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獣肉アレルギーについて

秋は学会シーズンです。地方の現地に行かなくてもウェブ講演でも先生方のお話を聴ける時代になって有難い限りです。毎日のように各メーカーさんの各先生方の講演会があり時間とタイミングで選ぶのも大変なくらいですが、どちらにせよ聴く側にとっては有難い時代です。

昨日久しぶりの外食で焼き肉屋にてお肉を堪能させていただきましたが、その際に“牛肉アレルギー”のことを思い出しました。
以前雑誌で読んだ思いもかけないアレルギーの一つに“獣肉アレルギー”があり驚きましたが、最近詳細が分かってきたこの“獣肉アレルギー”に関して、加古川医療センターの原田先生や島根大の千貫先生の論文を日皮会誌にて読みました。

獣肉アレルギーの主要抗原はα‐Gal(ガラクトースα‐1,3‐ガラクトース)であり、α‐Galへの感作とマダニ咬傷の関連が確認されています。また、α‐Galの他にも、ネコの感作によるpork-cat syndrome、コラーゲン抗原による肉・魚アレルギーなども報告されています。

α‐Galへの感作経路としては、数回のマダニ咬傷との関連が考えられていて、数回のマダニ咬傷により、マダニ唾液腺中のα‐Gal含有たんぱくに対するIgE抗体を産生することで発症する、一種の経皮感作による食物アレルギーと考えられています。地方の山の麓などで生活をしている方が犬など飼育し、屋外でマダニが犬の皮膚に付着し持ち帰ることにより飼い主のヒトが複数回咬まれることにより発症すると考えられます。

pork-cat syndrome とは、ネコ上皮の血清アルブミンであるFel d 2 に経気道的に感作されたあと、交差反応によって豚肉・牛肉などの摂取時に生じる症状です。ネコ以外にハムスターやイヌの感作の症例も報告されています。動物の毛の経気道感作以外にも、アトピー性皮膚炎や手湿疹の併存、トリマーなどの職業などの例もあるため、バリアの機能低下を生じた経皮感作を生じた可能性も考えられています。

マダニ感作による獣肉アレルギーは一度発症しても、マダニとの接触をさけることにより、牛肉や豚肉の特異的IgEが低下していき、治りうると報告されています。よかった~。

獣肉アレルギーの症状は、蕁麻疹は最も多く、次に口腔内腫脹、やアナフィラキシー(気分不快・嘔吐・血圧低下)も多く報告されています。場合によりエピペン所持も必要だと考えられます。

また、肉の摂取から発症までの時間が30分~長い方で7~8時間後、という例もあるので、何より、詳しい問診、またペットや動物との接触習慣、居住区などからまずは獣肉アレルギー疑うことが、何より大切だと改めて実感しました。現実的には7~8時間前のお肉摂取とアナフィラキシーや蕁麻疹は結び付けにくいと思います。このアレルギーを知っておくことが重要だと思いました。

 

今日娘達の学校の文化祭があり、一人の娘の演劇部の発表を見に行きました。普段、家での思春期プチ反抗期姿とは異なる姿をみて子供の成長を感じました。子供って親以外の先生方や、友人仲間、素敵な先輩、様々な経験のおかげで育っていくのだとしみじみ思います…

実家の実母は認知の症状がすこしすすみ時間の感覚やリハビリからの帰宅時に父を認識できなくなったり、自宅でもソファーで寝てることが増えてきました。ずっと一緒にいる父の苦労は想像以上かと思いますし、できるだけ自宅にいたいという二人の気持ちも十分分かります。
正解はないと思いますが、帰宅途中今後どうしたらよいのかすこし気持ちが暗くなります。どうしても母と将来の自分、今の自分と将来の娘達、を重ねてしまうと何となくもの悲しくなります。
いろいろ感じながら母と父から学んでいきたいと思います。後悔のないように毎日できる範囲で。

 

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