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2019年11月

皮膚科専門医講習会

先週末は専門医講習会に参加し久しぶりに基礎的な病理電顕の勉強や、脱毛症・爪疾患についての講演会を聞きました。

まず、今の秋の時期に多い、休止期脱毛:急性の休止期脱毛とは、高熱・外傷・出産・急なダイエット・過大なストレスなどにより全体が休止期に移行して脱毛が増える状態ですが、休止期へのスイッチが入ってから3ヶ月後くらいに脱毛の自覚がでるのでその時点では成長期へ移行している状態です。慢性の休止期脱毛とは6ヶ月以上継続する脱毛で鉄や亜鉛欠乏・栄養失調・甲状腺機能低下症・腎肝障害・膠原病や薬剤性などが原因で生じます。また、赤ちゃんの後頭部がうすくなるのは局所がこすれるからでなく、帯状に成長期・休止期が繰り返される際に休止期に当たる帯状部位がきれいに薄くなるからだそうです。 伸びるべき毛が急に脱毛してしまうものが成長期脱毛で代表的なものは円形脱毛症です。遺伝的背景+誘因トリガー(感染症やワクチンなどの免疫寛容の破綻)が円形脱毛の原因として考えられています。ウイルス感染トリガー説ではインターフェロンαの産生が関与しているといわれています。 最後に悲しいことに回復が困難な瘢痕性脱毛症として Frontal fibrosing alopecia (FFA)とFolliculitis decalvansが有名です。前者は閉経後の女性の額から前頭部が帯状に脱毛し後退してしまうものでステロイド外用や局注でもあまり劇的な効果がみられません。後者は性別関係なくカサブタや膿疱毛包炎を周りに生じながら脱毛斑が生じるものでブドウ球菌などの関与により局所が萎縮し瘢痕化する脱毛で抗生剤内服やステロイド外用で加療します。 単なる脱毛症でもいろいろ種類も機序も多く奥が深いことを改めて実感しました。
また引き続きの学会では理化学研究所の川崎洋先生のアトピー性皮膚炎と皮膚細菌叢についてのお話を聞きました。皮膚細菌叢は腸内細菌叢とは異なり細菌が生息しにくく細菌数は少ないですが外的環境を受けやすく部位や個人間の違いにより大きく異なり、生後2ヶ月の皮膚細菌叢のパターンが1歳時のアトピー性皮膚炎発症の有無と関連している可能性があると言われています。アトピー性皮膚炎の皮膚細菌叢は単に細菌が多いというわけでもなく、病変の有無や個人により多様だと考えられていて、欧米にて行われているブリーチバス療法(漂白殺菌成分入りの浴槽にに入る療法)の効果は様々だそうです。
また最後に成育医療センターの大矢先生の小児アトピー性皮膚炎についての最新のお話をうかがいました。生後1~4ヶ月の湿疹ありの乳児は3歳時の食物アレルギーのリスクが高いと言われていてアトピー性皮膚炎の乳幼児の多くは離乳食の開始前から食物抗原に感作されていることがわかっています。経皮的に侵入して皮膚感作をおこす食物抗原が布団や家庭のホコリ中に存在することがわかっており、皮膚のバリアが低下するほど抗原感作を受けやすいと考えられます。昔の日本に比べて小児の食物アレルギーが増えている理由として離乳食のスタートが昔に比べ遅くなってきたこと、土間のない家屋が増えたり少子化になってきたり、で微生物の種類が減ってきてアレルギー反応を抑制するTreg細胞が少なくなってきていることもあげられます。酪酸・プロピオン酸・乳酸菌摂取が増えるほどアレルギー疾患が減ることも分かっており、それらの背積極的な摂取と新生児期からの保湿スキンケアが改めて重要視されています。
今後の日々更新していく最新情報を学会や講習会で少しずつ吸収していきたいと思います。

昨日は千葉大学医学部の同期会で30人くらいが集まりました。大学6年間、千葉の田舎で苦楽をともにした仲間は久しぶりに逢っても、飾らず素に戻れる大切な仲間、大学の同級生って本当にいいですね。この年になると自分の体に何が起こっても不思議ではないから、後悔ないように自分のやりたい仕事ややりたいことを楽しみましょう!と皆で誓い合いました。

ヨガもますます通っています。思った以上に体幹や奥の筋肉を使うことや体を伸ばしコリをとることの良さを実感しています。10年以上の玄人さんのようにスピード速くできず、まだまだです。でもあのヨガスタジオで何も考えずに体や呼吸に集中していくあの時間が好きなのであまり気負わず楽しく継続していきたいと思います😃

掌蹠膿疱症の新薬トレムフィアについて

先月末に掌蹠膿疱症の新薬注射剤トレムフィアの講演会があり、昭和豊洲病院 佐々木駿先生のわかりやすいお話を聞きました。
掌、足の裏の皮下にまず出来た水疱が拡大し、水疱中央に小黄色点が出現しそれが膿疱化する、という皮膚症状で他に20%の爪病変、10~30%の関節炎症状(特に胸骨鎖骨間関節痛)が出現する慢性の皮膚疾患です。扁桃炎との関連も指摘されてきましたが、扁桃自体に炎症や病変がみられなくても、扁桃の常在菌に対する免疫寛容機構が破綻しているために扁桃常在菌に対する過剰反応が生じていると考えられていて扁桃摘出が有効と言われています。新薬のトレムフィアはもともと乾癬に有効な生物学的製剤ですが最近掌蹠膿疱症に対しても有効性が承認された薬剤です。最初は月一回の間隔で打ちますが、2回目以降は2ヶ月に1回の投与で効果が認められています。

トレムフィア治療1回目の後の皮膚は手足病変部の皮がボロボロむけて水疱がなくなり、固さが少なくなり少しラクになるイメージで回を重ねるとさらに少しずつ軽快してくるそうです。
また、胸骨の痛みに対しては初回から良くなるそうで、関節症状の方が皮膚症状よりも効果が早くでるようです。
高価な薬剤ですが一回の治療で少しツルっとむけて皮膚の感覚も異なってくるため継続したいという患者さんが多いそうです。
なかなか講演会の機会も少ない掌蹠膿疱症についての最新の情報やトレムフィアの実際の印象や効果が直にうかがうことができて大変貴重な機会でした!

また品川区皮膚科医会の会ではNTT五十嵐先生より、アトピー性皮膚炎の最新の情報を教えていただきました。まず、ステロイド外用薬を弱める場合はステロイドの強さランクを下げるより外用頻度を下げる方がコントロールしやすいこと、新薬情報としては開発中の外用薬がいくつかあることを教えていただきました。大塚製薬のディファミラスト(PDE4阻害薬)軟膏は寛解期に用いるのが最適な少し臨床力は弱め、という情報が、来年にはさらにJT/鳥居薬品のコレクチム軟膏(JAK阻害剤)が処方可能の予定だということです。 アトピー性皮膚炎のプロトピック以来の久しぶりの外用薬が待ち遠しい限りです。

すっかり秋も深まり今年も残すところあと2ヶ月です。我が家の長男の大学寮生活もあと3ヶ月で、帰ってきてしまいます。あと1年くらいあっても良かったですが本人は東京大好きで待ち遠しい限りなのかな。まあ単位を落としても留年だけはせずに真面目に大学生活を送ってほしい限りです‥‥下の双子受験生たちは全く緊張感なくクラスが落ちようとも楽しく通塾していますので、何よりです。先日は受験生必須のサピックスオープンの日を私がすっかり失念しており、チューターに呆れられ‥今のところ緊張感ゼロです‥親も高くは望まず、自分たちにご縁があった学校で多感な思春期学生時代を自分に合った良い環境で過ごしていってほしいと願うばかりです。

最近、feel cycleの大好きだったインストラクターが退職された後オープンしたヨガ・ダンススタジオに行き始めました。一緒に経営されているヨガやマッサージの先生方もとても素敵な先生方で、ホイールを使ったヨガや本格的なヨガ、セルフマッサージのクラスなど、楽しく通っています。長年のfeel cycleで硬くなった体の芯のコリが徐々にほぐれて柔らかくなっていきそうな嬉しい予感が。この年になって自分の知らなかった分野に足を踏み入れることはワクワクして今後の自分の変化(身も心も)が楽しみです。

 

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