日記・コラム・つぶやき

蕁麻疹治療ガイドラインについて

いつのまにか三月に入りましたが、この数日は雨が冷たく寒い日々が続き体調も崩しやすくなったり、花粉症の症状もピークになりやすい3月です。
連日の温度差で蕁麻疹の方も多く、治療効果も個人差があり通常の抗アレルギーの飲み薬がなかなか効きにくい方もいらっしゃいます。昨年末の日本皮膚科学会誌に蕁麻疹ガイドライン2018が記載されています。
慢性蕁麻疹の症状は特定のものの原因よりも多数の因子の積み重ねがある閾値を超えることにより出現すると考えられています。
治療の最初の目標は、抗ヒスタミン剤の内服を続けることより皮疹の出現を完全に抑制することですが、その効果には個人差があること、効果が出るまでには数日(3~4日)かかることもあり内服を続けると週単位で症状が軽減することもあるので、1個の薬の効果は1~2週間継続して内服した後に判断することが基本です。症状が強く薬の効果がない場合は、まず薬の倍量や増量内服・他の抗ヒスタミン剤を併用したり、薬の服用時間を変更したりしてみます。さらに効果不十分の場合はヒスタミンH2ブロッカー(胃薬)や抗ロイコトリエン薬を併用してみます。さらには、ステロイド内服もしくは免疫抑制剤の内服や注射剤ゾレア(オマリズマブ)を考えます。
内服の効果があった場合、内服を継続し一定期間でないことを確認後に一日当たりの内服量を減量する、もしくは内服の間隔をあける、そして3日に一回内服で症状が出ないまで軽快したら一回内服オフにします。症状がなくなってから予防的に内服しておく期間に関しては、数日から1週間(4週以内、急性蕁麻疹の場合)・1か月(罹病期間が1~2か月の場合)・2か月(2か月以上の慢性蕁麻疹の場合)が勧められています。
つまり、まずは完全に症状が出ないように薬の飲み方、内服量、併用内服を考えて完全に蕁麻疹をコントロールすること、それ以降急にオフにしないでしばらく内服を続けることが勧められています。
毎日特定の原因なく蕁麻疹が継続する慢性蕁麻疹は不安にもなりやすく早期の治療が大切です。
発症してから1週間以内の早期に治療をスタートした急性蕁麻疹の方は慢性化することなく多くが治癒します。6週間以上症状が続いた慢性蕁麻疹の中で抗ヒスタミン薬のみで症状が抑えられない場合はその後も長期にわたり症状が継続していく可能性があり、やはり何より蕁麻疹症状が始まってからすぐ治療することが大切です。
本当にこの2日間は雨で寒い3月です。
我が家の受験生も全試験は一応終えてあとは私立の一校補欠待ちと私立2校と国立の結果待ちです。この1か月試験期間中は、思った以上に親も胃が痛くなる毎日で落ち着かないような、本当につらい一か月でした。普段胃痛も感じたことない私も時に受験を考えると胃が本当に痛くなる毎日でようやく最近になり結果どうあれ吹っ切れてきました。医学部はとにかく学科があった後に一次合格したらその後少ししてから二次試験があり、さらにその結果が1週間後、とかで経過が長く、その長さにうんざりしてしまいました。本人たちが一番大変だとは思いますが。今回は一次の学科を突破するので精一杯で二次対策(小論文・面接)が初めは全く不十分でした。後半の受験校は二次対策が少しできたおかげで少し自信もって面接も受けられたようで、結果はあまり望めないですが、よく頑張った、ということでとりあえずの今年の試験は終了しました。今週からは卒業旅行やフットサルやら遊びやら予定がギッシリで、新生活は駿台市ヶ谷校に入塾するのか晴れて大学生になるのか、ギリギリまだまだ分からない状態ですが、現役の今年の挑戦は一応終了です
本当につらかったな~親は初めての経験、中学受験と違ってこの長い受験期間、また来年もあるかもないかもと思うとまた胃が痛くなりますが、多少のことでは動じなくなっていくのかな、私も。このつらかった時期はひたすら地味にヨガで心を落ち着かせる時間が大切で、すべてを忘れられるヨガ時間に救われていました。
また結果はどちらにしろ、親も子も春から気分一新で新生活が始まります、とりあえず、また通常の生活にもどり、心穏やかに仕事に運動に勤しみたいと思います

アトピー性皮膚炎のデュピクセントについて

1月は雨も降らず乾燥が強い毎日で皮膚ものども乾燥しやすい最近です。
サノフィの担当の方がデュピクセントというアトピー性皮膚炎の新しい始まっている注射治療薬の市販後調査(実際使用してみたあとの副反応など)の結果をお知らせくださいました。
デュピクセントはアトピー性皮膚炎の炎症機序において重要な役割を持つIL4/IL13をブロックする薬剤です。IL4/IL13の働きを抑えることでアトピー性皮膚炎において減少しやすいフィラグリンの発現が改善することにより皮膚の肌質もよくなる傾向だそうです。
早期の段階で皮膚のかゆみが軽減し皮膚症状も改善するのが特徴で、治療開始4か月で約8割の方が50%改善、7割が75%、4割が90%皮膚症状(皮膚の範囲と重症度)が改善したという結果になりました。
痒みや皮膚症状がかなり軽減するとだんだんと外用薬を塗るのが面倒になってくることも予想されるのできちんと保湿・ステロイド・プロトピックなどを外用しながら皮膚症状がゴワゴワkからツルツルの寛解状態になるまできちんと外用も続けることが大切です。そしてこの寛解状態が6か月維持できれば一時中止、というのがガイドラインです。
アトピー性皮膚炎は繰り返す痒みがあると再燃しやすいため、痒みがない状態を維持できることは素晴らしいことです。
使用方法は初回に2アンプル(1アンプル300mg)皮下注射投与、その後2週間ごとに1アンプル300㎎を皮下注射していくもので、現在はまだ自己注射が認められていないため2週間に一回大きな病院(この近隣ではNTT病院など)に通院して注射する必要があります。
また、薬価は一本 8万1640円なので3割負担の方ですと自己負担が初回で約5万円、その後2週間ごとに2万5000円、ガイドラインの6か月継続すると約30万円(高額医療費制度を利用すると自己負担額は少し減少)となり、高額な治療費が若い方ですとネックになります。
今後自己注射が認められる可能性があるため通院の負担は軽減する可能性はあります。
肝心の副反応ですが、軽症のものでアレルギー性結膜炎の報告が最も多く点眼薬で加療して軽快する例がほとんどです。重症なものでアナフィラキシー症状や多形紅斑がありますが、ほとんどが内服の免疫抑制剤(シクロスポリン)からの切り替え後に生じているため、シクロスポリン後のフレアーアップ(急激な再燃)症状ではないかと考えられています。
ですからシクロスポリン内服をやめた後にデュピクセントをスタートするよりは少しシクロスポリンの減少と併せながらデュピクセントを開始することが良いかもしれないという報告もあります。
痒みや皮膚症状がかなり改善するという点では劇的な薬ですが、治療の対象となる方の見極めや始めるタイミング、やめるタイミングは実際使用していらっしゃる先生方の報告をまたチェックしていく必要があると思いました。
 
   先日、いつものヨガの先生の顔ヨガのレッスンを受ける機会がありました。もともと日本語という言語は顔の表情筋の20%くらいしか使用しなくても話せる言語だそうで、もともと顔の筋肉を使いにくい私達です。表情筋を筋トレするとリンパや血液の流れがよくなり、引き締まるのみでなく、なによりの美容効果があります。60分間みっちり顔の筋トレ講義をうけましたが、是非普段の生活で!と実践しようと思いましたが、いざホッとするタイミングというと電車に乗っているときなどになってしまい、周りの目がありできません 夜のスマホ時間や寝る前などにぜひ顔の筋トレ、継続していきたいと思いました
 
   昨夜は順天堂医局時の先輩3名と女子会で尽きない話を。アラフィフの先輩2名はシングルですので恋愛話に花を咲かせて仕事の話も少ししてあっという間に閉店の追い出され時間に。
お互いの性格がわかっている皆様の、年齢にともなう気持ちの変化をうかがっていると、私自身も1年ごとに変化する体や心の変化(=老いですね)を自分で穏やかに受け止められるような気がします。また色々教えてください~。
 
   高3長男はセンターも終わりいよいよこの1か月間がいろいろ入試期間です。親は関係ない、と思っていましたが、いざその場になると何となく落ち着かないものでした。
まずは受験票が無事つくかどうか、風邪をひかずに本番を後悔なく迎えられるだろうか、本人の体調・精神面をサポートできているだろうか、など色々心配になるものです。
本人は男子、ほとんどセンター結果にも動じず(自分の理想点には届かず、まあまずまずの結果だったみたいですが)、淡々と。
あんたの割にはまあまあだったんじゃない、しょうがない、要は二次試験だよ!と励ます ⇒ “別に落ち込んでないし”、 切羽詰まった本人の代わりに出願書類を出しに行ってあげる ⇒ “俺が親だったら本人にやらせる”(だったらやれよ~)、 初めての試験会場の行き方調べてあげようか ⇒ “どこまで過保護なんだよ”
この先長い人生、この大学入試の緊張感、試練や挫折、必要ですね。
親の私は今年の結果がどうあれ、万全を尽くした結果を冷静に受け入れること。精神的に成長した息子や友人の高校卒業を入試とは切り離して祝えること。これを目標に来月を落ち着いて過ごしていきたいと思います

アトピー性皮膚炎ガイドラン

あっという間に2019年新年が始まりました
年末の日本皮膚科学会雑誌にアトピー性皮膚炎ガイドライン2018が全文記載されていましたので、年始休みにようやくチェックしました。
一般から公募した質問ポイントについての推奨エビデンスが掲載されていました。
・ 皮膚炎が軽快した後のステロイドの減量法として、同じランクの薬の外用頻度を減らすのと、ステロイドランクを下げて連日外用するのとではどちらが良いか?
 ⇒ 同じランクを頻度を減らす方が良い。
外用頻度を減らす治療として週2~3回のステロイド外用を一定期間行っても副作用の危険性が増加しないことが確認されているため、1週間の外用回数を減らして継続することが推奨されます。
・ステロイド外用薬の眼周囲へ使用は眼合併症リスクを高めるか?
 ⇒ 白内障に関してはリスクを高めない、緑内障に関してはリスクを高める。
白内障に関しては顔面皮疹の悪化や掻破・叩打行動を繰り返すことによると考えられていますが、ステロイド外用治療後の緑内障の症例は多数報告されているため弱いステロイドを少量使用する分には問題ないと考えられます。
・ 妊娠中・授乳中の食事制限は子供のアトピー性皮膚炎発症予防に有用か?
 ⇒ 母の食事制限は子のアトピー予防に有用でない。
米国小児科学会で妊婦さんのアレルゲン除去は生後18か月(1歳半)までのアトピー発症予防には有用でなく妊娠中の食事制限が胎児の発育を妨げる可能性も報告されたため、妊娠中の食事制限はアトピー発症予防には有用でないと考えられます。
・アトピー性皮膚炎にイソジン消毒が有効か?
 ⇒ アトピーの原因に感染が関与していると考えられる症例では補助治療として考えられることもありますが、黄色ブドウ球菌の減少は石鹸洗浄と変わらないという報告があり、副作用としてびらん面に対する刺激による皮膚炎悪化、接触皮膚炎かぶれも生じうるため医学的な根拠は乏しく、基本治療では治療が困難でその原因として感染の関与が考えられる症例にのみ補助的加療として考えられます。
・ブリーチバス療法はアトピー症状の抑制に有効か?
 ⇒ 次亜塩素酸を溶解した風呂に入浴するブリーチバス療法はアメリカなどで有用性が報告される。アトピーの治療として黄色ブドウ球菌の除菌による様々な治療効果を比べた結果では優位に病勢を改善させたのはブリーチバス療法のみであった。感染の関与が考えられる症例にのみ補助療法として考えられますが、国内では実際に行われる治療指針は無く今後の検討が必要であります。
単純に考えると次亜塩素酸自体でかぶれそうな気がしないでもないですが。
 他は従来通りのプロトピック(免疫抑制)外用やネオーラル(免疫抑制剤)内服の安全性や、プロトピックやステロイド外用のプロアクティブ療法(軽快しても週3日ほど外用を継続して再燃を予防する)の内容で大きな変化はありませんでした。
よく患者さんご自身からも質問をうけることも具体的に推奨度が記載されており、現実的なわかりやすいガイドラインだと思いました。
長いガイドラインですが今後もじっくり読んで改めて治療法や病態についてチェックしたいと思います
  年末年始は普段通うジムもすべて休みで否応なく自宅にいる時間が多く、普段やらずに逃げてきた雑用が自分なりにすべて出来ました。
娘たちのたまりにたまった放置していた塾のプリント類を一日かけてファイリングすることもできました。その分ずーと床に座りっぱなしで腰の痛くなること
本当に数日でも運動をしないと体の不調が出るお歳になってきてしまいました。
でも面倒くさいファイリングをしながら、その分気持ちも少し変わってきました。
今年は放置してきた娘たちの受験ともきちんと逃げずに向き合おうと思います整理はパワーと気力がないとなかなか出来ませんが気持ち新たになり本当にスッキリとしました。あとはご本人たちの自覚のみですがこれが一番大切でした。
まずは新年の目標、仕事では講演会や学会で日々更新される情報を得て患者さんに還元していくこと、熱意をもって患者さんに伝えること、家庭での目標は長男の(今年の!)大学受験が終わり、結果はどうあれ親として受け止めること、そして娘たちのの楽しい小学校生活のヘルプとともに幼い娘たちの中学受験を考えてあげること、個人のプライベートでは筋トレやヨガ、フィールサイクルや空手をバランスよく継続していくこと。最後に年老いていく4人の両親のできるヘルプを継続していくこと。
盛りだくさんのまた1年を丁寧に過ごしていきたいと思います

円形脱毛症の治療について

暖かかった11月が終わり、12月の今週から急に寒くなってきました。まだまだ寒さはこれからですね。
先日、円形脱毛症で時々通院してくださっていた高校生のお母さまから可愛いイラスト付きのお手紙をいただき、なかなか外せなかったウィッグがようやく外せて生活できるようになった旨のご報告をいただき心が温まりました。多くは語らず色々思うことはあってもじっと治療を継続してくださった素敵な親子でいらっしゃいましたので、本当にこの先ますます幸せになっていってほしいと本当の我が子のように感じています。
円形脱毛症について、ご専門の坪井先生(東京医科大学)と勝岡先生(北里大学)の御対談の記事を改めてチェックいたしました。
脱毛の面積が4分の1以下(25%以下)の場合は局所で起こっている免疫反応を抑制するステロイド外用、ステロイド局所注射が勧められます。局注は痛みを伴い深くに打つと皮膚萎縮や皮膚陥凹がでるため浅めに打つのがポイントですが、頭頂部や側頭部の脱毛斑には効果が高く、間隔を4週間空ける、浅めに打つ、ことに気をつければ選択肢の一つになります。
範囲が25%以上で軟毛がわずかでもありザラザラ感がある方では局所免疫療法が勧められます。SADBE 、DPCPなどの化学試薬を頭皮に塗って軽い接触皮膚炎(かぶれ)を起こさせ、円形脱毛で集まっていたリンパ球からかぶれの炎症のリンパ球の構成に変化させることで治す方法です。大学病院の脱毛症専門外来での治療になりますが、広範囲の脱毛症でも毛穴がザラザラ触れるような方ではかなり期待できる治療法です。
また、ミノキシジル(リアップなど)は市販になりますがメカニズムが全く異なりますが唯一の発毛剤で、円形脱毛症でも軽症例ではかなり有効な結果が報告されていますし、先天性の乏毛症の方には増毛効果が多く認められるそうです。
円形脱毛症は残念ながら再発することもありますので長期に経過をみながらその時々に適切な治療方法を判断していくことが大切だと考えます。
最後に円形脱毛症の局所免疫反応(自分の毛母細胞を異物だと認識して攻撃してしまう)にはJAKという酵素が働いて白血球が“誤作動”してしまうことがわかっており、そのJAKの阻害剤である“トファ二シチブ”という薬が円形脱毛症に有効という報告の検証がアメリカで進められています。もし検証されて実用化したら待望の治療薬です。
 あっという間に今年もあとわずかです。
高3受験生の願書取り寄せや受験料振り込みや願書提出がこの先続きます。とにかく失敗や漏れがないように親もやや緊張です、あとはとにかく本人ですが本人はいたって緊張感なくいつもと変わりなし。そんなものかな男子は
週一回習っているヨガの素敵な若い先生が今週は終了時に、こうして一時間ヨガに集中できる今の自分の環境にも感謝しましょう、と素敵なことを言ってくださいました。
確かにまずは今の自分の健康あってのヨガ、そして家族の健康。親が倒れたり子供が病気になったりしたら自分の予定がすべてキャンセルになってしまいます。
私がこうしてヨガやジムやfeel cycleや空手に参加して楽しめるのも家族の健康と理解、私のいないときにも支えてくれているクリニックスタッフ、そして先生やインストラクターや仲間の笑顔です。今自分の余暇に集中できるこの環境は、年齢とともに当たり前のようで当たり前ではないのかもしれないと思いました。
 そして昨日の幸せ。隣の住戸の素敵な綺麗な70代の奥様に、いつもお料理のにおいが美味しそうよ、忙しいのに偉いわね、とさらっと言われたこと。肉食の我が家のニンニクや自分の健康のために毎日つくる豚汁のにおい、しっかり隣戸まで匂いますよね~、でもさらっと褒めてくださったそのご婦人の一言がこんなに自分を元気つけるものだな~と思い、そんな嬉しい一言をサラッと言える素敵なご婦人になりたいな~と単純に思いました

関節症性乾癬について

11月に入り乾燥と気温の低下がみられ、乾癬の症状が悪化しやすい冬です。
先日乾癬の生物学的製剤の注射剤“コセンティクス”のマルホさんにコセンティクスが有効な関節症性乾癬(PSA)について勉強会をしていただきました。
乾癬の患者さんの、何人かひとりは関節症性乾癬、つまり、手足の先に近い関節に腫れや変形・痛みを生じたり、アキレス腱などの付着部に痛みや腫れがでたり、肘や肩、股関節の炎症痛みが出てきたりします。
この関節症性乾癬の原因は乾癬と同様にはっきりとはわかってはいませんが、
・免疫異常のが生じやすい遺伝的な要因
・外的な刺激(風邪、扁桃炎、冬、薬、飲酒たばこ、食生活など)
・内的な刺激(ストレスや肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病など)
が合わさって免疫の異常が生じ、主には“IL17”というサイトカインが異常に活性化して、乾癬の皮膚症状や関節症状(PSA)が生じていることがわかっています。
関節症状は知識がないと乾癬と結び付けにくく、関節症性乾癬(PSA)の診断までに平均3年半かかってしまうという報告もあります。
医師側も患者さん側もきちんとこのPSAについて知っておくことが必要です。
現在難治性の乾癬や関節症性乾癬の治療としてこのIL17を阻害する注射剤で自己注射できる薬が出ています。(日本イーラリーリリーのトルツ、マルホのコセンティクス)
自分で自己注射できる薬なので患者さんにとっては使いやすい薬です。針も見えにい構造で太ももなどにあてると自動で薬剤が注入される安全で使いやすい構造です。デモ器をお借りしましたがカチッと音のみ出ますが針が見えない構造で患者さんも打ちやすい薬です。副作用は鼻咽頭炎や風邪、頭痛などで特に重大なものはありません。
コセンティクスは一回2本(300mg)使用し、1週間ごとに5回注射、その後は月1回(4週ごと)に投与します。
3割負担の方で一回2本あたりが 43879円、1割負担の方で 14626円ですので薬価がかなりかかります。高額療養費制度や健康保険の付加給付を利用すると少しは戻ってきますが、それでも医療費がかかります。
その分効果はある薬剤ですので難治性の乾癬の方や関節症性乾癬の方には待望の薬剤です。
昔と異なり、乾癬はこの数年で生物学的製剤が各種登場し寛解状態を保つことができるようになってきました。副作用の少ない生物学的製剤も増えてきて自己注射もできる時代になり、あとは少し高額な治療をいつまで継続できるか、ということです。皮膚症状悪化時や関節症性乾癬の悪化時はこうした薬剤を使用してあとは通常の治療にもどすことが現実的かもしれません。
どちらにしろ、きちんと関節症性乾癬という病態の知識とコセンティクスなどの生物学的製剤治療の選択肢をお伝えする事が大切だと改めて感じました
先月たまたま時間が空き、いつものジムでヨガのレッスンを受ける機会がありました。毎週それ以降継続して習っています。
ヨガなどのゆったりした動きは合わないと思い込んでいたのですが、その時の自分の気持ちのタイミングとも合ったのか、若くて素敵な、しかも理論的でわかりやすいヨガの先生に1時間2~3人の少人数で教えていただくこの時間が大切です。
私自身も歳をとり、いろいろ感じ方も変わってきたんだな、いろいろやってみるものだと改めて実感しました。
feel cycleや空手の動きの大きい時間はそれだけで集中できますが、ヨガのゆっくりとした動きでは、本当に頭を無の状態にして行うことの難しさを感じます。先生のとても落ち着く素敵な声の下で少人数で集中できる1時間、終了時に“この穏やかな心が一時間でも長く続きますように”と言って下さるのですが本当に続いて欲しい~!と思いながら名残惜しく現実に戻ります。
まだまだカジったばかりですが出来れば続けていきたいと思います
受験生の長男は最後の志望校を決める模試を受けたりより受験生らしくなってきましたが、東京を離れて一年でも寮生活のある大学は受けない、などと言い出し、都会っ子!長い目で見て受けなよ~と親としては少し言っちゃうのですが、受けるのは俺!勉強してるのも俺!と口出せない雰囲気です。まあそうですね、本人ですね。この先長い人生、親の人生ではないし自分で決めて自分の責任で進んでいってほしい。不安にもなりますが最終的には全部本人にお任せです。だんだんと子供の人生は親とは別れていくのだと思います。
今月は双子の誕生会と称して両方の両親と計9名で毎年恒例の家族写真を撮る予定です。親4人とも各々いろいろありますが、今年も9人そろって撮れそうなことに感謝して残り少ない11月、12月をなるべく丁寧に過ごしていきたいと思います

乳児の消化管アレルギーについて

離乳食の始まった赤ちゃんの食物アレルギーの中で、摂取後すぐにアレルギー症状が出ずに、数時間してから嘔吐や血便などの消化管症状のアレルギーが出るお子さんが稀にいらっしゃいますが、杏林製薬のご担当の方に毎月いただく冊子に群馬県立小児医療センターのアレルギー科の山田佳之先生の記事がありましたのでチェックしました。
通常の即時型(食べてすぐでる)の皮膚や蕁麻疹・また即時型(食べてすぐ)の消化器症状のアレルギーは採血でIgEが陽性になり診断がはっきりわかりますが、摂取後しばらく時間(早くて2時間、遅いと数日)がたってからの消化器アレルギー症状は採血でもIgEが陽性にならず、臨床経過と食物負荷試験の結果などから診断することになります。
この乳児の遅延型の消化器アレルギーは牛乳由来のミルクでの発症が圧倒的に多く、ほかに卵黄・卵白のこともまれにあるそうです。
粉ミルクの場合は1歳までに8割が耐性を獲得できると報告されています。ですから1歳をすぎたら負荷試験を実施するケースが多いようです。
負荷試験で判定する際も、摂取から発症が遅延型で時間がかかるため少なくとも6時間くらいは経過を注意しながらみる必要があります。遅延型で発症までの時間が長い分、負荷する食べ物と消化器アレルギー症状との関連性が見分けが難しくなるのですが、連日摂取することにより症状が出てこないかを注意深く観察することになります。
負荷試験も少し大変ですね。
また、日本人の新生児・乳幼児の粉ミルクによる消化管アレルギーのように、食物に含まれるタンパク質による消化器の炎症症状は“食物蛋白誘発胃腸炎症候群”は約0.2%くらいの発症率で日本国内で年間に2000人くらいの赤ちゃんが発症していると考えられています。
日本では嘔吐のみでなく血便を伴うことが多くさらに炎症が強いと発熱まで伴うこともまれにあるそうです。
今は離乳食の開始時期が遅いほどアレルギー性皮膚炎の発症率が増えるといわれ、早期の離乳食の開始が薦められ、食べ物アレルギーの予防には“経口免疫寛容の誘導” (積極的に食べさせて免疫をつけて慣れさせていく)が大切だと思われる今、まれに時間がたってからの消化器アレルギーの存在も認識していることが大切であると感じました
10月に入り肌が急に乾燥する時期です。マスカラを落とそうとクレンジングを何回もなぞると両目のまぶただけ翌朝きまって赤くはれてヒリヒリすることに気付き、マスカラ残ってても可というくらいに優しく一回のみクレンジングするようにしています。季節のみでなく、年齢を実感します。
日曜日など運動しまくってクタクタに夜中リビングでうたたねしていると、リビングで勉強中の長男は“寝てるよ!早く布団いけよ”と冷めた目つきを 
双子たちは“ママ、メイク付き、やばいよ、落として!”と肌を心配してくれます。さすが女子。
疲れた時の寝落ち後のメイク落とし、辛すぎてついついいい加減になりがちですが、目元はそれくらいでちょうどよいかも。とにかく歳とともに皮脂の落としすぎはすぐ皮膚にでてきます。
皮膚のみでなく、一年前は分単位一時間単位で予定を入れても予定通り動けていたことが、最近は分単位・一時間単位で用事をいれると気持ちが疲れてしまい、無理がきかなくなってきました。
気持ちが焦ってアクセクすることが嫌になり予定もぎゅうぎゅうに詰め込みたくない気持ちになります。体のパワーが少し落ちているのです、多分歳とともに。
でも逆に今の方が、好きなことに携わる時間の大切さをかみしめることができます。
仕事中の患者さんとの触れ合い一つ一つ、通って下さる小さなお子さんの成長一つ一つ
元気をもらう幸せを心から有難い、と思います。
仕事以外でも、今生活に欠かせなくなっているパーソナルジムや feel cycle での自分自身の成長を実感しながら、インストラクターの方々を信頼しその時間を集中し楽しめる瞬間に感謝しながら、継続していこうと思います。
自然に成長していく自分の子供達と、老いていく4人の両親達と、そして自分自身の体も歳とともに変わっていく中で自分も含め全て労わりながら優しい気持ちを持ち続けたいと思います

体内時計について

9月も後半になり急に夏が終わり日照時間も少しずつ短くなってきました。
最近ポーラさんにいただいた美肌カフェ通信に体内時計についての柴田重信先生(早稲田大学先端生命医科学センター)の記事をチェックしました。
人間には体内時計を司る時計遺伝子は私たちの体の中で一日のリズムを刻む働きをする遺伝子ですが脳内の視神経が交差する視交叉上核にある親時計1個と各臓器にある19個のサブ時計の20個から構成されています。親時計から神経やホルモンなどを通じてサブ時計に情報が伝達されて生体全体の体内時計を同調させています。
この体内時計は周期が24.3時間でそのままでは一日経過するごとに18分ほど後ろにずれてしまいます。そのずれをリセットするのが朝の太陽光と食事です。
太陽光が目の網膜に入るとそこからの刺激が親時計のある視交叉上核に届き、その奥の松果体に届き、メラトニン分泌を調節し、朝夜を区別しています。
メラトニンは成長ホルモンの分泌を促し強力な抗酸化作用を持ち重要です。
食事も重要な因子で、夜からの長い絶食を経て朝食を食べることでインスリンが効率よく働き時計遺伝子で体内時計がリセットされます。
ですので、朝起きたらしっかり太陽光を浴びて朝食をたべる、という当たり前のことが知らずに体内時計をリセットさせているのですが、マウスの実験から、朝食の内容もリセット率を変えることが分かってきました。
でんぷんのみ、でんぷん+食物繊維、ミネラル、でんぷん+脂質の組み合わせよりも、でんぷん+タンパク質の組み合わせが最も体内時計のリセット効果が強い結果でした。
パン+ミルク・チーズ、ごはん+納豆・魚などは体内時計リセットには最適な朝ごはんです。
また、太陽光の時間はそのままで食事時間のみ5時間後ろにずれると体内時計は2~3時間しかずれないことも分かっていて、親時計と各臓器のサブ時計がずれて時差ボケの状態になり、体内時計が乱れます。ですから朝食抜きで昼食からスタートするとこの時差ボケの体内時計の状態になり、体に不調をきたしやすくなってしまいます。
例えば体内時計が乱れて一つの時計遺伝子がなくなると夜でも食欲が増進して食べ始めると止まらなくなったりあらゆる体の不調につながっていってしまいます。
夕食の時間も遅くなると体内時計は乱れやすいため、仕事で遅くなりやすい場合は夕方ごはんなどの炭水化物を食べておかずや副菜を帰宅後に食べる、などの分食が薦められています。
運動に関しても、夜明るいジムでの運動は体内時計を遅らせてしまうのと交感神経優位な状態が続くために眠りの質を下げるため、夕方までに終わらせるのが良いそうです。仕事のある方はなかなか難しいですが。
ちなみに運動は食事の前よりあとにする方が脂肪燃焼のエネルギー代謝が増加して体重増加も抑えられるそうです。
皮膚にも時計遺伝子があることがわかっていて、皮膚の水分保持コントロールもこの時計に制御されていることやこの時計が壊れるとキズが治りにくいことなどがわかっています。
皮膚の美容的にもこの体内時計を乱さない!ことは大切です。
まずは基本的な規則正しい睡眠と食事。朝10時に起床するとメラトニンの分泌は激減して太陽光をあびても体内時計はリセットされません。朝6~7時に起床し太陽光をあびると時計はリセットされ夜9~10時にはメラトニンの分泌が始まり眠くなってきてそのまま0時前に眠れば成長ホルモン分泌のピークと重なり質の高い睡眠が得られます。
逆に夜遅くのスマホやパソコンなどのブルーライトは視神経を抑制してメラトニンを抑制してしまうだけでなく、電磁波がメラトニンを破壊してしまいます。
寝る前2~3時間はスマホパソコンは見ないようにする、部屋を暗めにする、などは眠りの質にとって、そして美容に重要な成長ホルモンの分泌のためにはとても大切です。
わかっちゃいるけどなかなか寝る前にスマホでのニュースチェックやショッピング、ネットサーフィンはやめられません でも、すべては自分の体内時計バランス、成長ホルモン分泌、結局は自分の美のために、気をつけたいと思いました
最近の研究で体内時計のボス時計が存在する視床下部が機能低下すると全身の老化が進みやすいことが分かってきました。視床下部の機能低下の一番の因子は過度なストレスです。ストレスを溜めないためには上手くストレスを解消すること、質の高い眠りをつくって前日のストレスを持ち越さない!忘れる!こと
私自身も年代や家族環境によってストレスは変化してきました。歳とともにうまく自分でストレス回避できるようになってきていますが、これから先、女性ホルモンがまた変化してくるとどうなるのかな、確実に年齢は実感します先日も前髪に白髪をついに発見しショックのあまり速攻抜いてしまいました~。仕方ない
秋、あっという間にもうすぐインフルエンザ接種の時期です。今年は我が家も高3受験生がいるので少し緊張感のある?秋冬になるのかな。でも今のところ男の子は気分の波もなく淡々と動じない、学校でしつこく全て自分でやるようにと言われているのか、自分でセンターの申し込みも振り込みも志望校の選択も。親はお金の用意と食事の用意のみです。
小学生の娘たちはますます反抗期+口達者です。先日も夜の塾お迎え時にほかの子供に挨拶したら、“ママ、言っていい?ママの笑顔、キモイから。” 本当にこの時期の女の子って恐ろしい。我が子だけかもですが。
また、先日初めて実家の親の金融管理を整理する家族信託という制度の申し込みを行いました。しっかりものの姉が調べてすべて準備してくれて私は初めてだらけで学ぶことしかありませんでしたが、万が一父がいなくなったあと、判断能力のなくなった母を困らせないような金融の手続きを事前に行っておくことです。父の意向、母を絶対良い状況下においてあげたい、という気持ちも再確認できて本当に良い機会でした。
父の母への思いが伝わり、本当に娘としては幸せだと実感しました。母がどのような状況でもいつまでも両親どうしの愛情が実感できることってなかなか幸せなことだと思います。
夏休みも終わり毎日また忙しい毎日が子供も親も再スタートです。
運動のジムや空手、feel cycleのその場のみのお仲間たちは、家族も仕事も関係なく私だけの個になれる大切な空間です。大人も子供もストレスを溜めないように色々な場所に自分の居場所があってうまく気分転換ができるとよいのかな
一日一日、きちんと丁寧に仕事をして、かわいい未来のある子供たちや若い患者さんから力をいただくこと、年上の患者様から色々その年代その年代の状況を教えていただくこと、
そして心身とも健康な自分でいることが何より幸せです、そのためには朝の太陽光と朝食で体内時計のリセットを行い、寝る前のブルーライトを控えて質の高い睡眠をとることを心がけたいと思います。まずは寝る前のスマホかな

便秘の漢方薬について

夏休みもあっという間に終盤に入り、夜になって風がでると少し良いかな、と思える暑さになってきました。クリニックも長いお盆休みをいただき、スタッフも帰省したり私たちも毎日東京で運動したりドックを受けたり、ゆっくりリフレッシュできた夏休みでした
お盆休み前にツムラのご担当の方よりいただいた漢方記事で、便秘の特集がありましたので、自分自身のためにもチェックしました。
もともと西洋薬のセンノシド(アローゼン、コーラック)などは刺激性下剤で、だんだんと耐性ができて効きが弱くなる可能性があります。
それに比べて漢方薬は複数の生薬で構成されていて単純に便通に作用するのみでなく腹痛や膨満感、不快感やそこから生じる不安感などにも働きかけてくれます。
単純に腸の平滑筋を動かすだけでなく腸内の水分の分泌を促したり消化管の動きを改善する働きによりいろいろな面に総合的に良い影響が出やすいのが漢方薬です。
便秘の漢方薬も、内服する年代や症状により異なります。
高齢者でコロコロした硬い便が出にくい場合は、麻子仁丸(マシジンガン)や潤腸湯(ジュンチョウトウ)。麻子仁丸は甘草が入っていないので電解質異常が起こりにくく比較的安全に使用できます。
成人で下剤を服用すると排便はあるが便が固くお腹がゴロゴロして痛む場合は桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)、便秘と下痢が繰り返す場合は桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)。
若い女性などで便秘の初期では初めから刺激性下剤を使うと習慣化してしまうこともあるため、大建中湯(ダイケンチュウトウ)などでお通じを出す習慣を取り戻すことができます。特に腹部膨満感やガスが多い方に比較的有効です。
また、更年期前後の女性で肩こりや頭痛を併せ持つ実証(比較的がっしりとした体型)の方の便秘には桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)がとても有効です。
最後に、小児のうまく便が出なくて苦しい便秘には、小建中湯(ショウケンチュウトウ)が効果的です。小建中湯は桂枝加芍薬湯に飴アメが加えられたもので、子供でも飲みやすく、この飴が便をやわらかくして通りをよくする効果があります。ダイオウが入っていないため子供の便通を優しくコントロールすることができます。
また小建中湯は便通のみでなく腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを整えることにより小児のアトピー性皮膚炎や喘息などの症状を改善したという報告も多くあります。
便秘が続くと腸内環境も整わず、肌荒れニキビやアレルギー皮膚炎とも関わってきますので便秘の自然な治療は皮膚疾患にとってもとても大切です。
何より、運動による代謝亢進と十分な水分摂取は何よりの便秘対策です。
漢方薬をうまく使いながら、腸内環境をgoodな状況に保つのもよいですね。
このお盆休みは高3受験生の長男友人数人が勉強合宿で泊まりにきたため他の家族は恵比寿のホテルに宿泊してプチ旅行気分。小学生の双子も同級生と原宿に買い物ツアーに連れていったりキッザニアに行ったり、地味ですが少しだけ夏休みをenjoyしました。
家族皆で旅行した昔が懐かしくあっという間に子供は成長してしまいます。
 
夏休みはいつも以上に自分の子供と接する毎日です
長男は良き友人に恵まれてほぼ大人に成長しています。私も長男の時は初めての子育てで勉強なども一喜一憂必死でしたが、下の娘たちには本当に力が抜けて、とにかく元気で楽しく学校に通うこと、楽しく塾にも通ってくれることだけで親としては本当にありがたい、まったく一喜一憂もしなくなっています。本当は子育ては力がほどほど抜けていてちょうどよいのかもしれません。
とにかく母親が毎日楽しく仕事や運動や家事・おしゃれ をしている姿を見ていてくれるとよいけれどと我が子を信じるのみです。

アトピー性皮膚炎の新薬:デュピルマブ(デュピクセント)講演会

毎日猛暑が続く本当に暑い夏です
先月土曜日夜、アトピー性皮膚炎の新薬の注射剤、サノフィさんのデュピクセントの講演会がありました。
アトピーの病態に関わるTh2 型炎症の主要な IL-4、IL-13 のシグナル伝達を阻害する皮下注射剤で、ステロイド外用で効果の少ないアトピー性皮膚炎に大変有効です。
16週(4か月)経過にて70%の患者さんがEASIスコア(アトピー性皮膚炎重症度スコア)が75%以上改善し、有効性がとても高いのが特徴です。
アトピー性皮膚炎の病勢を表すTARC(タルク)というマーカーがありますが、このTARCの産生に重要な IL4抗体のレセプターをブロックすることが大きな特徴です。デュピクセントを注射後早くも2週間後にはTARCが80%下がることもわかっています。TARCの方が皮膚症状よりも先に下がって軽快してしまうので、TARCが下がったと思ってほかの外用加療を弱めてしまうと皮膚症状が再燃しやすいため少し注意が必要です。
初回は300㎎の注射剤を2本分(600㎎)皮下注し、2回目以降は300㎎(1本)を2週に一回投与します。
副作用としては目のかゆみ・結膜炎くらいで特に点眼薬で対応可能だそうです。
実際治療で処方されていらっしゃる先生方の臨床写真を拝見してもかなり症状改善がみられて有効性の高い薬剤です。
アトピー性皮膚炎の開発中の薬剤は
  バリシチニブ  (JAK1/2ブロッカー)
  ネモリズマブ  (IL31ブロッカー)
  ウパダシチニブ(JAK1ブロッカー)
  トラロキヌマブ (IL13ブロッカー)
  レブリキズマブ (IL13ブロッカー)
  フェザキヌマブ (IL22ブロッカー)
などがあり、これからも色々期待できます。
紫外線もますます強くなり、肌へのビタミン供給も気になる夏ですが、長年使用しているビタミンC(APPS)+E(APPS)ローションにさらにGO-VCという別のビタミンC誘導体がさらに追加されたローションが新しくでたのでサンプルを使い始めました。
従来のAPPS(誘導型ビタミンC )ですこし感じられたベトツキ感やにおいがないGO-VCにはツッパリ感やベタツキ感がなくしっとりとした保湿力と、美白効果(メラノソーム輸送阻害効果)やニキビ菌の増殖抑制効果も認められ、美白、保湿、ニキビの予防にも、広い意味で様々有効です。
もう少し使用してみてとても良ければまたご紹介していきたいと思います
夏休みも半ばをすぎ、我が家も高3受験生の長男は塾・自習室(時には贅沢にTSUTAYAスタバで、ほどほどの軽い雑音がかえって集中できるらしい、それ、少しわかるわ)でほとんど在宅せず、まったく手がかからず、かけず。
小5娘たちは塾の講習などが毎日午前中あり時に発狂していますが、夏休みらしく少しのんびりしています。
女子は痛いところをついて手厳しい、運動しようと出かけようとするとジム依存症!子供を置いて出かけるか!と攻めてくるので、罪悪感を感じざるを得ません 罪悪感感じながら運動に出かけるのもストレスフル、結局あきらめたり悩んだり。
早く大きく成長してくれないかな~、その頃にはまだ体が今くらい動くかしら、などと先のことを考えすぎず、その時の自分の優先順位を大切にしながら、思い悩みながらその時その時を考えていきたいと思います。
夏休みは、仕事はもちろん最優先ですが、子供のこと、運動、feel cycle, 実家のヘルプなどでその優先順位が悩ましいところです。これも子供がいるようになる夏休みならではの葛藤です。
とにかく気持ちを明るく意識しながら、栄養ある食事と運動、ストレス解消を心がけて夏を乗り切っていきたいと思います!

エピデュオゲル講演会

7月に入り毎日夏日が続いています。毎日外に出るだけで紫外線を浴びるだけで疲れが出やすいですが、しっかりとした食事と睡眠で何とか乗りきりたいです。
先日、マルホさん主催のニキビ講演会で韓国のニキビ加療で著名なDae Hun Suh先生のお話をうかがう機会がありました。
韓国ではイソトレチノイン内服など日本では保険適応のない薬も処方され日本よりもざ瘡治療はすすんでいますので、お話をうかがっていてもより日本よりも積極的に治療しているイメージを受けました。
先生はにきび炎症期であっても、ディフェリンとベピオの合剤であるエピデュオゲルを最初から積極的に使用されています。
ディフェリンは角質が厚くなるのを防ぐのみでなく、具体的に炎症を抑制する抗炎症活性を発揮したり表皮の免疫システムを調整したりすることによってC.acneに対する抗菌活性を強める効果があります。
ベピオは角質融解作用が強く脂肪酸も低下させ、抗菌剤ではないですが殺菌作用も持つくすりです。
この2剤が合わさったエピデュオゲルは抗生剤が含まれていないため耐性菌もできず、長期使用ができるのも特徴です。
研究でも、4週間外用でC.acneを93%減少させ、従来のニキビ抗生剤に対する耐性株を93%減少させました。
韓国ではエピデュオゲルが出てから7年以上経っていますが、炎症ニキビの方・面皰中心の方両方において有効性が認められています。
エピデュオゲルの初期の副反応として起こりうる、乾燥紅斑・刺激感・かゆみに対しては、韓国でもやはり皮膚科医が使用方法を具体的に説明しています。
まず、ノンコメドジェニックの保湿剤(面皰ができずらい・油性でない保湿)を塗った後、ごく少量を、初日は径2㎝以下の面積にとどめて一日ごとに直径1cmずつ塗る面積を広げていく、全顔の場合は数日かけて全顔に広げるようにすること。
3、4週間くらい経って慣れてきたら、先にエピデュオ、その後保湿剤、と順番を変えていくこと。
目の周りや口周りの乾燥しやすい部位は避けること。
最初は数分間刺激があるのが通常ですが、ふつうは徐々に慣れて2週間以内には消失していくこと。
エピデュオゲルは小児期(9歳から)から使用でき、思春期ニキビを初期に予防することによりニキビ瘢痕も防ぐことも可能で、耐性菌もないため慣れてきたら長期に使用することもできます。
韓国では顔や体にはの重症ざ瘡内服のイソトレチノインが処方でき皮脂分泌の低下作用が強くとてもよく効くそうです。イソトレチノインほどではないですが、アンドロゲンレセプター阻害剤でもあるスピロノラクトン内服も皮脂分泌を低下させて効果が強いです。
韓国では美に対する意識が幼少時より強いですし、積極的に効果の高い薬は副作用に注意しながらも使用していく印象でした。日本人では肌質も考えも異なりますが保険適応のある有効な薬は副反応に注意しながら積極的に使用していきたいと改めて感じました。
 
最後の質疑応答でエピデュオゲルの使用していると炎症ニキビや面皰が減少しても、紅斑がしばらく残ることがあることへの対策について、先生は、待つしかない、赤みが重症な場合はダイオードレーザーで加療されるようですが、基本的には2,3ヵ月待てば徐々に良くなる、と説明されているそうです。
ふだんなかなか聞くことのできない、より進んだ海外の治療のお話をうかがう機会は大切だと実感しました。
 
7月も半ばが過ぎ、1学期もあとわずかです。 先日高3長男の塾の親の個人面談がありました。何か聞くことあるの、言うことあるの?と本人に事前に確認するも、ね~よ、と。
本人の状況も模試結果もほぼ分かっていない私が聞くこともないのですが、先生からはこのまま親はノータッチでいてください、(うちの子はともかく)優秀なお子さんは皆、親はノータッチです!と親としてはその手の掛けなさを褒められました ですよね~、本人ですよね~。
この夏は毎夜のワールドカップTV観戦もやりつつ、高3最後の⁇乃木坂コンサートも行きつつ、受験生の夏休みです。
小学生達の個人面談はこれからですが、一人は先生に平謝りの面談になるかな~
どちらにしろ、ふだん送り出すのみの子供たちの様子がわかる面談は大切だな~と実感する時期です。
 
本格的にこう暑い夏が始まると気持ちがウンザリしがちですが、今日feel cycle でsummer特集のプログラムを受けました。夏のポップで元気がでる曲を集めた45分間、明るくのせてくれるインストラクターの方のお陰で、夏を楽しく迎える気持ちに少しだけなりました!
いつもの場所で、いつも会うサイクル仲間たちと、楽しかったね~また受けたいね~と笑顔で楽しい時間を共有できてより幸せ。
明るいって、いいですね。私もなるべく気持ちを明るくできる人でありたいな~と最近思います。頭であれこれ理屈を考えすぎず、その時の自分の気持ちに正直に、活動するときは活動する、休むときは休む、気持ちを明るく持ちながら暑い夏を乗り切っていきたいと思います

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