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小児アトピー性皮膚炎のデュピクセント治療について

11、12月は講演会が多く、先日も小児科医・皮膚科医を対象としたデュピクセントの講演会で福岡市立こども病院の皮膚科医長である工藤恭子先生のお話を聴きました。

デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の炎症のサイトカインであるIL4,IL13を抑制する生物学的製剤で、生後6か月から適応となります。

工藤先生のお話では、乳児期のアトピー性皮膚炎は1歳半で7割が寛解するといわれていますが、生後1~2か月でアトピー湿疹があると3歳時の食物アレルギーが7.3倍になり、生後3か月で湿疹があると半数以上の55%が卵白のRASTが陽性になると言われています。
乳児期の湿疹をしっかりコントロールしないと、高親和性IgEをもたらし、皮膚のみでなく他のアレルギー疾患を発症させてしまうことがわかっています。乳幼児期から、見た目も触覚的にもツルツルの状態に寛解導入することが大切です。

デュピクセントで治療すると4か月でIgE抗体が6割下がり、1年で8割も下がります。それにより、デュピクセントを継続すると食物アレルギーの症状は軽くなり、花粉症状も軽快することが分かっています。もともと気管支喘息にも適応があり喘息も改善します。
また、炎症や痒みのみでなく、低下した皮膚バリアを改善することにより皮膚の細菌感染症を9割へらすことがわかっています。

これらのことより、幼児期や思春期のアトピー性皮膚炎患者さんのうち、治療薬の外用を一日休んだだけでも再燃する方、顔や頭部・頸部の症状が重症の方、ニキビを合併する方、他のアレルギーを合併する方、中等度の炎症でも皮下に炎症がくすぶっている方 にはデュピクセントを考慮してもよいかといわれています。

現在、生後6か月からはデュピクセント、2歳からはオルミエント内服(JAK阻害剤内服)、6歳からはミチーガ(IL31阻害剤注射剤)、12歳からはイブグリース(IL13阻害剤注射剤)が適応になります。
それぞれの患者さんの背景に合わせて、きちんと情報提供していきたいと改めて感じました。

今週末は、福岡で行われるイブグリースの全国講演会に参加し、また情報収集してきたいと思います。

 

先日、高2の双子の保育園時代の幼馴染の男の子が、高校生ながら画家であり、賞をもらったということでママ仲間で国立新美術館に観にいきました。絵で生きていくの?と聞いたら “いけるとこまで絵一本で生きていきます!”と頼もしい言葉が… 同じ16歳でこんなに自分のやりたいことが決まっている彼がまぶしくて、成長がうれしくて。本当に凄いなあ。私も16歳の時、ここまで自分の未来に道を見出していたのかなあ。もちろん娘たちはここまで自分のやりたいことがはっきりとわかっていないだろうなあ、まあそんなものかしら、と思いながらも、赤ちゃんから知っている彼の成長を、おばちゃん達で一緒に祝えて私たちも幸せだね~と話は尽きず。
若さや希望に満ちた自信は周りも明るくさせてくれます。
娘たちもいつかそんな未来を見つけてくれると良いのですが…まだまだだろうなあ。成長を焦らず見守っていけると素敵な親なのでしょうが、現実にはなかなか理想の母親にはなれず…まだまだ私も発展途上です。

 

 

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