780円になります。
・高額療養費制度といって、病院や薬局の窓口費用が高額になった場合に、年齢や収入にあわせて一ヶ月に支払う上限額を決めてそれを超える金額を医療保険から払い戻してくれる制度で世帯合算や多数回割引が利用できます。世帯内で月に21000円以上の自己負担が2件以上(同じ人でも世帯内でも違う人でも)ある場合に高額医療費の申請をして払い戻しが出来ます。また、多数回の場合同じ世帯内で同じ医療保険の場合高額医療費の払い戻しが3回以上ある場合は4回目以降に自己負担限度額がさらに引き下げられます。
また、事前に健康保険組合の窓口に限度額適用認定証の交付の申請して交付されると、医療機関で自己負担限度額のみ支払うことも出来ます。

・付加給付制度といって大企業の健康保険組合や共済組合によっては、高額療養費よりも低い自己負担の上限額を独自に設定して上限額を超える医療費を払い戻してくれる制度もあります。するとご本人負担はさらに引き下げられます。

 

中年以降発症の乾癬は肥満やメタボ症候群との関連も言われ、タバコ、飲酒、ストレスにより悪化することも分かっています。
またケブネル現象といって皮疹の内部医に外的な刺激が加わることにより新たな皮疹が生じることも特徴ですので、虫刺され・靴擦れ・衣服や眼鏡摩擦、髭剃りなどの刺激でも新しく皮疹が生じることもあります。
ストレスや感染症でも悪化しやすのでそのような時には特にしっかりとした治療が必要です。

乾癬は治療法の開発が著しい分野でその多くは生物学的製剤です。色々な選択肢が増えてより薬価も下がっていくと良いですね‥‥

義父の一周忌が今月あるはずがコロナ影響でお墓参りのみになりました。一年とは早いもので、でも遙か昔のような、今のこの状況なんて義父は知らずに幸せだったかも、などと思ったりします。東京ー千葉間でもあまり義母とも義兄たちともゆっくり食事もしずらい状況で‥
でも子供達が小さい頃から本当にお世話になった義父の元気な姿を時々思い出し、子供達をきちんと育てることが恩返しだと思いました。一人になった義母のことももちろん。

最近中一の娘たちが時に反抗期入り口?ホルモンも徐々に変わってきて、新しい生活や仲間も出来て、親から距離を持ち時に秘密を持ち、心揺らぐ思春期がもうすぐかな。忙しい中ですが、男子と違って真っ正面から向かってきそうな女子の反抗期、これから恐るべしですが、今のところ真っ向から立ち向かっていく予定です!パワーも使うけど、子育ての醍醐味だと思いキタキタ~、と反抗期を苦しみながら楽しみたいと思います。 自粛で家の中でお互いに顔をつきあわせるとついついピーチクパーチク娘達には言ってしまいがちです。ほどほどの距離感って難しいです。親も成長を試されるな‥💦

 

 

開発中のアトピー新薬ネモリズマブについて

最近ネットでも話題に出ている中外製薬開の開発中のネモリズマブの第Ⅲ相の臨床試験の結果が発表されて有効性が確認されて今後申請されて実用化を目指します。デュピクセントに続き難治性のアトピー性皮膚炎の新薬として注目されます。

ネモリズマブは IL31に対するモノクローナル抗体で、カユミを起こす物質であるIL31が神経細胞にくっつくのをブロックすることにより、カユミを強く抑えることが分かっています。アトピー性皮膚炎ではかゆみの搔爬で症状の波がつくられるので、カユミがブロックされると夜間に睡眠もとれるようになりQOLが上がります。また、IL31 は好酸球や肥満細胞などの免疫細胞や角質細胞にも働くことがわかっていて、ネモリズマブによりそこへの働きもブロックされると、カユミだけではなく免疫系や皮膚バリア機能にも影響して治療効果を発揮すると考えられています。

具体的には4週間ごとに皮下注射にて投与し、12週間後(3回投与後)にカユミや症状スコア、睡眠の質などが有意に改善するといわれています。症状よりさきにカユミがまず軽減されてくるのが特徴のようです。カユミがなくなれば搔爬もなくなり症状はよくなってくると考えられます。

デュピクセント注射剤と同様、重大な副作用は報告されていないので、薬価が同じく高くなるとは思いますが、通常の今までの治療で軽快しない重症な方の治療法の選択肢のひとつに将来なってくることと思います。

また、デュピクセントがブロックするIL4,IL13 や ネモリズマブがブロックするIL31 が免疫細胞や神経細胞にある受容体という受け皿にくっつくと、JAK(ジャック、ヤヌキナーゼ)などのシグナル経路が活性化されて炎症やカユミを引き起こします。このJAKを阻害するのが外用薬のコレクチム軟膏です。コレクチム軟膏は処方開始になったばかり。これから患者さんのフィードバックを集めていきたいと思います。

アトピー性皮膚炎の新薬は続々と。ただこれらの薬は脱ステロイドとは違い、通常の治療でも難治性の方への治療ですので、きちんとした適用基準の判定が大切です。また講演会や勉強会で情報収集していきたいと思います。最近はもっぱら平日ヨルのウェブ講演会で、自宅や帰り道に聞けることは有り難い限りです。昨日は実家に行き帰りする途中のバスの中でデュピクセントに関する帝京大学の鎌田先生のご講演をききました。
デュピクセントは痒疹タイプのアトピー症状・顔面の難治性の症状(一部に治りにくい方がいらっしゃるようですが)に特に効果的であること、まれに合併する円形脱毛症を伴うアトピー性皮膚炎に対してデュピクセント加療すると円形脱毛症も軽快すること、皮膚バリア機能も改善するため単純ヘルペス(カポジ水痘様発疹症)や丹毒(顔のひっかきからの感染症)を繰り返すアトピー性皮膚炎の方にデュピクセント加療するとその感染症も出にくくなること。副反応の新たな追加はなく、結膜炎中心であること。など、有意義な情報をいただきました。

日焼け予防が注目される夏になりましたが、紫外線が太陽光エネルギーに占める割合は10%以下にすぎず、ブルーライトなどの可視光線が40%、赤外線が50%と言われています。日光暴露による光老化はこの可視光線や赤外線が大きく関与し、とくにこの中の高エネルギー可視光線(HEV)の有害性が報告されています。有害な活性酸素(ROS)の50%はHEVによって産生され、DNAを損傷し紅斑や炎症後色素沈着をきたし、肝斑などにも関与すると考えられています。ですからブルーライトなどのあたる室内での仕事中やテレワーク時にもしっかりとした紫外線予防が大切です。屋外だけではないのですね‥‥男性も日焼け止めは必須の時代ですね。

男性でも美容スキンケアの時代です。まずはいつもの化粧水をビタミンC+E誘導体などに、シワタルミ対策にときにレチンクリームを、そして毎日日焼け止めを塗っていく時代ですね。

最近また感染者が増え真夏だというのにマスク、消毒、がまだまだ続きそうです。今年は親にもゆっくりと会えずに会えたとしてもマスク越しにサラッとになってしまいます。今年はとにかく毎日気をつけながら真面目に生きていくしかないですね。人と大勢に集まらなくても出来ること、ウェブ学会でもウェブ面会でも授業でも、オンライン電話診療、でも、慣れていくしかなさそうです。少し色々変化していきますね‥‥。

 

 

 

 

 

 

ニキビのデュアックゲル勉強会

各種製薬会社さんより情報提供いただく面会が解禁になり、先週サンファーマさんの"デュアックゲル”の勉強会をしていただき、新しい情報を提供していただきました。デュアックゲルはニキビ菌に有効な抗菌剤クリンダマイシンが1%と角質剥離作用のある過酸化ベンゾイルが3%含まれた合剤です。海外では過酸化ベンゾイルの濃度が高く5%ですが日本では副反応(カサカサ乾燥)の低い3%になっています。(2.5%~10%で効果に有意差なし)
ニキビ患者さんの皮膚では、ニキビ初期の微少な面ポウ(白ニキビ)においても炎症が起きていることがわかっています。つまり、ニキビのない方の皮膚に比べてニキビのある方の一見正常に見える皮膚においてもすでに炎症細胞の増加が認められ、将来瘢痕化するリスクがあるため、初期から炎症を抑える薬を外用することも大切だと考えられます。 見た目の炎症にかかわらず、期間を決めて一見正常に見える微小面ポウ部位も含めて初期から炎症+C.acnesをコントロールすることが大切だと思われます。
副反応として7%に乾燥、5%にかぶれ、4%に紅斑、ですが保湿をした後にぬるとそこまで乾燥することも少ないイメージです。ニキビの薬は最近色々あり、きちんと説明しないと使い分けるのはなかなか困難です。

ダラシン(クリンダマイシン):抗生剤
ゼビアックス:抗生剤
アクアチム:抗生剤

ベピオ(過酸化ベンゾイル):面ポウ(白ニキビ)治療、角質剥離作用
ディフェリン(アダパレン):ビタミンA剤、ピーリング作用
エピデュオ:ベピオ+ディフェリン 面ポウ治療、ニキビ跡治療

デュアック:ダラシン+ベピオ 面ポウ~炎症赤ニキビまで

もちろん外用のみではなかなか困難な場合がありますので、内服や漢方などうまく組み合わせて治療していくことがほとんどです。また、皮脂を取り過ぎることなく、適度に保湿しながら皮膚のバリアを良好に保ちながら薬を外用することも必要です。

 

れっきとしたアラフィフになり頭頂部の疎毛に対して、最近以前の先輩皮膚科クリニックで購入したミノキシジル内服を始めています。ミノキシジルは降圧剤で末梢血管拡張作用+毛乳頭細胞に働き成長因子を増やす効果+毛母細胞のアポトーシスを抑制するなど、多岐にわたる機序で発毛効果を促すことがわかっています。血圧低下をきたさないほどの低容量だと副反応ほとんどなく発毛効果が認められているため、少し期待して飲み続けてみたいと思います。頭皮以外も多毛になるかも、とのことですがどうなることやら‥

皮膚や頭髪は外見そのものですが、肌や髪など見た目も気持ちも30代と同じようになりたいとは思いません。でも人生経験それなりの優しさや寛容さをもつ大人になりたいとは思うものの、"自分”が確立してしまっている分頑固なところは頑固だと自覚します。でもあまり"自分ってこう!”と決めつけずに、そのときそのときの気持ちに素直に流されながら、いつもと異なる激動の2020年の残り半分を過ごしていきたいと思います。

大学生の長男は配信される授業を受けるのみで、実習などは秋以降に先延ばし。部活動も休みのままで、太る一方‥‥ 娘たちはようやく今週から毎日登校でグータラ生活から抜け出せる体力があるか心配です‥‥何事にも体力、大切ですね。私も日曜日はまた再び運動再開し汗を久しぶりにかいて身も心もスッキリ。将来膝や腰を痛めないように、体力維持に、淡々と😃



デュピクセント注射剤について

自粛は明けましたが軒並み学会や講演会はウェブ講演会となり、夜間家や帰宅途中でスマホにて講演を聴くことが出来るようになりました。便利です。最近はまず、アトピー性皮膚炎の重症の方への治療、注射剤デュピクセントについてサノフィさんの企画講演で経験豊富な開業医の先生のお話をうかがいました。

アトピー性皮膚炎の注射剤デュピクセントは2018年1月から承認された治療薬です。一定期間の通常のステロイド外用やプロトピック外用ではアトピー性皮膚炎の炎症やかゆみ、臨床症状が軽快しない高校生以上の方で、診察で一定以上の重症度スコアを判定しあるスコア以上の方が適応となります。2週間に1回、腕や太ももなどに皮下注射を行うことでまずカユミが真っ先に軽快し、続いて皮膚の赤みなどの症状や硬い苔癬化(盛り上がり)が軽快、さらには肌の質感が少し柔らかく変化してくることが報告されています。外用は継続しながら、が前提ですが、何よりカユミをなくし肌の質感も改善するのでQOLを変えることが出来ます。

*機序 

アトピー性皮膚炎の炎症の主役のTh2細胞というリンパ球から分泌されるサイトカイン IL4,IL13をブロックする効果と、Th2細胞への分化する過程を抑制するので、主役のTh2リンパ球の前の段階と下流も両方ブロックする効果があり、かゆみ、皮膚の炎症両方に効きます。IL4,IL13からのシグナルは角質細胞のフィラグリン産生や抗菌タンパク産生を傷害するので、デュピクセントによりフィラグリン産生が増えて皮膚のバリアも強くなることも報告されています。アトピー性皮膚炎の重症度の指標TARC(タルク)も2週間後にかなり低下することがわかり、カユミ・皮膚症状の改善と一致します。

*治療間隔

2週間に一回の注射投与(皮下注射、うでや太もも、腹部など)が必要です。何回か慣れた方は自己注射も可能です。

*副作用

喘息の加療を行っている方は喘息も軽快し喘息の治療をやめてしまうと危険なので喘息加療は継続することが大切です。
また4割くらいで機序不明の結膜炎の発症があるため、その場合は抗菌剤目薬や場合により眼科受診が必要になります。

*治療代金

一番のネックは薬治療費です。 今年の4月から薬代が少し安くなり、3割負担の方で、初回月(月3本)のみ59720円、それ以降(月2本) 39814円となりそれでもまだ高額です(注射代金のみで)。

年収により値段は異なりますが高額医療費の助成が使えることが多く、自己負担額はそれよりは少し減額されます。加入する保険者に事前に"限度額適用認定書”を発行してもらって直接の支払いも少なくすることも出来ます。

*治療期間 

1回の注射後比較的すぐにカユミは軽減し、2週間で皮膚症状改善効果が認められ、3ヶ月するとほとんどの方がカユミや皮膚症状が明らかに改善すると報告されています。基本的に炎症や紅斑、カユミがおさまり、効果が実感できるまでは継続するのが理想です。6ヶ月を目安に良い状態を維持できるようであれば中止します。その後も引き続き外用治療は継続します。

ネオーラル(シクロスポリン)内服から切り替えるときは最初は少しずつかぶせながらシクロスポリンを少しずつ減量していき中止します。

一番のネックは治療費でしたが、この4月から、3割負担の方で一月(一本)あたり5000円安くなったので少しお勧めしやすくなりました。まだそれでも高額ですが、なかなか今までの従来の治療でコントロールが困難な方には情報提供していきたい薬剤です。

久しぶりの新薬・コレクチム軟膏も処方が始まり、アトピー性皮膚炎の治療薬に選択肢が増えることは嬉しいことです。また実際の講演会会場で臨床の先生方の実際の使い方やウェブ講演会では聞けないような率直な感想をうかがいたいですが、まだまだそれは少し先になりそうです‥‥

子供達の学校生活も少しずつ再開しつつあります。この数ヶ月はウェブやプリントで授業は少しだけ受けられても、学生生活に何より大切な、仲間や友人との交流や人間関係の学びがすっかり抜け落ちてしまったことが何より可哀想ですが、今年は仕方ない。世界みな同じです。
この大変な時期をなんとか皆でプラスの方向に考え後で懐かしく振り返ることが出来るように今はいろいろ勉強して自分自身を上げていきたいと思います✨


ニキビを悪化させるモロモロについて

マスクの下の皮脂詰まりから、アゴに白ニキビ面ぽうや赤いプツプツが出来ています。マスク時間が長いと仕方ないと諦めず普段の生活からこれ以上プツプツ出来ないように気をつける点は何か、小林美和先生の「痤瘡を悪化させる生活習慣」についての論文と野本真由美先生の「漢方薬による痤瘡治療」を読みました。

ストレス  ストレスを受けると視床下部から出る刺激ホルモン(CRH)が増えて下垂体前葉からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が分泌されてコルチゾールが増えますがこの、視床下部−下垂体−副腎皮質軸(HPAaxis)のホルモンの受容体が脂腺細胞にあることから、このストレスホルモンが脂質産生を増加させて痤瘡を悪化させていることが分かっています。さらに、脂腺細胞そのものも皮膚局所でストレスを与えられるとHPAaxis系のホルモンを自己分泌することもわかり、皮膚そのものの外的刺激ストレスも良くないそうです。確かにストレスがたまると大人のアゴニキビが出来やすくなのは皆経験することです。

睡眠  充分な睡眠はHPAaxisを抑制しますが睡眠か不足すると抑制が外れてコルチゾールが増え、痤瘡は悪化します。ただ、フランスでの報告では睡眠時間と痤瘡とに関連なしとの報告もあるそうです。臨床的には睡眠不足や睡眠サイクルと関連する方は多い気がします。

搔く刺激、触る刺激   触り潰す物理的刺激は出来ている小さな面ぽうを破裂させて炎症性ニキビに発展させるのみでなく、引っ掻くきにより角層バリアが損傷すると毛包部の角化を促すサイトカインが出て角栓詰まりができて面ぽうをつくると考えられています。

食事  あまりエビデンスのある悪化食材はなくチョコや乳製品、ナッツとの関連性に関しては否定的な報告が多く、食事内容との因果関係はまだ否定的です。血糖値の上昇に関わる高GI食品との関連が議論されています。

スキンケア  きちんと一日2回の洗顔で皮膚表面の皮脂を酸化させない=炎症の素になる遊離脂肪酸を作らないこと、逆に洗いすぎによる角層バリアの破壊を防ぐために、摩擦をかけない擦らない、触らない、できてしまったら薬で自然に治すことが大切です。また、皮膚バリアが低下していると塗り薬の刺激も起こしやすいので、十味敗毒湯など漢方薬などで皮膚バリアを整える事も有効です。

胃腸トラブル  胃もたれや便秘、下痢などの際に口周りの痤瘡が治りにくい場合は六君子湯や半夏瀉心湯などの漢方薬が効くことがあります。また、便秘傾向で悪化する場合は桃核承気湯も有効です。

月経周期  ニキビ肌の女性の約8割が生理前に悪化すると言われていますが、漢方的には血の巡りをよくする漢方が奏功します。血流が滞るとニキビの後の炎症後紅斑が残りやすく、その後の色素沈着も出やすくなります。ニキビその後そのものへの漢方でなくても鬱血やホルモンバランスを整える治療でようやくニキビが改善することはよくあり、様々な要因が関連しているのだと実感します。

化粧品  角栓の出来にくいノンコメドジェニックの製品が推奨されるほか、化粧品成分であるオレイン酸、スクアレンはコメドが出来やすいデータがありどちらかというと避けたい成分です。また、皮脂などの脂質を栄養源としているC.acnesニキビ菌はオリーブ油で増殖するという結果がありニキビを悪化させることがあります。

ひとえにニキビといっても男女、年齢、出来る場所もそれぞれで、奥が深いです‥今は単に抗生剤のんで塗って、だけでなくてその背景にあるスキンタイプや肌の状態、悪化因子は様々で、それぞれ各々の治療が必要な奥深い分野だと改めて感じました。

ニキビの心身治療にも詳しい小林美咲先生によると、ニキビの患者さんの8割はストレスによる悪化を自覚しています。ニキビを触ったり潰したりすることは快感であり交感神経緊張状態を和らげる効果もあることから、心身のストレスを紛らわすために掻破し、無意識に繰り返すうちに習慣化すると考えられています。 無意識のストレス~まずは、日本人に多い頑張り屋さんほど完璧を目指さず強くあろうと頑張りすぎず、〜出来ればいいな!くらいに気持ちを持つこと。人と比べて善悪を判断しやすい競合的な価値観にとらわれず自分の価値観を大切にしていきたいと感じました。

 

6月に入り少しずつ日常が戻ってきつつあります。今まで当たり前に思っていた仕事や、趣味や運動が出来ることが、今は有り難く思えるようになりました。半年ぶりの美容院で髪もすっきり、久しぶりに運動で汗をかくとスッキリ、心も少し前向きになれるから不思議です。自粛期間の体重増加を少しずつ戻していきたいです😃

少しずつ活動を戻していきながら、引き続き手指衛生・マスク・密を避ける を気をつけて過ごしていきたいと思います。

 

 

フソバクテリアと口囲皮膚炎について

日曜日に日焼けどめのみ塗って家にこもっていると、美容院に行けず伸びきった髪の毛が横顔にフサフサくっついたりチクチクしたりしてとってもかゆくなります。このムズムズの不快感はかえってお化粧してパウダーファンデ塗った方があまり感じず、休日の気の緩みのせいもあるのかもしれませんが、今からの梅雨時に気になります。最近はマスクの中で口の周りが荒れたりかゆくなったりする方も多いですが、しばらくこの夏はマスク必須が考えられますので改めて口囲皮膚炎(狭義の)について石黒直子先生の論文を見直しました。

口の周りに毛包脂線系の毛穴に一致した細かい炎症性丘疹が出来る症状で、日光・細菌感染・ニキビダニ・化粧品や保湿剤の誘因・生理前などが組み合わさって発症すると考えられていましたが、最近はフソバクテリアという嫌気性菌が病変部に高率に検出され関与が考えられています。主に腸管や口腔内に存在する菌です。健常人や脂漏性皮膚炎・アトピー性皮膚炎部位には存在しなかったことから、口囲皮膚炎独自の病態との関連が考えられ、治療もミノマイシンやβラクタム系抗生剤(ペニシリン系セフェム系など)の内服が効果的です。

口囲皮膚炎は、口の周りに時に赤い斑を伴って小さな毛包性の丘疹が細かく出来て、カユミやヒリヒリを伴うこともあり、マスクの下に発症するとなおさら悪化しそうです。ミノマイシンなどを1~2ヶ月内服するときれいに治ることが多いですので安易にステロイド外用を続けず、正しい診断と薬がなにより大切です。
顔の皮膚はニキビダニやフソバクテリアや表皮ブドウ球菌やニキビ菌など多く、またお化粧品やスキンケア製品やマスクの接触や花粉やホコリ・PM2.5などの外的刺激の侵入や洗顔などの摩擦やバリア破壊も起こりやすく細菌叢の乱れが生じやすい部位です。

日光ケアと摩擦や洗顔によるバリア破壊に何より気をつけながらマスク生活を続けていかなくては、と思います。

隔月に届く美容雑誌の今回の特集は"男性美容”でした。シミや汗や脱毛・AGA・ニオイなど。最近は男性でも美容皮膚科を受診される時代ですので、ご高齢の方でも髪の毛が増えたらシミ・シワも、脱毛も、とニーズが増えて生き生きと若々しく変身される時代です。

男性は女性ほどは年齢によるホルモン減少がなさそうなイメージですが、堀江重郎先生(順天堂泌尿器科)のお話によると先進国ほど加齢によるテストステロン分泌減少の方の割合が高いそうでストレスなどの関与が考えられているそうです。
テストステロン分泌低下による男性の心身の不調は、ある年齢になって目標が達成できなかったり、成果が得られなかったりすると起こりやすくなります。加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)は"心”の症状と"体”の症状があり、それぞれ"なんとなく調子が悪い”、"やる気がでない・憂鬱”、"筋肉痛がある”、"頻回に尿意がある”、筋肉量が減り太る、下を向くことが増えて目の間が縮んで顔が丸くなるなども起こりうるそうです。

テストステロンが減少すると毎日が楽しくなく意欲がわかず、何事にも億劫になります。逆にテストステロン分泌を促進するには、運動や睡眠でストレスをためない、目標を達成したり成果を得ることと関連することから、"自分を褒めてくれる場所に身を置く”が最も効果的だそうです✨✨ 誰かに褒めてもらわないとテストステロンは下がっしまう!そうです。
私たちが最も望む、単なる長寿でなくて"自立した健康長寿”のために大切な"筋肉”と"意欲”の二つにテストステロンは大きく関わっています。
女性のホルモン補充療法と同じように、男性にもテストステロン補充療法が行われているのも納得です。

家庭をもつ男性はなかなか家庭内では褒めてもらえない?かもしれませんので家庭以外の職場や趣味の場で周りから褒めてもらえると良いですね、との堀江先生のコメントでした‥‥😃


男性美容、という言葉も当たり前になってきていますね。我が家でも私+娘達よりよほど朝の洗面所のスキンケアが長~い夫+風呂時間が長~い息子です‥ そんな時代なのかな✨


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