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アトピー性皮膚炎の抗体製剤 "アドトラーザ” 講演会

1月に入ってから早速様々な講演会や勉強会が行われています。先週末はアトピーの注射製剤"アドトラーザ”の発売記念講演会があり、中原先生(九州大学)・山中先生(三重大学)のご講演を聞きに行きました。

アドトラーザは、アトピー性皮膚炎の病変部と非病変部にも過剰に発現しているIL13(インターロイキン13)を抑制する抗体製剤で、2週間間隔で皮下に注射します。使い方はIL4/IL13の両方をブロックする"デュピクセント”と似ています。デュピクセントと異なることは、IL13のみに特異的に結合して働きを抑える点です。

IL13は皮膚の角質細胞の皮膚バリア機能を低下させ、抗菌タンパクも低下させ、さらに角質細胞からの炎症サイトカインの産生を増強させてアトピー性皮膚炎の炎症に大きく関与します。
IL4は主に中枢で機能するサイトカインであるのに対して、IL13は主に皮膚局所などの末梢で機能するサイトカインということがわかっています。

アトピー性皮膚炎のほぼ全例でIL13遺伝子の過剰発現が認められるのに対して、IL4はアトピー性皮膚炎の皮膚の40%に認められることがわかり、IL4は発現量は限定的と考えられます。またIL13と特異的に結合する受容体は、皮膚を掻くことによって増えることがわかっていますが、IL13はさらにこの受容体を増加させて炎症を増強させる という悪循環をつくると考えられています。

まとめると、IL13はアトピー性皮膚炎において ①皮膚バリア機能の低下 ②皮膚感染の増加 ③炎症 ④痒み ⑤皮膚の肥厚(苔癬化)を起こすと考えられています。特に炎症が長期にわたる慢性期にはIL4遺伝子の発現量が減少していくのに対して、IL13 遺伝子の発現量は慢性期にも上がり続けることが分かりました。長期にわたると皮膚が盛り上がり硬くなるいわゆる"苔癬化”の要因の一つと考えられています。

"アドトラーザ”は、長期に発現し増加し続けるIL13を抑制することで、長期に接種し続けても良い状態を継続できること、長期にわたり効果が下がらず改善率が維持されていること が特徴です。確かに最初は効果があっても長くなると効果が下がってしまう薬より、効果を維持し続けるということは重要です。

効果が持続することで、長期にわたるコントロールができること、デュピクセントに比べて結膜炎の副反応の出現が低いことが今のところ特徴です。山中先生はご使用経験から、アドトラーザは即効性(早く効く)もあるとお話されていました。

アトピー性皮膚炎すべて全例で全ての皮膚に過剰発現しているIL13にターゲットをしぼった"アドトラーザ”注射剤は今後長期にわたるコントロールに適した薬剤であると思います。また随時新しい情報を吸収していきたいと思います。

シリンジ型の注射剤を初回4本、2週間ごとに2本ずつ、腹部に皮下接種していきます。年齢は15歳以上のアトピー性皮膚炎の方に使用できます。保険が適応されますが、3割負担の方で、最初の月のみ52000円、翌月から35000円くらい注射代がかかります。また、新薬のためまだ今のところ自己注射ができず、通院で院内で打つことになります。

デュピクセントとの使い分けに関しても今後また情報を収集していきたいと思います。

 

1月もあっという間に過ぎ去ろうとしています。実家の介護生活がなくなり、自分の生活や仕事、運動に集中できる幸せを感じています。週2日のfeel cycleで汗をながし、空手も週一日だけ継続しています。 毎朝の弁当詰め(作る、というより詰めてるのみ)と仕事、睡眠と週末の運動であっという間の1週間ですが、今のところ健康でいることに本当にありがたさを感じながら野菜多めの食事と運動に留意しながら、あっという間の冬を乗り切りたいと思います。

女性誌や美容皮膚科の分野でご活躍されていた、滋賀県でご開業の美容皮膚科医 居原田麗先生が42歳の若さで今月御逝去されました。この3年ほど癌で闘病されていたことを女性美容雑誌でもご報告されていらっしゃり、ブログやインスタで闘病の様子も書かれていらっしゃいました。まじめで何より最後までとても美しく、何より闘病中も明るく前向きに、美容皮膚科の最新の分野にも、ご自身のご病気にも、4人のお子様への子育てにもまじめに真剣に生きていらっしゃり、本当に心を打たれていました。何より、本当に強く、美しいです。美しさとは見た目のみでなくその方の生き方や考えをもあらわすものだと居原田先生のSNSを拝見し今改めて思っています。もっと患者さんの美しさを上げる、その方それぞれの生き方を変える最新の美容医療情報を学び続けたかっただろうなと居原田先生の無念に思いを馳せると、私自身ももっと引き続き学んでいきたいと改めて思います。直接存じ上げませんが居原田先生を心よりお慕い申し上げます。ありがとうございました。

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