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ニキビを悪化させるモロモロについて

マスクの下の皮脂詰まりから、アゴに白ニキビ面ぽうや赤いプツプツが出来ています。マスク時間が長いと仕方ないと諦めず普段の生活からこれ以上プツプツ出来ないように気をつける点は何か、小林美和先生の「痤瘡を悪化させる生活習慣」についての論文と野本真由美先生の「漢方薬による痤瘡治療」を読みました。

ストレス  ストレスを受けると視床下部から出る刺激ホルモン(CRH)が増えて下垂体前葉からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が分泌されてコルチゾールが増えますがこの、視床下部−下垂体−副腎皮質軸(HPAaxis)のホルモンの受容体が脂腺細胞にあることから、このストレスホルモンが脂質産生を増加させて痤瘡を悪化させていることが分かっています。さらに、脂腺細胞そのものも皮膚局所でストレスを与えられるとHPAaxis系のホルモンを自己分泌することもわかり、皮膚そのものの外的刺激ストレスも良くないそうです。確かにストレスがたまると大人のアゴニキビが出来やすくなのは皆経験することです。

睡眠  充分な睡眠はHPAaxisを抑制しますが睡眠か不足すると抑制が外れてコルチゾールが増え、痤瘡は悪化します。ただ、フランスでの報告では睡眠時間と痤瘡とに関連なしとの報告もあるそうです。臨床的には睡眠不足や睡眠サイクルと関連する方は多い気がします。

搔く刺激、触る刺激   触り潰す物理的刺激は出来ている小さな面ぽうを破裂させて炎症性ニキビに発展させるのみでなく、引っ掻くきにより角層バリアが損傷すると毛包部の角化を促すサイトカインが出て角栓詰まりができて面ぽうをつくると考えられています。

食事  あまりエビデンスのある悪化食材はなくチョコや乳製品、ナッツとの関連性に関しては否定的な報告が多く、食事内容との因果関係はまだ否定的です。血糖値の上昇に関わる高GI食品との関連が議論されています。

スキンケア  きちんと一日2回の洗顔で皮膚表面の皮脂を酸化させない=炎症の素になる遊離脂肪酸を作らないこと、逆に洗いすぎによる角層バリアの破壊を防ぐために、摩擦をかけない擦らない、触らない、できてしまったら薬で自然に治すことが大切です。また、皮膚バリアが低下していると塗り薬の刺激も起こしやすいので、十味敗毒湯など漢方薬などで皮膚バリアを整える事も有効です。

胃腸トラブル  胃もたれや便秘、下痢などの際に口周りの痤瘡が治りにくい場合は六君子湯や半夏瀉心湯などの漢方薬が効くことがあります。また、便秘傾向で悪化する場合は桃核承気湯も有効です。

月経周期  ニキビ肌の女性の約8割が生理前に悪化すると言われていますが、漢方的には血の巡りをよくする漢方が奏功します。血流が滞るとニキビの後の炎症後紅斑が残りやすく、その後の色素沈着も出やすくなります。ニキビその後そのものへの漢方でなくても鬱血やホルモンバランスを整える治療でようやくニキビが改善することはよくあり、様々な要因が関連しているのだと実感します。

化粧品  角栓の出来にくいノンコメドジェニックの製品が推奨されるほか、化粧品成分であるオレイン酸、スクアレンはコメドが出来やすいデータがありどちらかというと避けたい成分です。また、皮脂などの脂質を栄養源としているC.acnesニキビ菌はオリーブ油で増殖するという結果がありニキビを悪化させることがあります。

ひとえにニキビといっても男女、年齢、出来る場所もそれぞれで、奥が深いです‥今は単に抗生剤のんで塗って、だけでなくてその背景にあるスキンタイプや肌の状態、悪化因子は様々で、それぞれ各々の治療が必要な奥深い分野だと改めて感じました。

ニキビの心身治療にも詳しい小林美咲先生によると、ニキビの患者さんの8割はストレスによる悪化を自覚しています。ニキビを触ったり潰したりすることは快感であり交感神経緊張状態を和らげる効果もあることから、心身のストレスを紛らわすために掻破し、無意識に繰り返すうちに習慣化すると考えられています。 無意識のストレス~まずは、日本人に多い頑張り屋さんほど完璧を目指さず強くあろうと頑張りすぎず、〜出来ればいいな!くらいに気持ちを持つこと。人と比べて善悪を判断しやすい競合的な価値観にとらわれず自分の価値観を大切にしていきたいと感じました。

 

6月に入り少しずつ日常が戻ってきつつあります。今まで当たり前に思っていた仕事や、趣味や運動が出来ることが、今は有り難く思えるようになりました。半年ぶりの美容院で髪もすっきり、久しぶりに運動で汗をかくとスッキリ、心も少し前向きになれるから不思議です。自粛期間の体重増加を少しずつ戻していきたいです😃

少しずつ活動を戻していきながら、引き続き手指衛生・マスク・密を避ける を気をつけて過ごしていきたいと思います。

 

 

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