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2020年7月

乾癬治療薬トレムフィア

夏休みの雰囲気もなく、相変わらずのコロナ感染症の影響で相変わらず学会や講演会はウェブですが、メーカーさんによっては訪問してくださり新しい情報を直接届けてくださいます。直接お会いできると色々実際の裏情報なども聞けてやはり良いです😃

今週はタイホウさんのトレムフィア注射剤についての勉強会を昼休みにしていただきました。乾癬は角質が通常1ヶ月間くらいかけて生まれ変わるスピードが異常に早まり4~5日で生まれ変わってしまうために角質が積み重なり、白く細かいカサブタが紅斑の上に積もってしまう症状で、時に爪変化(爪剥離や凹凸)や関節炎(関節に腫れや痛みが出る)を伴うことがあります。
乾癬の原因は詳細は分かっていませんが、遺伝的体質+環境要因(ある種の自己免疫反応が起きやすい体質)に外的要因(ストレス・喫煙・アルコール・脂っこい食事・乾燥・薬剤・風邪など)と内的要因(肥満・妊娠・出産・糖尿・高脂血症など)により影響すると考えられています。

治療法は 1.塗り薬:ビタミンD+ステロイド合剤(ドボゲット・マーデュオックス) 2.のみ薬:免疫抑制剤(シクロスポリン)、PDE4阻害剤(オテズラ) 3.紫外線療法:免疫の過剰な働きを抑制する紫外線の働きを利用して体に害のないUVBを週2~3回、20回を1クールとして行います。 4.生物学的製剤(注射剤):炎症を起こすサイトカインの働きを抑えることにより難治性の乾癬皮膚症状や関節症状を改善する。トレムフィアなど。

トレムフィアは"インターロイキン23”を抑制することにより乾癬症状を引き起こすインターロイキン17の放出を減らす薬剤です。大きな病院での加療にはなりますが、2回目のみ4週間後、3回目以降は8週間ごとに病院にて皮下注射を行います。3回目以降は2ヶ月に一回の受診注射投与で効果があります。 副反応として、注射部位の赤み痛みや、免疫の一部の働きを弱める作用があるため治療中は風邪などの感染症にかかりやすくなる可能性があります。

費用ですが、かなり高額で一回のトレムフィア注射でかかる医療費は医療費助成を利用しなかった場合に10割で322550円、3割負担では96780円になります。
・高額療養費制度といって、病院や薬局の窓口費用が高額になった場合に、年齢や収入にあわせて一ヶ月に支払う上限額を決めてそれを超える金額を医療保険から払い戻してくれる制度で世帯合算や多数回割引が利用できます。世帯内で月に21000円以上の自己負担が2件以上(同じ人でも世帯内でも違う人でも)ある場合に高額医療費の申請をして払い戻しが出来ます。また、多数回の場合同じ世帯内で同じ医療保険の場合高額医療費の払い戻しが3回以上ある場合は4回目以降に自己負担限度額がさらに引き下げられます。
また、事前に健康保険組合の窓口に限度額適用認定証の交付の申請して交付されると、医療機関で自己負担限度額のみ支払うことも出来ます。

・付加給付制度といって大企業の健康保険組合や共済組合によっては、高額療養費よりも低い自己負担の上限額を独自に設定して上限額を超える医療費を払い戻してくれる制度もあります。するとご本人負担はさらに引き下げられます。

 

中年以降発症の乾癬は肥満やメタボ症候群との関連も言われ、タバコ、飲酒、ストレスにより悪化することも分かっています。
またケブネル現象といって皮疹の内部医に外的な刺激が加わることにより新たな皮疹が生じることも特徴ですので、虫刺され・靴擦れ・衣服や眼鏡摩擦、髭剃りなどの刺激でも新しく皮疹が生じることもあります。
ストレスや感染症でも悪化しやすのでそのような時には特にしっかりとした治療が必要です。

乾癬は治療法の開発が著しい分野でその多くは生物学的製剤です。色々な選択肢が増えてより薬価も下がっていくと良いですね‥‥

義父の一周忌が今月あるはずがコロナ影響でお墓参りのみになりました。一年とは早いもので、でも遙か昔のような、今のこの状況なんて義父は知らずに幸せだったかも、などと思ったりします。東京ー千葉間でもあまり義母とも義兄たちともゆっくり食事もしずらい状況で‥
でも子供達が小さい頃から本当にお世話になった義父の元気な姿を時々思い出し、子供達をきちんと育てることが恩返しだと思いました。一人になった義母のことももちろん。

最近中一の娘たちが時に反抗期入り口?ホルモンも徐々に変わってきて、新しい生活や仲間も出来て、親から距離を持ち時に秘密を持ち、心揺らぐ思春期がもうすぐかな。忙しい中ですが、男子と違って真っ正面から向かってきそうな女子の反抗期、これから恐るべしですが、今のところ真っ向から立ち向かっていく予定です!パワーも使うけど、子育ての醍醐味だと思いキタキタ~、と反抗期を苦しみながら楽しみたいと思います。 自粛で家の中でお互いに顔をつきあわせるとついついピーチクパーチク娘達には言ってしまいがちです。ほどほどの距離感って難しいです。親も成長を試されるな‥💦

 

 

開発中のアトピー新薬ネモリズマブについて

最近ネットでも話題に出ている中外製薬開の開発中のネモリズマブの第Ⅲ相の臨床試験の結果が発表されて有効性が確認されて今後申請されて実用化を目指します。デュピクセントに続き難治性のアトピー性皮膚炎の新薬として注目されます。

ネモリズマブは IL31に対するモノクローナル抗体で、カユミを起こす物質であるIL31が神経細胞にくっつくのをブロックすることにより、カユミを強く抑えることが分かっています。アトピー性皮膚炎ではかゆみの搔爬で症状の波がつくられるので、カユミがブロックされると夜間に睡眠もとれるようになりQOLが上がります。また、IL31 は好酸球や肥満細胞などの免疫細胞や角質細胞にも働くことがわかっていて、ネモリズマブによりそこへの働きもブロックされると、カユミだけではなく免疫系や皮膚バリア機能にも影響して治療効果を発揮すると考えられています。

具体的には4週間ごとに皮下注射にて投与し、12週間後(3回投与後)にカユミや症状スコア、睡眠の質などが有意に改善するといわれています。症状よりさきにカユミがまず軽減されてくるのが特徴のようです。カユミがなくなれば搔爬もなくなり症状はよくなってくると考えられます。

デュピクセント注射剤と同様、重大な副作用は報告されていないので、薬価が同じく高くなるとは思いますが、通常の今までの治療で軽快しない重症な方の治療法の選択肢のひとつに将来なってくることと思います。

また、デュピクセントがブロックするIL4,IL13 や ネモリズマブがブロックするIL31 が免疫細胞や神経細胞にある受容体という受け皿にくっつくと、JAK(ジャック、ヤヌキナーゼ)などのシグナル経路が活性化されて炎症やカユミを引き起こします。このJAKを阻害するのが外用薬のコレクチム軟膏です。コレクチム軟膏は処方開始になったばかり。これから患者さんのフィードバックを集めていきたいと思います。

アトピー性皮膚炎の新薬は続々と。ただこれらの薬は脱ステロイドとは違い、通常の治療でも難治性の方への治療ですので、きちんとした適用基準の判定が大切です。また講演会や勉強会で情報収集していきたいと思います。最近はもっぱら平日ヨルのウェブ講演会で、自宅や帰り道に聞けることは有り難い限りです。昨日は実家に行き帰りする途中のバスの中でデュピクセントに関する帝京大学の鎌田先生のご講演をききました。
デュピクセントは痒疹タイプのアトピー症状・顔面の難治性の症状(一部に治りにくい方がいらっしゃるようですが)に特に効果的であること、まれに合併する円形脱毛症を伴うアトピー性皮膚炎に対してデュピクセント加療すると円形脱毛症も軽快すること、皮膚バリア機能も改善するため単純ヘルペス(カポジ水痘様発疹症)や丹毒(顔のひっかきからの感染症)を繰り返すアトピー性皮膚炎の方にデュピクセント加療するとその感染症も出にくくなること。副反応の新たな追加はなく、結膜炎中心であること。など、有意義な情報をいただきました。

日焼け予防が注目される夏になりましたが、紫外線が太陽光エネルギーに占める割合は10%以下にすぎず、ブルーライトなどの可視光線が40%、赤外線が50%と言われています。日光暴露による光老化はこの可視光線や赤外線が大きく関与し、とくにこの中の高エネルギー可視光線(HEV)の有害性が報告されています。有害な活性酸素(ROS)の50%はHEVによって産生され、DNAを損傷し紅斑や炎症後色素沈着をきたし、肝斑などにも関与すると考えられています。ですからブルーライトなどのあたる室内での仕事中やテレワーク時にもしっかりとした紫外線予防が大切です。屋外だけではないのですね‥‥男性も日焼け止めは必須の時代ですね。

男性でも美容スキンケアの時代です。まずはいつもの化粧水をビタミンC+E誘導体などに、シワタルミ対策にときにレチンクリームを、そして毎日日焼け止めを塗っていく時代ですね。

最近また感染者が増え真夏だというのにマスク、消毒、がまだまだ続きそうです。今年は親にもゆっくりと会えずに会えたとしてもマスク越しにサラッとになってしまいます。今年はとにかく毎日気をつけながら真面目に生きていくしかないですね。人と大勢に集まらなくても出来ること、ウェブ学会でもウェブ面会でも授業でも、オンライン電話診療、でも、慣れていくしかなさそうです。少し色々変化していきますね‥‥。

 

 

 

 

 

 

ニキビのデュアックゲル勉強会

各種製薬会社さんより情報提供いただく面会が解禁になり、先週サンファーマさんの"デュアックゲル”の勉強会をしていただき、新しい情報を提供していただきました。デュアックゲルはニキビ菌に有効な抗菌剤クリンダマイシンが1%と角質剥離作用のある過酸化ベンゾイルが3%含まれた合剤です。海外では過酸化ベンゾイルの濃度が高く5%ですが日本では副反応(カサカサ乾燥)の低い3%になっています。(2.5%~10%で効果に有意差なし)
ニキビ患者さんの皮膚では、ニキビ初期の微少な面ポウ(白ニキビ)においても炎症が起きていることがわかっています。つまり、ニキビのない方の皮膚に比べてニキビのある方の一見正常に見える皮膚においてもすでに炎症細胞の増加が認められ、将来瘢痕化するリスクがあるため、初期から炎症を抑える薬を外用することも大切だと考えられます。 見た目の炎症にかかわらず、期間を決めて一見正常に見える微小面ポウ部位も含めて初期から炎症+C.acnesをコントロールすることが大切だと思われます。
副反応として7%に乾燥、5%にかぶれ、4%に紅斑、ですが保湿をした後にぬるとそこまで乾燥することも少ないイメージです。ニキビの薬は最近色々あり、きちんと説明しないと使い分けるのはなかなか困難です。

ダラシン(クリンダマイシン):抗生剤
ゼビアックス:抗生剤
アクアチム:抗生剤

ベピオ(過酸化ベンゾイル):面ポウ(白ニキビ)治療、角質剥離作用
ディフェリン(アダパレン):ビタミンA剤、ピーリング作用
エピデュオ:ベピオ+ディフェリン 面ポウ治療、ニキビ跡治療

デュアック:ダラシン+ベピオ 面ポウ~炎症赤ニキビまで

もちろん外用のみではなかなか困難な場合がありますので、内服や漢方などうまく組み合わせて治療していくことがほとんどです。また、皮脂を取り過ぎることなく、適度に保湿しながら皮膚のバリアを良好に保ちながら薬を外用することも必要です。

 

れっきとしたアラフィフになり頭頂部の疎毛に対して、最近以前の先輩皮膚科クリニックで購入したミノキシジル内服を始めています。ミノキシジルは降圧剤で末梢血管拡張作用+毛乳頭細胞に働き成長因子を増やす効果+毛母細胞のアポトーシスを抑制するなど、多岐にわたる機序で発毛効果を促すことがわかっています。血圧低下をきたさないほどの低容量だと副反応ほとんどなく発毛効果が認められているため、少し期待して飲み続けてみたいと思います。頭皮以外も多毛になるかも、とのことですがどうなることやら‥

皮膚や頭髪は外見そのものですが、肌や髪など見た目も気持ちも30代と同じようになりたいとは思いません。でも人生経験それなりの優しさや寛容さをもつ大人になりたいとは思うものの、"自分”が確立してしまっている分頑固なところは頑固だと自覚します。でもあまり"自分ってこう!”と決めつけずに、そのときそのときの気持ちに素直に流されながら、いつもと異なる激動の2020年の残り半分を過ごしていきたいと思います。

大学生の長男は配信される授業を受けるのみで、実習などは秋以降に先延ばし。部活動も休みのままで、太る一方‥‥ 娘たちはようやく今週から毎日登校でグータラ生活から抜け出せる体力があるか心配です‥‥何事にも体力、大切ですね。私も日曜日はまた再び運動再開し汗を久しぶりにかいて身も心もスッキリ。将来膝や腰を痛めないように、体力維持に、淡々と😃



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