« フェムゾーンの美容医療について | トップページ | 腋窩多汗症治療のためのワークショック »

酒さ様皮膚炎や口囲皮膚炎、また酒さとニキビダニについて

長いマスク生活やこの春の多かった花粉や黄砂の影響により、顔の肌荒れ・バリア機能低下の方が多かった今春です。痒みやあかみ・ニキビ様の赤い丘疹が見られたり、長くステロイドやプロトピックを外用していた方の中には顔全体に赤みや赤い丘疹・膿疱が見られる“酒さ様皮膚炎”となっている方がいます。
同じく口の周りに赤い丘疹や膿疱ができる"口囲皮膚炎”はステロイド外用歴がない方にも生じます。
現在で分かっている研究や実際の治療について記載のある、東京女子医大の福屋康子先生のマルホセミナーの記事を読みました。

酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎ともに抗生剤の内服が有効であることより、原因として細菌の関与が考えられますが、いわゆる感染症というわけでなく、細菌は炎症を誘発する因子として働くのではと考えられます。つまり、細菌の増殖(+ほかの因子)により何らかの機序を介して炎症が引き起こされると考えられています。

福屋先生によると、
もともと体質的にある細菌を保有 または、 どこからか定着しステロイド外用で細菌が増殖して発症。
⇒ ステロイドやプロトピックを外用している間は抗炎症効果で、症状が抑えられ、軽快しているようにみえる
⇒ 外用を続けると細菌はさらに増殖
⇒ 外用を中止すると炎症は一気に進み、皮膚症状は悪化
⇒ 抗菌剤を開始すると、細菌が減少するまで時間がかかるために炎症は少し長引くが、細菌が減少すると炎症も徐々に軽快

酒さ様皮膚炎は、ステロイド外用を行うすべての人に生じる訳ではないため、トリガーとなるような細菌の保有や、自然免疫機構の異常などの体質的要因があるのではと考えられています。確かにステロイド外用している全ての方に生じてはいないような気がします。

一方、以前から、ステロイド外用歴の長い方や、外用歴のない方でも、顔の血管拡張系の赤みやニキビ様の丘疹のあるいわゆる“酒さ”の方とニキビダニとの関連が指摘されてきました。
田邊 洋先生(天理よろづ相談所病院)の論文によると、顔の毛包脂腺に寄生するニキビダニ(毛包虫)は、一定数では病的害は起こさず、むしろ脂質の分解や真菌・細菌の貪食を通じて皮膚常在菌の恒常性を保ち皮膚の健常化に役立っているため、無症状の皮膚ではニキビダニを治療する必要はありません。
顔の赤みや毛細血管拡張・膿疱が特徴の"酒さ”の方では、通常の方に比べてニキビダニの有病率が高く、70%といわれています。
過剰なニキビダニの増殖は毛包や皮脂腺の閉塞させて皮膚バリア障害を生じます。
酒さの方は皮膚が過敏になり皮膚バリアが低下していますが、これにもニキビダニの増殖が関連しています。
ニキビダニの増殖を防ぐには、一番は適切な洗顔、適切で新しいスキンケア商品や清潔な化粧パフの使用、むやみに触らない、などが挙げられます。当たり前のようですが、多忙でストレスフルな日々のなかでは気をつける重要な事項です。

ニキビダニ増殖に伴う"酒さ”の治療としては、テトラサイクリン系抗生剤の内服・メトロニダゾール(ロゼックスゲル)外用やイオウカンフルローション外用(カサカサしない程度に上澄みのみ)などが挙げられ、有効性も高いです。スキンケア製品ではアゼライン酸入りの製品などもすすめられます。この1年くらいで酒さの赤みにも有効なロゼックスゲル(メトロニダゾール)が保険適応で処方できるようになり(ゆっくりとジワジワ効いてくる)少し治療の選択肢が増えてきました。
単なる"ニキビや肌荒れ”ではない"酒さ・酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎”の情報を今後も集めていきたいと思います。

 

認知症の実母の今後のケアを考え、姉と一緒に何か所か有料老人施設の見学にいっています。二人の行きやすい場所で実際の入居者の方々の様子を見て母の姿をイメージできる場所、都会でも毎日のダイニングからお庭の緑が見える場所、など実際見に行くと良くわかります。今はスタッフも皆さま若く明るく、お元気な方も多く入居されていらっしゃる様子で、どこも穏やかな明るいイメージです。
ずっと母と過ごしてきた父の思いや体調も考えながら、私たち自身の生活や体調も上手にバランスをとるのは難しい限りですが、姉と思いを共有しながら相談しながら考えられるのは有難いと実感します。現実には一人ですべて背負うのはなかなか大変です。

親たちのヘルプをするためには自分たち自身の体力と気力が重要です。
引き続き有酸素運動で体力を、出来ればヨガなどでストレッチ、あとは毎日前向きに仕事をすること、を引き続き心掛けていきたいと思います。

高校生になった娘達はまあまだ日々機嫌は変わりますが、よく喋るときはうるさいほど喋ります。ついつい色々親としては言いたくなってしまいますが、SNSで高田純次さんんがおっしゃっていた事をなるべく心掛けるようにしています。
高田さんが、若者に対して気をつけていること=説教をしない・自慢話をしない・昔話をしない
案外難しいことです。特に相手が自分の子供だと…。 でも高校生になると徐々に反抗期も過ぎ、少し大人として冷静に対等に関係を築いていく、ということを今年の目標にしたいと思います。

 

 

« フェムゾーンの美容医療について | トップページ | 腋窩多汗症治療のためのワークショック »