わかりにくい膠原病:皮膚筋炎について
50歳前くらいから夜洗顔後や起床時に瞼だけ赤くはれることが多く、乾燥もあるのかと年齢を実感します。
瞼が赤くはれる皮膚疾患として忘れやすい疾患が、膠原病の一つ、皮膚筋炎です。
皮膚科学会雑誌の最新号に金沢大学松下貴史先生の皮膚筋炎についての論文が掲載されていましたので改めてチェックしました。
骨格筋を障害する自己免疫性筋炎である"多発性筋炎”の中で、筋肉の症状に加え特徴的な皮膚症状を伴うものを"皮膚筋炎”と呼びます。特徴的な皮膚症状とは、
ヘリオトロープ疹:うわ瞼の紫紅色の浮腫性紅斑
ゴットロン丘疹:手指の伸側の紫~赤い丘疹
ショールサイン:背中上方~肩の紅斑と線状の掻把痕
Vサイン:首前面~胸上部の紅斑
また、筋症状としては、近位筋(体に近い方の筋肉)障害が主で、腕が挙げにくい・階段が登りにくい・椅子から立ち上がりにくい などの症状が出てくることや、筋肉自体の痛みも出てきたり、重症例では嚥下障害も伴います。
また、30%~40%に間質性肺炎を合併し咳・息切れ・呼吸困難などが現れ、一部の症例では急速進行性間質性肺炎を合併して死亡率が高くなり、早期に発見・加療が重要になってきます。
皮膚筋炎では通常の膠原病で陽性になる抗核抗体は陰性になってしまうことが多く、代わりに皮膚筋炎に特異的な抗体が近年判明してきていて、特にその抗体の種類により予後良好・間質性肺炎が急速に進行してしまうタイプ・高齢者で悪性腫瘍が合併されやすいタイプ などと特異的な抗体により早期の治療が可能になり、今までだと予後不良であった方も救命できるようになってきました。
東海大学リウマチ内科の佐藤慎二先生の記事によると、実際の臨床では、皮膚筋炎といっても筋肉症状がない方も、肺症状がない方もいて、逆に多発性筋炎の中には皮膚症状がない方、また筋肉・皮膚症状が目立たず呼吸器症状だけが出る方など、一つの症状が目立って他の症状が目立たない場合は見逃されてすり抜けてしまっている可能性もあります。一番重篤な急速な進行性間質性肺炎を見逃さないためには、必要な場合は判明してきたそれぞれ特異的な抗体を測定するなど、まず疑うことが重要です。
具体的には、若い方で明らかな原因がなく間質性肺炎を併発している場合は膠原病の可能性があり、特徴的な皮膚症状や近位筋の症状がないかどうかを問診し、必要であれば抗ARS抗体・抗MDA5抗体を測定することがすすめられます。特に抗MDA5抗体が陽性の場合は80%に急速進行性間質性肺炎が合併するため早期の強力な加療が必要となります。この予後不良な抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎の場合は典型的な皮膚症状に加えて、手指の内側の赤い丘疹(逆ゴットロン)や手指の皮膚潰瘍が特徴です。
このような予後不良な皮膚筋炎の症状のみでなく、通常の典型的な皮膚筋炎の皮膚症状をも皮膚科医として見逃さないことが大切だと改めて感じました。マブタの浮腫性紅斑・手指の赤い丘疹・背中や首胸の紅斑など一見見過ごしやすい皮膚症状から時には皮膚筋炎を考える必要性があると思いました。
2学期が始まり、高1の娘の一人は男子校の文化祭に行きまくっています。わざわざ制服のセーラー服を着ておシャレして気合い入れていく姿をみると思春期の生命力パワーを感じます。男の子と仲良くなりたい時期ですね、JK生活をenjoyしていて何よりです。
夏休みの担任面談で、家庭が100%心を許せる場であるか、心を100%許せる友人がいるか、などのアンケートの結果を先生が教えてくださり、普段知ることができない思春期の娘たちのことが少しだけわかりました。それぞれの娘たちが親の遺伝子を受け継ぎ、父・母の似ている面をそれぞれ受け継いでいるなあ、と思います。一人は友達といつもワイワイとするのが大好き、一人は友達もいるけど一人の時間がないと疲れちゃう、一人が好き。双子でも違っていて面白いです。
実家の母は施設に入所して一か月経ち、時々姉と交代で面会にいっていますが、かろうじて私たち娘たちのことはまだ分かり、行くとすこし喜んでくれます。入所前は朝にも夕方にも帰らなきゃ、と徘徊がありましたが、今は周りにスタッフの方々の目があり、それだけでも安心です。
少しずつ今の生活に慣れて穏やかな毎日になるといいと思います。
父は実家に一人ですがほとんど食べられず、唯一飲むことができる抹茶クリームフラペチーノを相変わらず姉と交代で持っていっています。終活にむけていろいろ自分のお葬式についての希望も考えるようで、その終活の様子はとても参考になります。とにかく穏やかに苦痛がないように過ごしてほしいと思います。元気いっぱい娘達を連れていくと、"その若さ生命力を少しでいいから分けてほしい” "アタシもホントにわけてあげたい”と冗談を言い合っています。本当に、アンパンマンのように少しでも分けてあげられればいいのですが、その生命力は対比的でなんともいえない気持ちになります。
人生あっという間、やりたいことをやれるうちにやったほうがいいですね…
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