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肝斑について

3月が近付き、マスクを外す時期も近い未来になってきました。今までマスクでいいかーと思われてきた顔のシミもご相談受けることが多くなってきました。特に40~50代の方の両頬の薄い褐色斑である”肝斑”がよくなるだけでも見た目がだいぶ変化します。
今月購入の美容皮膚科雑誌に、美容皮膚科レーザー加療で著名な山下理絵先生(湘南藤沢形成外科)の肝斑治療に関する論文が掲載されていました。

まず肝斑には
A型肝斑(真の肝斑):頬、額、鼻下に不明瞭な茶褐色斑が存在し、病理の本体は表皮の基底層・表皮の上の角質細胞内にもメラニンが増えています。

B型肝斑:肝斑がベースにありさらに洗顔やマッサージ、化粧などにより慢性的な刺激による色素沈着が混在するもので、病理の本体は表皮の基底層の変性とメラニンの増加、さらには表皮の深部の真皮にも少量のメラニン産生メラノファージや炎症細胞・血管拡張がみられます。摩擦によるこれら炎症の像と皮膚バリア機能の低下が特徴です。

A型・B型肝斑ともにまずは内服治療:シナール+トランサミン+ユベラ がファーストステップ加療になります。
セカンドステップ加療として、

A型:Qスイッチヤグレーザーを使用したレーザートーニング
B型:内服で茶褐色斑は軽快し、赤み・毛細血管のほうが優位となるので、2波長(532nm,1064nm)ロングパルスレーザーを3~4週間ごとに2~5回照射

が代表的な治療となります。

B型肝斑ではメラニンだけでなく毛細血管の治療が必要ですが、レーザートーニングだけでは赤みは消せないため2波長ロングパルスレーザーを4~5回照射することがすすめられます。

従来は肝斑は通常のシミレーザーで悪化させることが言われていましたが今は多種のレーザーで肝斑もよくなる時代となりました。肝斑がなくなるだけでマスクを外した顔の印象はだいぶ変わりますので男女問わずあきらめないで加療するのも良いですね。

そして悪化予防のためにも毎日の生活の中でも遮光と摩擦は常に気を付けていきたいと思います。

 

先日大学時代のテニス部同期が2人が教授に就任するということで11人久しぶりに全員集まりました。大学時代のあれやこれやの話だけでなく、今現在の教授にすでになっている子からの苦労やアドバイスや、教授に就任してこれから医局を引っ張っていく意気込みや熱い思いを皆で共有することが出来ました。 ずっと大学で残って学術的な研究臨床をおこなっている同期、一般病院の責任伴うトップになっている女性の親友の話も聞けて、気持ち新たに頑張る活力となりました。男女ともみな家庭を持つ家庭人ですが、みな家庭を大切にしながらまじめに医療人として活躍する姿に良い影響をもらいながら、でも気を遣わずに言いたいことを気兼ねなく言い合える同期はいいなあ~。改めて忙しい中集まった皆に感謝しました。

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