アトピー性皮膚炎の新治療 ”イブグリース” について
先週日曜日にアトピー性皮膚炎の新しい注射剤"アドトラーザ”の全国講演会があり、全国のアトピー性皮膚炎で著名な先生方のお話をききました。(佐伯秀久先生、常深祐一郎先生、乃村俊史先生、加藤則人先生、井川健先生、上出良一先生、鎌田昌洋先生、中原剛士先生、石氏陽三先生、益田浩司先生)
イブグリースはデュピクセントやアドトラーザと同じように、アトピー炎症に関与するIL13に結合しその先の炎症シグナル伝達を阻害する注射剤の薬です。
他の2剤(IL4.13を抑えるデュピクセント・IL13を抑えるアドトラーザ)との比較では、
・IL13への結合親和性が高いということ
・半減期が21日と他に比べ4倍長いこと
・初回と2回目に2本投与することより痒みや炎症を改善する効果が早く表れること
・4週目から、通常2週間ごと投与か、4週間ごとの投与か、投与間隔を選べること
と、すでにある他の2剤の足りない点をカバーできる薬剤であり、効果が期待されています。
半減期が長いことより、4週間間隔の投与でも効果が期待できることは大きな利点です。
また、デュピクセント治療時にまれに出るような顔の紅斑の副反応がほとんど見られないことは、アドトラーザにも共通であり、IL13のみ抑制するからだと考えられます。
痒みに関しては、治験で4か月目までは2週間隔の方が4週間隔よりも抑制効果が高かったそうなので、できれば4か月目までは2週間隔の投与を続け、4か月以降に2週か4週か間隔を選ぶと良いということでした。
また、初回だけでなく2回目まで2本投与するため、痒みに関してデュピクセント注射より効くのが少し早いですが、全体的な治療効果は4か月目まではデュピクセントと同じくらいであり、4か月目以降はイブグリースの方が効果が高いと報告されています。
また、万が一治療を中断したあとどれだけ効果が維持されるか、での比較でも、イブグリースが他の2剤に比べ2倍以上効果が高かったそうです。やはり半減期が長いためと考えられます。イブグリースはやめた後も効果が維持されすぐに効果が落ちないことも大きな利点です。
イブグリースが抑える、IL13は、痒みのもう一つの大きな要因であるIL31サイトカインにも関連し、アトピー性皮膚炎の"痒み過敏”の要因と考えられるため、かゆみもしっかりと抑えられることが期待できます。
とはいえまだまだ新しい薬剤ですので今後も情報を集めていきたいと思います。
4月が始まり、また新しい学年の始まりです。
娘たちの学校は皆大学受験をしなくてはいけないので、クラスも文理に分かれ、少しずつ高2っぽくなってきました。これから本当に大学受験のモードに徐々になってくるのかしら、まだまだ自覚が足りてない娘たちをみているとついつい口を出したくなり、今後もバトルが増えそうです……仕方ない。この1~2年は娘たちにパワーを消費されそうです。でもこれから出ていく世の中、大学受験くらいの荒波を自分の力で超えていってほしいと思います。
施設に入所している母は先月コロナに感染し、ベッド上にいることが多かったためか、足が急に弱り食欲も低下してしまいました。
今月姉一家と合同で母の誕生日会を予定していたので連れて出られるか心配でしたが、誕生日会当日の今日は幸い元気で、皆でのランチも思いのほか食べることが出来ました。孫5人も一緒に皆で祝ってもらって幸せだね。父もあの世で喜んでくれているかな。
親への心からの感謝の気持ちは、元気な時はなかなか分からず、いなくなったり弱くなってきて改めて実感します。
母も義母も1年後には元気でいるかどうか保証はない年齢ですので、改めてできる範囲で親孝行をしていきたいと思いました。
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