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慢性蕁麻疹の最近の知見

年末年始は千葉の義母に家族で久しぶりに会いに行ったり、運動したり、いとこたちと新年会したりと、ゆっくりと過ごしています。

11月の皮膚科学会雑誌の慢性蕁麻疹についての最近の知見(神戸大学・織田好子先生)を読みました。慢性蕁麻疹の患者さんは臨床的にも多く、最近の知見を興味深くチェックしました。

特発性蕁麻疹のガイドラインによると、抗ヒスタミン剤2倍量・もしくは2剤併用で効果が乏しい場合は、保険適応外ですがヒスタミン2(H2)受容体拮抗薬や抗ロイコトリエン薬を、さらに効果弱い場合はゾレア注射・少量ステロイド内服・保険適応外のシクロスポリン内服などを考える、となっています。ステロイド内服は一か月以上減量や中止の目途がつかない場合は他への治療への変更を検討する必要があるとしています。

ゾレア注射は蕁麻疹症状を抑制する効果はあるが、"治癒”までの期間を短縮する効果についてはエビデンスが乏しいとされています。
ですから、ゾレアの治療効果を予測することは大切ですが、報告によると
・自己血清皮内テストが陽性 ・血清中総IgEが低値 ・好塩基球が低値 ・好酸球数低値
は治療効果が乏しい予測因子とされています。

逆に、自己血清皮内テストが陽性であり、血清中の総IgE値が低い症例は、シクロスポリンが効果的と報告されています。

次に、広島大学の高萩先生・松尾先生・坂本先生の論文”刺激誘発型の蕁麻疹”について読みました。

クリニック受診の蕁麻疹の患者さんのうち特発性蕁麻疹が80%であるのに対して、刺激誘発性蕁麻疹は18%と報告されています。

刺激誘発性は、機械性蕁麻疹・コリン性蕁麻疹・寒冷蕁麻疹・温熱蕁麻疹・日光蕁麻疹・外来物質過敏症の部分症状としての蕁麻疹、に分けられます。刺激誘発性の特徴として、通常は2時間以内に消失すること(遅延性圧蕁麻疹は除く)、毎日規則的に皮疹のみが出没するのではなく誘因に曝露したときに限って皮疹が間欠的に出現すること、が挙げられます。
治療に関しても通常の抗アレルギー剤のみでは困難で、誘因への対処が必ず必要になってきます。

遅延性圧蕁麻疹はベルトや下着の圧迫部位や掌・足底・臀部など持続的な圧がかかったあと6~8時間後に皮疹が誘発され72時間(3日間)まで続くのが特徴です。圧の誘因を避けるのみでなく、単剤の抗ヒスタミン剤では効果が乏しく抗ロイコトリエン薬(シングレア)の併用やゾレア注射の有効性も報告されています。
また、発汗や運動・辛い食事などでチリチリする強い痒みを生じるのが特徴的な"コリン性蕁麻疹”では、全身性の無汗や減汗を伴う減汗性コリン性蕁麻疹を考えることが必要です。
治療ですが、通常のコリン性蕁麻疹では抗ヒスタミン剤は40%の方しか効果が得られないといわれており、やはりゾレア注射は抗ヒスタミン剤抵抗性のコリン性蕁麻疹患者さんの70%に有効であると報告されています。減汗性コリン性蕁麻疹では、抗ヒスタミン剤の効果が乏しい症例に対して疼痛やうつ熱症状が強い場合はステロイドパルス療法が考慮されます。

慢性蕁麻疹といっても種類も原因も治療もまちまちで奥が深いものだと改めて実感し今後も新しい情報を集めていきたいと思いました。

 

母が入所し父が亡くなったあと誰もいない実家の片付けに度々行きますが、時間があるときは徒歩30分くらいかけて早ウォーキングをするようにしています。高齢者向けの身体活動ガイドラインでの推奨量を歩数に換算すると、6000歩以上になるそうです。
ウォーキングは誰にでもできる有酸素運動といわれています。FEEL CYCLE で楽しく45分の有酸素運動を、普段の生活の中で早ウォーキングでも少しでも多く有酸素を心掛けていきたいです。本当はこの上に筋トレなどの無酸素運動やヨガやストレッチなどの柔軟性運動を追加できると理想だと思いますので、今年はどちらかをまずは追加していくことを目標にしたいと思います。
また今年は専門医ポイントもまたとらないとならないため、日曜日参加できる学会をできるだけ参加し、いろいろな最新情報を集めていきたいと思います。

 

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