« ニキビのデュアックゲル勉強会 | トップページ | 乾癬治療薬トレムフィア »

開発中のアトピー新薬ネモリズマブについて

最近ネットでも話題に出ている中外製薬開の開発中のネモリズマブの第Ⅲ相の臨床試験の結果が発表されて有効性が確認されて今後申請されて実用化を目指します。デュピクセントに続き難治性のアトピー性皮膚炎の新薬として注目されます。

ネモリズマブは IL31に対するモノクローナル抗体で、カユミを起こす物質であるIL31が神経細胞にくっつくのをブロックすることにより、カユミを強く抑えることが分かっています。アトピー性皮膚炎ではかゆみの搔爬で症状の波がつくられるので、カユミがブロックされると夜間に睡眠もとれるようになりQOLが上がります。また、IL31 は好酸球や肥満細胞などの免疫細胞や角質細胞にも働くことがわかっていて、ネモリズマブによりそこへの働きもブロックされると、カユミだけではなく免疫系や皮膚バリア機能にも影響して治療効果を発揮すると考えられています。

具体的には4週間ごとに皮下注射にて投与し、12週間後(3回投与後)にカユミや症状スコア、睡眠の質などが有意に改善するといわれています。症状よりさきにカユミがまず軽減されてくるのが特徴のようです。カユミがなくなれば搔爬もなくなり症状はよくなってくると考えられます。

デュピクセント注射剤と同様、重大な副作用は報告されていないので、薬価が同じく高くなるとは思いますが、通常の今までの治療で軽快しない重症な方の治療法の選択肢のひとつに将来なってくることと思います。

また、デュピクセントがブロックするIL4,IL13 や ネモリズマブがブロックするIL31 が免疫細胞や神経細胞にある受容体という受け皿にくっつくと、JAK(ジャック、ヤヌキナーゼ)などのシグナル経路が活性化されて炎症やカユミを引き起こします。このJAKを阻害するのが外用薬のコレクチム軟膏です。コレクチム軟膏は処方開始になったばかり。これから患者さんのフィードバックを集めていきたいと思います。

アトピー性皮膚炎の新薬は続々と。ただこれらの薬は脱ステロイドとは違い、通常の治療でも難治性の方への治療ですので、きちんとした適用基準の判定が大切です。また講演会や勉強会で情報収集していきたいと思います。最近はもっぱら平日ヨルのウェブ講演会で、自宅や帰り道に聞けることは有り難い限りです。昨日は実家に行き帰りする途中のバスの中でデュピクセントに関する帝京大学の鎌田先生のご講演をききました。
デュピクセントは痒疹タイプのアトピー症状・顔面の難治性の症状(一部に治りにくい方がいらっしゃるようですが)に特に効果的であること、まれに合併する円形脱毛症を伴うアトピー性皮膚炎に対してデュピクセント加療すると円形脱毛症も軽快すること、皮膚バリア機能も改善するため単純ヘルペス(カポジ水痘様発疹症)や丹毒(顔のひっかきからの感染症)を繰り返すアトピー性皮膚炎の方にデュピクセント加療するとその感染症も出にくくなること。副反応の新たな追加はなく、結膜炎中心であること。など、有意義な情報をいただきました。

日焼け予防が注目される夏になりましたが、紫外線が太陽光エネルギーに占める割合は10%以下にすぎず、ブルーライトなどの可視光線が40%、赤外線が50%と言われています。日光暴露による光老化はこの可視光線や赤外線が大きく関与し、とくにこの中の高エネルギー可視光線(HEV)の有害性が報告されています。有害な活性酸素(ROS)の50%はHEVによって産生され、DNAを損傷し紅斑や炎症後色素沈着をきたし、肝斑などにも関与すると考えられています。ですからブルーライトなどのあたる室内での仕事中やテレワーク時にもしっかりとした紫外線予防が大切です。屋外だけではないのですね‥‥男性も日焼け止めは必須の時代ですね。

男性でも美容スキンケアの時代です。まずはいつもの化粧水をビタミンC+E誘導体などに、シワタルミ対策にときにレチンクリームを、そして毎日日焼け止めを塗っていく時代ですね。

最近また感染者が増え真夏だというのにマスク、消毒、がまだまだ続きそうです。今年は親にもゆっくりと会えずに会えたとしてもマスク越しにサラッとになってしまいます。今年はとにかく毎日気をつけながら真面目に生きていくしかないですね。人と大勢に集まらなくても出来ること、ウェブ学会でもウェブ面会でも授業でも、オンライン電話診療、でも、慣れていくしかなさそうです。少し色々変化していきますね‥‥。

 

 

 

 

 

 

« ニキビのデュアックゲル勉強会 | トップページ | 乾癬治療薬トレムフィア »