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アトピー性皮膚炎のプロトピック軟膏について

先週末にマルホさん主催のアトピー性皮膚炎の講演会に参加しました。プロトピック軟膏についての講演討論会でしたが、塗った時の刺激感を軽減させる先生方の具体的な処方方法のお話があり、参考になりました。

プロトピック軟膏は、タクロリムスという免疫抑制剤の外用剤で、0.1%(白チューブ)と0.03%(オレンジチューブ)があります。
アトピーの炎症に対して、このタクロリムスの成分が働き、
1.Tcellからのサイトカイン産生を抑える
2.ヒスタミン遊離を抑える
3.カプサイシン様作用により痒みを軽減させる
4.表皮内に痒み神経終末が伸びるのを抑制する

などの作用により炎症やかゆみをおさえます。ただ、ステロイドからすぐプロトピック軟膏に移行してしまうと患者さんはどうしても二つを比べてしまうため、ステロイドに比べて効きが弱いという印象や塗った時の刺激が強い、と感じてしまい使いにくくなってしまいます。

ですから、スタート時の対象の患者さんとしては、

1.ステロイド+保湿によって寛解に近い患者さんの維持療法として
2.紅斑くすぶり型でステロイドの長期連用が避けられない方の切り替え療法として
  (この場合は上記のステロイドとの比較がおこるため十分な説明が必要)
3.首のさざなみ状色素沈着の軽減療法として
4.ステロイドを使用したくない患者さんの外用として
5.顔や首のステロイド外用によって酒さ様皮膚炎になった時の治療として

利用されることが多いようです。

また、春の花粉皮膚炎など、まぶたの近くの赤みや痒みにも外用は可能ですので、最初の刺激感だけ説明すれば継続してぬると十分効果があります。

この、プロトピック軟膏の刺激感ですが、使い始めは神経ペプチドを遊離させてホテリなどの刺激感がありますが、続けて塗ることによってペプチドが枯渇することによって刺激もなくなっていきます。だいたい、塗り続けてから1週間程度で落ち着いてくることが多いようです。刺激対策としては、
徐々にぬる範囲を広げていく
ステロイドでまず炎症を抑えてからプロトピックに切り替える
アスピリン内服で刺激を軽減させる
などが良いようです。

アトピー性皮膚炎の炎症が落ち着いてきたら、プロアクティブ療法として、プロトピック軟膏を週3回ぐらい予防として外用して続けることが勧められています。
0.03%の弱いほうは2歳以上のお子さんにも使用できますので、小児の顔や体の炎症にも良いと思います。

また保険外にはなりますが、プロトピック軟膏にはマラセチアに対する抗真菌作用があるため、脂漏性皮膚炎にも利用されます。
この講演を参考にして、今まで以上にステロイドとプロトピック軟膏の上手な使い分けと十分な説明を心掛けたいと思います。

先日患者さんから子供用の本、ベッドタイムストーリーズ(福音社)というを紹介されました。イギリスのアーサーマックスウェルが感動的な実話をもとにつくったお話集です。子供に読み聞かせでも、小学生なら子供に自分で読ませて、決して感想を求めない、ということで勧められました 早速ネットで購入してみました。達の朝読書の時間にさりげなく勧めてみようかな~、でもついつい感想を聞きたくなりますが、絶対感想を求めないように気を付けたいと思います

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