フェムゾーンの美容医療について
マスクも外す時間も増え、4月からの新生活を楽しみにしていらっしゃる若い患者さんに接すると春がきた喜びとともに嬉しくなってきます。ニキビの治療や顔のいぼや稗粒腫治療で来院される方も増えてきました。
美容皮膚科雑誌“ベラペレ”の特集で慶田朋子先生(銀座ケイスキンクリニック)・関口由紀先生(泌尿器科 女性医療クリニックLUNA理事長)・川島眞先生(東京女子医大皮膚科名誉教授)のフェムゾーンに対する美容医療を読みました。
近年VIOのレーザー脱毛をされる方も多くなり、脱毛後に自分のフェムゾーンの変化に気が付き受診される方もいらっしゃるようです。外陰部の黒ずみやたるみなど外観上の変化や、外陰部のかゆみ・乾燥・いたみ、また頻尿・尿漏れ・再発性膀胱炎など、主訴は様々で、2014年からは閉経関連尿路生殖器症候群(GSM:genitourinary syndrome of menopause)と提唱されています。関口先生によると、閉経後女性の約50%が何らかのGSMの症状が認められるそうです。外側の大陰唇はたるみ、内側の小陰唇は肛門部位から徐々に短くなり、最終的には消失していきます。前側にある陰核(クリトリス)は徐々に奥まって閉じていきます。また、尿道口は本来は縦長に締まっていますが徐々に丸く変形し、尿漏れなどの症状をおこします。日本人女性は欧米人にくらべセクシャルアクティビティを行う方が少ないため、GCMに悩む方がまだ少なく、少し痒みが出ても市販薬を外用したり、自主的な骨盤底筋トレーニングを行っているのが現状です。
とはいえ、私たち皮膚科医がご相談を受けた際は以下のような皮膚疾患を除外することが大切です。
性器ヘルペス、梅毒(扁平コンジローマ)、ボーエン様丘疹症、尖圭コンジローマ、
硬化性萎縮性苔癬、女房外パジェット病、有棘細胞がん、
亜鉛欠乏性皮膚炎、固定薬疹、扁平苔癬、乾癬、
外陰部カンジダ症、股部白癬、紅色陰癬
外陰部皮膚掻痒症、脂漏性皮膚炎など
黒ずみに関しては、50歳ごろまでは女性ホルモンにより黒くなるのが正常で年齢とともに徐々に薄くなってきます。慶田先生はそれでも気になる方に対して、ピコレーザーによるトーニングを3~4回程度、以降3か月ことにメンテナンス、関口先生は弱いモードのフラクショナル炭酸ガスレーザーにて治療されていらっしゃるそうです。すこしでも薄くなる治療があるようだと心強いですね……また、50歳以降の黒ずみの原因は主に痒みや炎症後の色素沈着が多いそうなので、摩擦を徹底的にさける、かぶれを早く治す、なども大切だそうです。
また、おりものの汚れを気にするあまり肌に合わないシートを毎日使用しかぶれてしまったり、過剰な清潔志向による洗いすぎもトラブルのもととなります。何となく触れるのは怖いと思いがちですが、関口先生によると、入浴時など清潔な時に膣に指を入れて触ってみる、指を入れて指を締めるようにしてみる、中の筋肉を押してほぐすこともお勧めだそうです。
GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)に対して普段のお手入れとして、保湿と骨盤底筋トレーニングが重要だそうです(関口先生)。
保湿に関しては、まずは全身用保湿クリーム、効かなければ膣専用保湿剤、さらに効果不十分な場合は性ホルモン入りのオイルやクリームがすすめられます。塗る場所は、大陰唇~小陰唇のほか、膣の前方と、膣内部(指の第一~第二関節入るくらいまで)です。
骨盤底筋トレーニングとしておすすめが、“指を膣に入れ、指を締めつけて持ち上げるように膣と尿道をギュッと締めます。ギュッと締めて息を吐きながら上にグーっと持ち上げ、5秒そのまま、その後リラックス” これを10回繰り返しです。
また、膣のゆるみに対してはHIFU(ハイフ)やEr:YAG(エルビウムヤグ)レーザーが、閉経後の萎縮性膣炎に対してはフラクショナル炭酸ガスレーザーが皮膚粘液を増やして皮膚浅層をふっくらさせるそうです。
今は様々な美容医療器具により、顔だけでなくフェムゾーンの悩みまで治療できる時代になったことがすごいと感じる一方で、恥ずかしいことと蓋をせずに、正しい知識をもった上で自分自身のフェムゾーンに関心を持ち続けることも大切だと思いました。
先月は実家の両親のヘルプが増え、子供たちの春休みや行事のお付き合いがあり、自分の運動時間が減ってきたなあ、と思っていましたが、案の定、急に首肩が痛くなり、関節がかたーくなってきました。 これはまずい、と今日は早起きして朝から久しぶりにホットピラティスを1時間しただけですが、股関節がスムーズに、首の痛みも軽減。やはり、運動は何が何でも続けねば、と改めて感じました。
母のショートステイを申し込むのにも少しだけ父にも気を使い、施設にも気を使い、ケアマネさんの意見を聞き……
姉とこの思いを共有できることが唯一救いです。今の自分自身でも分からない少し揺れ動く親への気持ちを、自分の娘たちも将来感じてしまうのかしら、などと考えてしまうともう、娘達にも何も言えなくなってしまいそうです。
考えても100%正しい正解はないと思い、あまり深く考えすぎず、毎日毎日を、真面目に仕事と運動を続けながらその他は “ケセラセラ” で過ごしていきたいと思います。
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