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掌蹠膿疱症について

夏の気温の変わり目などに生じやすい異汗性湿疹(汗疱)と似た手足の慢性病変として“掌蹠膿疱症”が挙げられます。汗疱と鑑別が難しいこともありますが、まず診断することが大切です。今月の皮膚科学会雑誌に掌蹠膿疱症ガイドラインが掲載されていましたのでじっくり勉強しました。

手足という人目につきやすい部位に生じること、長年のステロイド外用による皮膚委縮や皮膚菲薄化により亀裂が生じて痛みが生じること、また骨や関節の痛みが出る“掌蹠膿疱症性骨関節炎”を合併することがあること、よりQOLは損なわれます。

手のひら、足の裏~足縁に新旧の無菌性の膿疱が多発するのが特徴ですが、膿疱に混じり水疱がみられることもあります。その水疱と膿疱の移行病変と考えられる水疱内に小膿疱が形成される“膿疱化水疱”が観察されることがあります。 かゆみは膿疱になる前の段階に自覚することが多く、膿疱になると痒くないことが多いです。また、経過中に膿疱が出現しなくなり角化が目立つ皮膚症状になることもあります。
“ケブネル現象”という外的な刺激を受ける部位に皮疹が新たにできることもあり、足では靴のあたる部位に水疱や膿疱が発症することもあります。

また足や手の爪病変(爪の肥厚・凹凸・黄色変化)は約3割程度で乾癬の爪変化に比べて頻度は低いと言われています。
日本人の掌蹠膿疱症の特徴として  ・女性患者が多い ・男女とも喫煙者が多い ・時に前胸部の関節炎症状を伴う ・病巣感染巣との関連が大きいこと が挙げられます。

病巣感染巣は、体の中に限局した感染病巣がありそれ自身は軽微が無症状ですが、その慢性炎症が原因で遠隔臓器に障害をもたらす病態です。
日本では病巣扁桃や歯科病巣・慢性副鼻腔炎など無症状の病変が発症に関わることが多く、推測される病巣感染巣を治療することにより掌蹠膿疱症の皮膚症状は1~2年の早期に治癒または軽快することが考えられています。
金属アレルギーとの関連が昔から考えられていましたが、歯科などの金属の除去のみで掌蹠膿疱症が軽快した例は数%しかない、という報告が最近なされ、歯科金属除去の際の歯の感染病巣の治療による効果が大きいのではないかとも考えられています。

生活指導や治療として 推奨度Bで薦められるものとして、 *禁煙(喫煙者の場合) *歯科感染治療 *扁桃摘出術
*ステロイド外用 *ビタミンD外用 *ステロイド・ビタミンD合剤外用 *シクロスポリン(免疫抑制剤)内服 *トレムフィア(生物学的製剤)注射剤 が挙げられています。したらビタミン

ビタミンDの塗り薬はIL6/8の産生を抑制することで好中球の遊走を抑え、膿疱の形成を抑えることが考えられています。合剤はステロイド単独外用に比べて水疱・膿疱への改善率が高く、皮膚の角化かリンセツ(かさかさ皮むけ)を早くに改善する傾向がわかっています。
このことから初期療法としてはステロイド+ビタミンD合剤を外用し、軽快したらビタミンD単独外用へ切り替えることが薦められています。

皮膚のみを治療するのではなく、掌蹠膿疱症の10~30%に発症する胸鎖関節炎や脊椎炎を見逃さず、場合により整形外科と連携しながら患者さんのQOLを下げないことも大切です。
今後もまた最新の情報を吸収していきたいと思います。


実家の高齢両親のヘルプや、義母の通院や入院など、子育てが終わってきてもそれなりに忙しい50代です。実家で洗濯や掃除をしてくると自宅では疲れて“もうやりたくなーい”と思ってしまうのが歳とってきた証拠です…
実家からの駅までの帰り道の夕空を眺めていると、実家にいた子供時代の気持ち、妊娠中里帰りしていた時の気持ち、この夕空を見ながらいろいろ考えていたなーと思い出します。 思春期には将来の心療内科医の夢を胸に秘めながら、妊娠時は子供を授かった幸せと無事に生まれることを願いながら、この道をこの夕空を見ながら歩いていたことを思い出し、今の自分の幸せを改めて実感します。もっと先にある自分の親を助ける未来像までは考えていなかったですが、いつかこの今の帰り道も、後から懐かしく思い出すことになるのかとも思います。
いろいろ両方の親から学ぶこともありますが、出来る範囲でできることを続けていこうと思います。

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